言わなければならない事は言わないと前には進まない

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TPP反対運動:日本農業新聞論説です

2011-12-16 06:23:34 | 言いたいことは何だ
TPP反対運動/国の安全保障の問題だ (12月03日)
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 JA全中は2日の理事会で今後の国際農業交渉の取り組みを決めた。特に、地域経済衰退に直結する環太平洋経済連携協定(TPP)への対応では、広範囲な国民各層との連帯を通して交渉参加に断固反対する方針を確認した。JAグループの今後の運動は食料主権に関わる国の安全保障の問題である。財界や一部マスコミによるTPP交渉参加を促す動きは大きな問題だ。貿易自由化と国内農業振興の確立は絶対に両立できない空論にすぎないことを強調したい。組織内外に断固とした確信のある主張を繰り広げ、国民全体の大運動に盛り上げるべきである。

 貿易自由化に向けた政府の動きが急だ。関税の撤廃を大前提としているTPPに関連し、政府は交渉への参加・不参加の判断は先送りしたものの、関係国との協議は開始するとして包括的経済連携の基本方針を閣議決定。これに沿って自由化促進に向け関係7閣僚の会合や経済連携推進と農業振興の両立を目指す菅直人首相が本部長となる「食と農林漁業の再生推進本部」も動きだした。

 しかし、こうした一連の会合や推進本部での話し合いは、「まず自由化ありき」というTPP参加のための条件整備であっては決してならない。推進本部と同時にできた国民各層の有識者がメンバーとなる「食と農林漁業の再生実現会議」で茂木守全中会長は「この会合はTPP参加のための会合ではなく、新たな対策を立てる場と理解している」と強調し、「前のめり」となる政府対応にくぎを刺すとともに、国家戦略として食料・農業・農村基本計画で明記した食料自給率50%に向けた対策を早急に具体化するように求めた。当然である。

 自由化と国内農業振興が両立できないことは明らかである。煮えたぎった湯の中に氷を入れるようなものである。自由化という熱湯はたちまちに、氷の塊を跡形もなく消してしまうだろう。いくら国内対策で農業者の所得が補塡(ほてん)されても、関税という歯止めを失い農畜産物の輸入増加を抑えることができず、価格は全般的に低落し国内農業は大打撃を受ける。

 さまざまな品目は、輸入関税との組み合わせで成り立っており、制度そのものも崩壊する。鮮度が命の飲用牛乳なども、輸入粉乳を原料とした還元乳に市場を奪われる可能性が十分にある。そういった意味で、1日の自民党「TPP参加の即時撤回を求める会」で宮越光寛農林部会長が「TPPは、裸になって竹やり一本で戦うようなものだ」との発言は的を射ている。

 全中の決定を受けて、JAグループはTPP交渉参加阻止1000万人署名運動を全国展開する。この運動の成果こそが、日本の食と農と命を守り日本農業の再生にもつながるはずだ。国民全体と歩調を合わせて大運動を期待したい。

コメント (2)
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