しゃぼん玉/乃南アサ 2011-03-09 11:47:51 | 読書 乃南(ノナミ)アサの『しゃぼん玉』を読んだ。 「自分は生涯、しゃぼん玉のように、ただ漂って生きていく。そしていつか、どこかでパチンと弾けて消える。それだけの存在のはずだ」 こう述懐する主人公伊豆見翔人は自堕落で自暴自棄な生き方を享受していた。 その彼が平家落人伝説のある椎葉村で老婆スマをはじめとする村人の暖かさに触れていく。 険しい顔つきが徐々に柔和になって、生きる意義を見出していくのだ。 最後にかけて目頭が自ずと熱くなっていく・・・