肺炎は日本人の死因のなかでは4番目に多い病気です。
原因となる病原体のうち、特に70歳以上で一番多いのが肺炎球菌。
安易な抗生物質の使用によって、抗生物質が効きにくい肺炎球菌(耐性菌)が増えたことで、戦後減り続けた肺炎の死亡数も、近年は増加傾向にあります。
肺炎予防のための成人用肺炎球菌ワクチン(製品名 ニューモバックスNP)は、日本ではちょうど10年前から使用が急増しました。
なんとそのきっかけはNHKの某番組で取り上げられたことなのだそうです。それまでは日本では医者の間ですらあまり知られていなかったと言いますから、驚きです。
しかし、その効力は5年経つと低下してしまいます。短期間で再接種をすると強い副反応が起きることから、日本ではこれまで再接種はできませんでしたが、2009年から、65歳以上のお年寄りやハイリスク患者に限って打てるようになりました。
ここで問題なのは、肺炎球菌ワクチンは基本的に2回までしか効果が検証されていないということです。
「65歳になったら肺炎球菌ワクチン」などと有名人を起用してキャンペーンが張られ、新型インフルエンザの流行騒ぎで肺炎の合併を予防したいなどの理由もあり、若い年代でも安易に打つ人が増えているようです。
でも仮に65歳で1回打ち、5年後に2回目を打ったとして、そのさらに5年後の75歳になったら、どうするのでしょうか?
健康な体であれば、接種は少なくとも後期高齢の75歳を過ぎてから考えても遅くはないいのではないでしょうか。
本当に今の自分に必要なワクチンなのか、よく考えてから接種を受けましょう。
ちなみに、
脾臓を摘出した患者さん以外は保険適用されません。自費でだいたい7~8千円程度です(ニューモバックスNPの薬価は一本約5千円)。
副反応はおもに注射部位の痛みや熱感、倦怠感や筋肉痛・関節痛などの全身症状がみられることもあります。
私は、抗生物質にしろ、ワクチンにしろ、カゼ薬にしろ、どんなクスリも、安易に体に入れるものではないということを、もっと皆さんにわかっていただけたら・・・と思っています。
私のような薬剤師は、ドラッグストアで働くのは無理かもしれませんね。
きっと売り上げガタ落ちです^^;
参考
・「肺炎球菌ワクチンQ&A」http://www.mjunkanki.com/diseases/pneumobacks.html#Q1
・「調剤と情報」2012 1月「COPD診断と治療のためのガイドライン第3版」永井厚志
原因となる病原体のうち、特に70歳以上で一番多いのが肺炎球菌。
安易な抗生物質の使用によって、抗生物質が効きにくい肺炎球菌(耐性菌)が増えたことで、戦後減り続けた肺炎の死亡数も、近年は増加傾向にあります。
肺炎予防のための成人用肺炎球菌ワクチン(製品名 ニューモバックスNP)は、日本ではちょうど10年前から使用が急増しました。
なんとそのきっかけはNHKの某番組で取り上げられたことなのだそうです。それまでは日本では医者の間ですらあまり知られていなかったと言いますから、驚きです。
しかし、その効力は5年経つと低下してしまいます。短期間で再接種をすると強い副反応が起きることから、日本ではこれまで再接種はできませんでしたが、2009年から、65歳以上のお年寄りやハイリスク患者に限って打てるようになりました。
ここで問題なのは、肺炎球菌ワクチンは基本的に2回までしか効果が検証されていないということです。
「65歳になったら肺炎球菌ワクチン」などと有名人を起用してキャンペーンが張られ、新型インフルエンザの流行騒ぎで肺炎の合併を予防したいなどの理由もあり、若い年代でも安易に打つ人が増えているようです。
でも仮に65歳で1回打ち、5年後に2回目を打ったとして、そのさらに5年後の75歳になったら、どうするのでしょうか?
健康な体であれば、接種は少なくとも後期高齢の75歳を過ぎてから考えても遅くはないいのではないでしょうか。
本当に今の自分に必要なワクチンなのか、よく考えてから接種を受けましょう。
ちなみに、
脾臓を摘出した患者さん以外は保険適用されません。自費でだいたい7~8千円程度です(ニューモバックスNPの薬価は一本約5千円)。
副反応はおもに注射部位の痛みや熱感、倦怠感や筋肉痛・関節痛などの全身症状がみられることもあります。
私は、抗生物質にしろ、ワクチンにしろ、カゼ薬にしろ、どんなクスリも、安易に体に入れるものではないということを、もっと皆さんにわかっていただけたら・・・と思っています。
私のような薬剤師は、ドラッグストアで働くのは無理かもしれませんね。
きっと売り上げガタ落ちです^^;
参考
・「肺炎球菌ワクチンQ&A」http://www.mjunkanki.com/diseases/pneumobacks.html#Q1
・「調剤と情報」2012 1月「COPD診断と治療のためのガイドライン第3版」永井厚志