私の思いと技術的覚え書き

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C国新型潜水艦プロパガンダ動画

2020-05-23 | コラム
 YoutubeでC国でスクリューのない新型潜水艦を建造したというプロパガンダ動画を見た。内容は余りにもお粗末で、何ら信用性のないもので見る意味はないが、一応リンクを示しておく。

 スクリューのない潜水艦と云うと、潜水艦映画ファンなら「レッドオクトーバーを追え」(トムクランシー原作)を思い出すだろう。これはかなり現実味があり、原子力船だが、超伝導磁石を使用し、その極管に働くローレンツ力を利用して艦の前方から吸い込んだ水流を艦後方へ強力に排出することにより前進するという架空のものだ。架空と云っても、既に1992年に公益財団法人日本財団がヤマトとなど桁200トンほどの実験船を作って一応の実験運行を行っている。推進装置は左右2機だが、片側が三菱重工、もう一方が東芝だった様だ。その実験の際の最高速度は15ノットだったそうだ。

 また、スクリューがないだけなら、米国のシーウルフ級原潜(3艦あり)には、ポンプジェットとかウォータージェットと呼ばれる、水流を回転ポンプで吸い込み後方へ噴き出す機構を採用されたものがある。これは、レジャー用の水上バイクにも多用されているものと基本原理は同様のものだろう。これは、水流の強さにもよるが、スクリューと同様にキャビテーションを生じるから、限りなく静かに推進するというものではないだろう。

 潜水艦の推進力というのは、艦後方への水重量を移動させる反動により前進できる訳だが、単位時間になるべく大量の水を移動させられる程、高速が出せる訳だ。この場合、小径のスクリューを高速回転しても大径のスクリューを低速回転しても同じ効果が得られる。しかし、スクリューを高速回転すると、キャビテーションが生じ隠密性が落ちるので、現代潜水艦は大径スクリューでなるべく高速回転させないで駆動推進させているということの様だ。

 それと、日本は防衛目的で核兵器も積んでいないので、世界中を動き回るまでの潜行時間の長さは必用ないので、原子力までは除外している。これは、浮上(もしくはシュノーケル深度)でディーゼル発電とバッテリー充電とモーター推進、潜航時はバッテリー+AIP(非大気発電充電)でモーター推進であった。最新型ではAIPを外し、そのスペースにリチウムイオンバッテリーを増設しているらしい。これで、最大船速ではムリだろうが、一週間程度は潜行行動が取れるということの様だ。

中国は誰も知らない潜水艦を建造した 2020/05/22
https://www.youtube.com/watch?v=y4sru9AY3CE&lc=z22hsfdz3ovnib1d4acdp43abb0oltrvvicq5dv3rxdw03c010c

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