近畿大学の研究チームがシベリアの永久凍土から見つけたマンモスYukaの化石を通して画期的な研究を成し遂げた。
細胞核には生命の設計図「DNA」が含まれているが、化石から得られた細胞核が生物学的に機能するのかはわかっていなかった。
シベリアで発見されたマンモスの体から骨髄と筋肉組織を採取し、さまざまな生物情報の解読、および細胞核の機能の復元に挑んだ。
まず、遺伝情報についてアフリカゾウと比較し、マンモスがもつ特徴的なDNAやタンパク質の配列を確認した。
次に、タンパク質の保存状態について解析したところ、Yukaの筋肉組織は比較的良好な状態で、細胞核の成分が存在していることが示された。
そこで、筋肉組織から回収したマンモスの細胞核を、マウス卵子に注入し、マウス卵子を生かしたまま細胞核の動きを観察した。
その結果、マンモス細胞核が新たにマウス由来の細胞核タンパク質を取り込みはじめ、なかには細胞分裂をする直前の形になるものも存在した。
さらに、マンモス細胞核の一部が最終的にマウス卵子の細胞核の中に取り込まれる現象まで確認できた。
だが、細胞分裂には至らず、マンモスの細胞核はまもなく死滅した。
長期間にわたってシベリアの過酷な環境にさらされ、遺伝子が損傷していたことが原因とみられる。
ただ、遺伝子損傷がマウスの卵子によって修復された可能性も示された。
損傷が軽度で保存状態が良好な細胞核が得られれば、細胞分裂して個体に育つ受精卵の作製につながる可能性もあるらしい。
本研究は、生物学的活性を保持している細胞核がマンモス化石中に存在することを世界で初めて実証した先駆的な成果である。
絶滅動物における生命現象の細胞レベルでの再現など、今後の古生物学と進化生物学における新たな発見が期待されている。
ハーバード大学の研究チームも、マンモスとアジアゾウのゲノムを接合する計画だ。
実現までにはまだ多くの年月がかかると見られるが、成功すれば、マンモスの形質を備えたゾウが誕生することになる。
特徴は、寒さに適応した血液や長い体毛、分厚い脂肪層などが挙げられる。
どちらにしても純粋なマンモスを作り出すのは難しく
イノシシとブタの合の子がイノブタと呼ばれるように
マンモスの遺伝子を受けついだゾウが遅かれ早かれ
誕生するのは間違いないだろう。
細胞核には生命の設計図「DNA」が含まれているが、化石から得られた細胞核が生物学的に機能するのかはわかっていなかった。
シベリアで発見されたマンモスの体から骨髄と筋肉組織を採取し、さまざまな生物情報の解読、および細胞核の機能の復元に挑んだ。
まず、遺伝情報についてアフリカゾウと比較し、マンモスがもつ特徴的なDNAやタンパク質の配列を確認した。
次に、タンパク質の保存状態について解析したところ、Yukaの筋肉組織は比較的良好な状態で、細胞核の成分が存在していることが示された。
そこで、筋肉組織から回収したマンモスの細胞核を、マウス卵子に注入し、マウス卵子を生かしたまま細胞核の動きを観察した。
その結果、マンモス細胞核が新たにマウス由来の細胞核タンパク質を取り込みはじめ、なかには細胞分裂をする直前の形になるものも存在した。
さらに、マンモス細胞核の一部が最終的にマウス卵子の細胞核の中に取り込まれる現象まで確認できた。
だが、細胞分裂には至らず、マンモスの細胞核はまもなく死滅した。
長期間にわたってシベリアの過酷な環境にさらされ、遺伝子が損傷していたことが原因とみられる。
ただ、遺伝子損傷がマウスの卵子によって修復された可能性も示された。
損傷が軽度で保存状態が良好な細胞核が得られれば、細胞分裂して個体に育つ受精卵の作製につながる可能性もあるらしい。
本研究は、生物学的活性を保持している細胞核がマンモス化石中に存在することを世界で初めて実証した先駆的な成果である。
絶滅動物における生命現象の細胞レベルでの再現など、今後の古生物学と進化生物学における新たな発見が期待されている。
ハーバード大学の研究チームも、マンモスとアジアゾウのゲノムを接合する計画だ。
実現までにはまだ多くの年月がかかると見られるが、成功すれば、マンモスの形質を備えたゾウが誕生することになる。
特徴は、寒さに適応した血液や長い体毛、分厚い脂肪層などが挙げられる。
どちらにしても純粋なマンモスを作り出すのは難しく
イノシシとブタの合の子がイノブタと呼ばれるように
マンモスの遺伝子を受けついだゾウが遅かれ早かれ
誕生するのは間違いないだろう。