批判的なメディアが「橋下徹のカネに関する不正」を調査し尽くした結果、分かった事実
8/3(土) 7:05配信 現代ビジネス
黒船なき令和の日本で、革命なき安逸の日々のなかで、激烈な政権交代は起きるのか?しかし、いま変わらなければ――かならず日本は、沈む!
百戦錬磨の戦略家、橋下徹(55歳)。時代を見定め、歴史を洞察し、日本人の本質を透徹した先に見えた悪魔的リアリズム、それが「政権変容論」だ。橋下氏は言う。
「『政権変容』が劇的に新しいのは、自民党がどうであろうと関係なく、野党が腹を括って決断しさえすれば次の総選挙で実現できるところです」
2024年の選挙から、グレートリセットは始まるのだ。
7月19日発売の稀代のリアリストの最新刊『政権変容論』(講談社刊)から、特別に内容を抜粋してお届けしていこう。
『政権変容論』連載第11回
『「ご挨拶だけ」となぜか渡されたのは”分厚い額ぶち”…を橋下徹が告白した、政治家にすり寄る業界団体の「露骨すぎるやり方」』より続く
裏金を受け取るリスク
―橋下さんは、そうしたカネはいっさい受け取らなかった。
橋下もちろん。だって嬉しさより、怖さのほうが先に立ちますよね。というのは半分冗談にしても、カネを受け取らなかった理由は大きく二つあります。
一つ目は、僕は当時、「政治や行政や利害関係者のなれ合いがひどい状態になっていた大阪府政を立て直す」と宣言して立候補しているわけです。業界団体からカネを受け取ったら、そこにメスなんか入れられません。受け取った途端に、彼らに飲み込まれてしまう。逆に言えば、僕はそうした申し出をすべて突っぱねたから、遠慮なく大ナタを振るうことができた。
当然、それまで政治家に「献金」することが慣例だった業界団体にしてみれば、衝撃だったはずです。行政から数億~数百億円単位の補助金を得たり、公共事業の仕事を受けたりしてきた彼らにしてみれば、政治家に数百万~数千万円単位の「援助」をすることなど、屁でもありません。そんな慣習をぶった切ったもんだから、まあ恨まれましたよね。
政治家を辞めた後...
もう一つの理由は、これまたシンプルなもので、政治家を辞めた後が怖いからです。
僕は弁護士として、自分自身も毎年、確定申告をしています。そうした身からすると、お金を巡るウソ、ごまかしは民間の仕事をすべて棒に振ります。僕に限らず、自営の方や企業経営者は同じ感覚ではないでしょうか。
仮に政治家時代に「賄賂」を受け取ったり「脱税」したりしていたなんて汚名がついたら、民間に下った瞬間に仕事がまったくできなくなります。
僕は08年に政治家人生をスタートさせましたが、当初から、数年間政治家をやったら再び民間に戻るつもりでいました。結果的に僕の政治家人生は8年で終わりましたが、もし大阪都構想を巡る選挙が賛成多数で実現していれば、その後はもう一度、堺市長選挙に出馬するつもりでいたんです。
そうなれば12年間、政治家を務めることになったでしょう。でも当初からそれで終わりにするつもりでした。12年間政治の世界にいれば、もう十分だろうと。
いざ民間に戻ろうとしたとき、政治家時代に妙なおカネの受け取り方や使い方をしていれば、その後の人生を棒に振ることになります。「橋下は政治家時代に違法な手段で散々カネをため込んだ。不正に手を染めていた」なんて評判が立てば、その後の弁護士人生やコメンテーター人生は終わりです。
そんなことは怖すぎて到底できない。僕は政治家時代、特におカネにまつわる部分に関しては、徹底的に、それこそ神経質すぎるほど几帳面に管理してきたつもりです。だから、僕を嫌いな人間やメディアがどれだけ調査しても、政治家としてのカネに関する不正を見つけることができなかった。
「橋下はカネに関してだけはきれいだ」
「橋下の政策には反対だし、人間的には嫌いだ。だけどカネに関してだけはきれいだ」というお墨付きがあるから、今も僕はコメンテーターとして堂々と政治批判をすることができるんです。
―たしかに、芸能人でも悪質な脱税をした場合は、二度と復帰できない。
橋下そうでしょう。企業も同様ですよ。会社のトップが脱税、あるいは組織ぐるみで粉飾していたとなれば、大変なことになります。担当者の責任はもちろんですが、上司の責任、そして組織トップの責任も大きく問われます。
ではそうした場合の責任はどうやって取るか。多くの場合は、「辞任」です。「責任を取る」とはそういうことです。
ところが、今回の自民党はどうか。数億円という巨額のカネをめぐる不祥事なのに、リーダーたちは誰一人罪に問われず、責任も取らない。法的制裁を受けたのは会計責任者たちだけです。
安倍派で事務総長を務めた西村康稔前経済産業相も、松野博一前官房長官も、塩谷立元文部科学相も、高木毅前自民党国対委員長も「会計については一切関わっていなかった」として責任逃れ。もう呆れてものも言えません。企業不祥事で、組織上層部が「知りませんでした」で知らん顔という厚顔無恥は、およそ通用しません。
国民が今、猛烈に怒っているのは、長年にわたり裏金をため込んできたこと以上に、その事実が判明した後の、自民党政治家たちの振る舞いです。確定申告のしんどさも経験したことのない政治家たちの、俺たちは一般国民とは違うんだと言わんばかりの傲慢な態度に、国民は怒っているのです。
『「上級国民」には「財布」が沢山与えられる...不満が噴出する中、橋本徹が指摘するその「意義」と「これから」』へ続く 橋下 徹(元大阪府知事・元大阪市長)
#橋下徹のカネに関する不正
8/3(土) 7:05配信 現代ビジネス
黒船なき令和の日本で、革命なき安逸の日々のなかで、激烈な政権交代は起きるのか?しかし、いま変わらなければ――かならず日本は、沈む!
