市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

TPP参加と混合診療の自由化

2012-01-21 | 健康・医療
政府は年明け早々、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉国との事前協議に入っています。
まずは、ベトナムとブルネイに代表団を派遣しました。
交渉参加に向けて、どんどん動き出していますね。

TPPというと、とかく関税や農業が話題の中心となっていますが、実はそれだけではありません。
労働力、環境、食の安全、公共サービスと、私たちの暮らしのさまざまな分野に影響を及ぼします。

そのなかでも、とりわけ私が注目するのは医療分野。
「TPP参加が混合診療の自由化につながり、国民皆保険制度が崩壊する恐れがある」と、日本医師会や日本薬剤師会等はTPP参加に反対の立場をとっています。

「混合診療」とは?

「健康保険でまかなえる診療」と「保険がきかない自由診療」を併用すること。
現在日本では、原則禁止されています。

たとえば、保険がきく癌の切除手術を受け、その後、国内未承認の抗癌剤での治療を希望した場合、
混合診療はできませんから、本来保険がきくはずの手術の治療も、全額自費となってしまうのです。

じゃあ、混合診療が自由化されたほうがいいじゃない?
・・・と一瞬思ってしまいますが、そう単純ではありません。

国民皆保険制度は「すべての国民(被保険者)に、すべての必要かつ質の高い医療を」保障するという前提に立っています。
もし混合診療が解禁されれば、これまでのように「新しい医療技術や新薬を、保険にいち早く取り込んでいく」という必要性が薄れてしまいます。
従って、公的な保険診療は必要最低限に抑えられ、その他の医療は自由診療にして、お金がある方はそちらもどうぞ、となってしまうのです。

医療格差は患者側だけにとどまりません。
医療機関側も、外国資本の参入などにより、もうかる自由診療を経営の主体とするところが増えるでしょう。

こうして、国民皆保険制度の崩壊につながっていくのです。

そうは言っても、
「保険財源はひっ迫してるんだから、保険診療は必要最低限でいいんじゃない?必要な人だけが自費で高度な治療を受ければ」という考え方もあるでしょう。

いずれにしても、医療ひとつとってもこれだけの影響が考えられるTPP問題。
にもかかわらず国民への説明はほとんどなく、どんどん進められようとしています。
野田首相は、「世界に誇る日本の医療制度、伝統文化、美しい農村は断固として守り抜く」としていますが、、
そもそも、自国の制度よりも多国間とのルールを優先させるのがTPP。
押し切られてしまう可能性は大ですよね・・・。

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