私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

作業時間のこと(任せられぬ者)

2017-05-30 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 つい先日、大型バスのリコールに関わり、メーカータイムの信憑性みたいなことを記した。クルマの整備やボデーリペアの作業時間には、ざっと眺めても、メーカータイムもしくは工数、指数、標準作業点数と各種ある。この中で、メーカー値として、現実の作業が全うできるのは、新車プラントにおける各作業(タクト)ぐらいなものであろう。新車プラントでは、流れ作業を基本とし、全体が淀みなく進行するということを第一義に目標化 . . . 本文を読む

ふそう大型バスリコール点検実施実施と作業工数に思う

2017-05-28 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 過日、件の車体腐食によりフロントサスペンションが脱落し操舵不能になる怖れ(何で記さないのかと思うが、すなわち大事故の危険性があるということ)があるとして、リコールが発表された該当車を取扱いディーラーに持ち込んだ。この点検は、フロントサスペンションの車体側支持部となるセンターメンバー(板厚5t程)に、6ヶ所ほど10φ程の穴を開け、内視鏡カメラで観察、撮影し、画像をメーカーに送り、最終結論を得るとい . . . 本文を読む

R53クラッチ修理の続き・他

2017-05-26 | BMWミニ
 過日記した、走行中にクラッチが固着し、まったくペダルを踏めないし、従って切れないというR53の続編を記してみる。新品部品が入手できたので、まずはレリーズフォーク関係の部品を組み付ける。フォーク、シャフト両端のナイロンブッシュを新しい部品で組み付けていく。間違っても、締め付け不良がないよう、念入りに確認しつ組み付ける。  新品のクラッチディスクは、インプットシャフトに勘合させて、スムーズに前後で . . . 本文を読む

FIAT500のエアコン不具合のこと

2017-05-20 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今日のこと、知り合いの板金屋さんからFIAT500のエアコン不具合の相談を受け、短時間であるが診断して見た。結論から述べると、時間的余裕がなく、追求しきれなかった。しかし、帰宅後に何か参考となるWebページはないかと検索したところ、下記記事に触れ大変参考となったので紹介したい。そして、今回のクルマもWebページと同一原因の可能性が高いと思える。  短時間の診断ではあるが、以下の様なことをやって . . . 本文を読む

R53クラッチ部品に感じること

2017-05-19 | BMWミニ
 過日記した、クラッチトラブルのR53ミニだが、注文した部品が配送された。改めて、クラッチ系の各部品を眺めつつ、感じることを記してみる。  まずは、本件トラブルのレリーズベアリングだが、昔の整備屋としては、レリーズベアリング後方を支持するカラーは鋳鋼製が常識なのだが、このクルマ(最近は他車でも多かろう)はベアリングとカラーが一体で、カラーは樹脂製とされていることに気付く。これは、ガイドスリーブ( . . . 本文を読む

DPFとオイル交換インターバルのこと

2017-05-18 | 車両修理関連
 近年の排ガス対策されたディーゼルエンジンには、DPF(Diesel particulate filter)が排気管に付き、排気ガスのPM(Particulate matter=粒子状物質=煤)をトラップしている。昨今のディーゼルは、超高圧の電子制御燃料噴射(いわゆるコモンレールシステム)が当然となったが、それでも減ってはいるが煤は出るのだ。それ故、シリンダー壁を流れ落ちた煤によりオイルは黒化する . . . 本文を読む

この自動車部品は何か判る?

2017-05-15 | 車両修理関連
 単体でこの自動車部品は何かと問われたら、その車種に精通していない限り、答えられる方は少ないだろう。答えはBMW車に使用されるステアリング・アングルセンサー(以下同センサーと記述)である。同センサーはステアリング・ホイールの切り角度(転舵角)を検出する目的で設置され、DSC(スタビリティコントロール)や電子式ターシグナルスイッチのOFF動作等を行っている。だから、同センサー故障が生じると、DSC異 . . . 本文を読む

実オイルレベルゲージがない・・・なんだかなぁ

2017-05-14 | 車両修理関連
 2年ほど前に記した編集再録となるが、BMW・E90での話(他車でもいっぱいあるのだろうが)だ。エンジンオイルの量と質を見ようと、エンジンルーム内のレベルゲージを探すも「ない」のだ。調べてみると、最近のBMW車ではオイルレベルゲージがメーター内に表示する様になっており、エンジン本体の実ゲージは廃されたとのことだ。これはオイルパン内に設置のレベルセンサーで検出したものを、メーター内に表示すること(以 . . . 本文を読む