百戦錬磨の戦略家、橋下徹(55歳)。時代を見定め、歴史を洞察し、日本人の本質を透徹した先に見えた悪魔的リアリズム、それが「政権変容論」だ。橋下氏は言う。
「『政権変容』が劇的に新しいのは、自民党がどうであろうと関係なく、野党が腹を括って決断しさえすれば次の総選挙で実現できるところです」
2024年の選挙から、グレートリセットは始まるのだ。
7月19日発売の稀代のリアリストの最新刊『政権変容論』(講談社刊)から、特別に内容を抜粋してお届けしていこう。
『政権変容論』連載第11回
『「ご挨拶だけ」となぜか渡されたのは”分厚い額ぶち”…を橋下徹が告白した、政治家にすり寄る業界団体の「露骨すぎるやり方」』より続く
裏金を受け取るリスク
―橋下さんは、そうしたカネはいっさい受け取らなかった。
橋下もちろん。だって嬉しさより、怖さのほうが先に立ちますよね。というのは半分冗談にしても、カネを受け取らなかった理由は大きく二つあります。
一つ目は、僕は当時、「政治や行政や利害関係者のなれ合いがひどい状態になっていた大阪府政を立て直す」と宣言して立候補しているわけです。業界団体からカネを受け取ったら、そこにメスなんか入れられません。受け取った途端に、彼らに飲み込まれてしまう。逆に言えば、僕はそうした申し出をすべて突っぱねたから、遠慮なく大ナタを振るうことができた。
当然、それまで政治家に「献金」することが慣例だった業界団体にしてみれば、衝撃だったはずです。行政から数億~数百億円単位の補助金を得たり、公共事業の仕事を受けたりしてきた彼らにしてみれば、政治家に数百万~数千万円単位の「援助」をすることなど、屁でもありません。そんな慣習をぶった切ったもんだから、まあ恨まれましたよね。
政治家を辞めた後...
もう一つの理由は、これまたシンプルなもので、政治家を辞めた後が怖いからです。
僕は弁護士として、自分自身も毎年、確定申告をしています。そうした身からすると、お金を巡るウソ、ごまかしは民間の仕事をすべて棒に振ります。僕に限らず、自営の方や企業経営者は同じ感覚ではないでしょうか。
仮に政治家時代に「賄賂」を受け取ったり「脱税」したりしていたなんて汚名がついたら、民間に下った瞬間に仕事がまったくできなくなります。
僕は08年に政治家人生をスタートさせましたが、当初から、数年間政治家をやったら再び民間に戻るつもりでいました。結果的に僕の政治家人生は8年で終わりましたが、もし大阪都構想を巡る選挙が賛成多数で実現していれば、その後はもう一度、堺市長選挙に出馬するつもりでいたんです。
そうなれば12年間、政治家を務めることになったでしょう。でも当初からそれで終わりにするつもりでした。12年間政治の世界にいれば、もう十分だろうと。
いざ民間に戻ろうとしたとき、政治家時代に妙なおカネの受け取り方や使い方をしていれば、その後の人生を棒に振ることになります。「橋下は政治家時代に違法な手段で散々カネをため込んだ。不正に手を染めていた」なんて評判が立てば、その後の弁護士人生やコメンテーター人生は終わりです。
そんなことは怖すぎて到底できない。僕は政治家時代、特におカネにまつわる部分に関しては、徹底的に、それこそ神経質すぎるほど几帳面に管理してきたつもりです。だから、僕を嫌いな人間やメディアがどれだけ調査しても、政治家としてのカネに関する不正を見つけることができなかった。
「橋下はカネに関してだけはきれいだ」
「橋下の政策には反対だし、人間的には嫌いだ。だけどカネに関してだけはきれいだ」というお墨付きがあるから、今も僕はコメンテーターとして堂々と政治批判をすることができるんです。
―たしかに、芸能人でも悪質な脱税をした場合は、二度と復帰できない。
橋下そうでしょう。企業も同様ですよ。会社のトップが脱税、あるいは組織ぐるみで粉飾していたとなれば、大変なことになります。担当者の責任はもちろんですが、上司の責任、そして組織トップの責任も大きく問われます。
ではそうした場合の責任はどうやって取るか。多くの場合は、「辞任」です。「責任を取る」とはそういうことです。
ところが、今回の自民党はどうか。数億円という巨額のカネをめぐる不祥事なのに、リーダーたちは誰一人罪に問われず、責任も取らない。法的制裁を受けたのは会計責任者たちだけです。
安倍派で事務総長を務めた西村康稔前経済産業相も、松野博一前官房長官も、塩谷立元文部科学相も、高木毅前自民党国対委員長も「会計については一切関わっていなかった」として責任逃れ。もう呆れてものも言えません。企業不祥事で、組織上層部が「知りませんでした」で知らん顔という厚顔無恥は、およそ通用しません。
国民が今、猛烈に怒っているのは、長年にわたり裏金をため込んできたこと以上に、その事実が判明した後の、自民党政治家たちの振る舞いです。確定申告のしんどさも経験したことのない政治家たちの、俺たちは一般国民とは違うんだと言わんばかりの傲慢な態度に、国民は怒っているのです。
『「上級国民」には「財布」が沢山与えられる...不満が噴出する中、橋本徹が指摘するその「意義」と「これから」』へ続く 橋下 徹(元大阪府知事・元大阪市長)
#橋下徹のカネに関する不正