市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

エコセメント問題

2011-11-05 | 環境
二泊三日の視察旅行から帰宅したその日(2日)、
市からの情報で、市内の廃棄物処理会社「市原エコセメント」の排水から
国が示した目安の15倍の放射性セシウムが検出されていたことがわかりました。

これは3日の報道でも大きく取り上げられましたので、注目している方も多いことでしょう。
さっそく、市環境部の環境管理課とクリーン推進課に聞き取りを行いました。

エコセメントとは、ゴミを燃やしてできた灰に石灰を足して製造された、リサイクルセメントです。
「市原エコセメント」は、H13年操業開始。
市原市内の一般廃棄物の焼却灰はもちろんのこと、県内34市町村の焼却灰が搬入されています。


同社は、9月の自主検査で高濃度汚染排水を把握していたにもかかわらず、
一か月半にもわたって市原港に排出し続けていました。
創業当時、ダイオキシン排出などを懸念する地元住民の反対がかなり大きかったと聞いていますが、
そうであればなおさら、直ちに報告して対応すべきでしたね。

ともかく県は直ちに放流停止を要請し、2日に排水口付近と周辺海域の計5か所で放射能濃度を測定しましたが、
一応結果は不検出。
(こういう言い方はあまり好きじゃない。。正しくは定量限界値以下ってことよね)
でも、市原港は海釣り施設もあるし、市民としては心穏やかではいられません。
市原市としての同社への対応に関しては、県からの情報把握に努めるとの答えしか得られませんでしたが、
他に働きかけや対応策はないものなのでしょうか??

さて、市原市として現在最も頭が痛い問題が、
同社の一時操業停止に伴ってダブつく年間4000トンもの焼却灰。
市内平蔵の管理型処分場に埋め立てるには、地元町会の理解を得る必要があります。
「もし理解を得られなかったら?」の質問に対しては、
「他県のエコセメント事業者にお願いするしか・・・」と苦渋の表情の担当職員のお答えでした。
日本では、ここ市原市の他には多摩市と熊谷市の二か所にしかないそうです。。

土地が狭くて人口の多い日本。
各自治体にとって、増え続ける廃棄物(ゴミ)をどう処理すればよいのかは、本当に頭の痛い問題です。
焼却する際に発生するダイオキシンなどの有害物質による大気汚染。
焼却した後の灰を埋め立てたら埋め立てたで、地下水の汚染が心配だし、
満杯になったらまた広大な埋め立て場所を確保しなければならないし。
少しでも満杯になる時期を遅らせようと登場したのが、灰を有効利用するエコセメントだけど、
エコセメント製造も少なからず環境に負荷をかけるうえに、
追い打ちをかけるように原発事故が・・・

やはり、従来から言われているように、
一人一人がなるべくゴミを出さない生活を心がけることがまず一歩目なのでしょうが、
消費型社会で経済を回してきた日本が循環型社会に転換していくまでには、なかなか遠い道のりです。

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