最新大型バスのエンジン

2017-05-14 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 写真は、比較的新しい三菱ふそう大型観光バスのエンジンルームだ。今や、三菱に限らず、大型トラックおよびバスの最大排気量は13L級がほとんどとなっており、更にダウンサイズした9L級エンジンへシフトしようとする流れも伺える。  写真は、ふそう6R10という、独ダイムラー社が本体の基本設計と製造を行い、日本独自のローカルカスタマイジングしたものとなっている。同一排気量でも、T1、T2などの仕様で、最大 . . . 本文を読む

エンジンオイル・ダイリューションのこと

2017-05-13 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 エンジンオイルを点検し、減っていることを知る機会は時々あるものだ。しかし、異常に減るのであれば、何処か外部へのオイル漏れてるとか、いわゆるオイル上がり(シリンダー壁のオイル掻き落とし不良)とか下がり(インテークバルブステム部からの漏れ)と呼ばれる故障が想像される。但し、シリンダー内をオイル潤滑している以上、多少減る傾向にあるのは異常ではない。それが、増えることがあるというのが今回の話の要点だ。 . . . 本文を読む

パトロールカーなどの警報ランプ運用について

2017-05-11 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 警察用パトロールカー(以下PCと表記、覆面を除く)には、サイレン、ルーフ上の赤色灯、車両前面の赤色点滅ランプが装備されている。これは、道路運送車両法で規定される、緊急車両の要件として理解するところだ。なお、同車両法では、緊急車両以外は車両前面の赤色燈火の装着を禁じている。  ところで、かながね疑問を感じていることなのだが、緊急走行でない一般の警邏運行中にルーフ上の赤色灯はともかく、車両前面の赤 . . . 本文を読む

R53クラッチトラブルのこと

2017-05-10 | BMWミニ
 過日、埼玉県戸田市まで引き取りに出向いたR53(6MT)だが、早速の原因追及に取り掛かった。運転者曰く通り、クラッチペダルがまったく踏み込めないし、ペダル位置がほぼ中間辺りとなっている。エンジンは始動可能だが、クラッチを踏むが僅かしかストロークせず、しかも結構大きな異音が出て、クラッチが切れず各ギヤに入らない。積車から降ろし移動するに際し、平坦なら2人で押せるが、作業場所に段差があるため、2人で . . . 本文を読む

ふそう4P10積車試乗記

2017-05-09 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 つい先日(5/6)のこと、旅先で故障してJAF経由でディーラーへ入庫したミニ(R53)を、レンタカー積車で引き取りに往復した。借りたレンタカーは、三菱ふそうの3.5ton積車だが、エンジン本体が例のFIAT社製で、3Lという排気量だ。車重4.3ton、総重量8ton近くに達するクルマをハイエースディーゼルと同様の3Lエンジンで、まともに走るのかいなと若干感心を持ちながら走ったのだ。  このクラ . . . 本文を読む

エンジン制御の今

2017-05-08 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 今やエンジンの制御技術は、デジタルCPUを基本とし、各種センサーとアクチュエーターを使い完璧に制御されていると一般には言われているのだが・・・。甚だ疑問を感じ続けているのだ。  この制御の主なものとしては、基本空燃費および噴射タイミング、点火タイミングとその進角、スロットルペダルに対するスロットルバルブの非線形化(バイワイヤ)や、カム進角や理論空燃費そしてアイドルスピード、ノックによる遅角など . . . 本文を読む

コンプライアンスを欠いた組織体

2017-05-05 | コラム
 1年前に記した記述を一部訂正して再掲載する。  コンプライアンスとは一般に令法遵守(じゅんしゅ)のことを指すが、単に法令に抵触しなければ良いというものではないと思っている。組織体(企業や官庁など)には、強いコンプライアンス意識が求められ、これは企業としての倫理もしくは道徳が強く求められることであると認識している。これは簡単に行ってみれば、コンシュマーを裏切らない高い透明性と社会正義が求められる . . . 本文を読む