MID(ミドシップ)シップカーとは、前後の車軸間にエンジンを配置したクルマのことで、通常は運転席背後と後車軸の間にエンジンが搭載されたものを指す。BMWの各種を代表として、FRエンジンでも、エンジンをなるべく後退させつつ、フロントミッドシップを名乗るクルマもあるが、これらは前後軸の重量配分がイーブンであるに過ぎず、真のMID配置とは言い難い。真のMID配置(つまり運転席と後車軸間へのエンジン配置 . . . 本文を読む
車両火災というのは、リコール制度としても極めて重大問題として扱われる。プロダクションメーカーにとっても、新車納車後に程なく火災事故が生じ、その原因が放火とか類焼ではなく、クルマ本体に内在している可能性が高いとなると、ディーラーレベルではなくメーカーレベルでの調査が行われる場合を過去に何度か見聞きしてきたものだ。今回紹介するのは、辛うじて火災レベルに至らずが、かなりの発煙も生じたであろうし、今一歩 . . . 本文を読む
ロールスロイスと云えば、どんなにクルマに関心がない者でも、超高級車の代名詞的に知るクルマだろう。今でもジェット(ガスタービン)エンジン分野では、ロールスロイスエンジン(RR・PLC社)は、米国GEに次ぐ、世界第2位のメーカーとして健在なのだ。しかし、クルマの方は不振の末、ブランドをBMWに売却し、新しく生まれ変わった。同じく双子車として存在したベントレーは、VWがブランドを買い取り、生まれ変わっ . . . 本文を読む
今のクルマは、ガソリンエンジンでも(ディーゼルはかなり昔から噴射ポンプのガバナ制御により最大回転数が制限されていた)、基本的に設計時に設定された最大回転数を制限する機構(レブリミッター)がエンジンECUに組み込まれている。従い、無負荷ニュートラルで、目一杯スロットルを全開にし続けても、レブリミッターで最大回転数で燃料カットするので、それ以上の回転になることはない。中には、停止時の無負荷レブリミッ . . . 本文を読む
ディノ(ディーノ)と聞けば、3つのことが思い浮かぶ。1は、クルマ好きなら誰もが思い浮かべるフェラーリ・Dino(246GT & 206GT)だろう。2は、FIAT・Dino で、これもエンスーだったら知ることだろう。3は、それらに搭載されるエンジンの俗称(型式 Tipo135B & Tipo135CS)であり、後のランチア・ストラトスにも搭載されたものだ。
元来がメカ屋である視点からすると、 . . . 本文を読む
今では、プリンスという自動車メーカーがあったことを知らないという方が多いだろう。プリンスと聞けば、日産ディーラーの一つと思っているのではないか。このプリンス自動車だが、発祥は第二次世界大戦中の中島飛行機に遡る訳だ。敗戦後、中島飛行機は解散され、その中から十数社の会社が生まれた。その中の一つが、富士重工(スバル)でありプリンス自動車工業だった訳だが、大変惜しくもプリンスの業績は芳しくなく、当時の通 . . . 本文を読む
エンジンオイルの大切さについて、疑問を持たぬ者はいないだろう。しかし、何キロ毎に替えるのが妥当なのか、使用オイルのブランドやスペックは何が良いのかと聞かれると、いささか返答に窮するところだ。それは、使用環境と走行距離だけでなく期間も加味して決めるべき問題で、ここでは一概に妥当値は示せない。
まず交換インターバルだが、ある者は3千km毎だというし、5千km毎という者もいるし、中には量さえ見て交 . . . 本文を読む
このところ知り合った自動車整備屋から、度々同僚整備屋の情けなさを嘆く愚痴を聞き続けている。つまり、対応する車両の整備について、何らかの不具合なり、結構よくあるトラブルについて、その動作原理を知らずというか、そもそも知ろうとする意欲がないというものだ。そこで、原因となる個別部品や関連する部品の診断が甘く、単に悪い部品だけを定型的に替えれば良いという感じの姿勢となり、幾ら繰り返し動作原理などを説明し . . . 本文を読む
過日、関係する旅客運輸業の大型観光バス(セレガ)において、新宿の待機場所に到着し、運転者が乗降口から下りた直後、その至近にある左前輪付近の内側から発煙らしき現象が生じているとの報を受けた。様々な状況を当該運転車より聴取しつつ、それまでのブレーキなど走行に何ら異常感はなかったこと等を踏まえ、これから車庫までの運行について、駐車する都度に同様の発煙が生じないかを確認しつつ、慎重な運行の継続を打ち合わ . . . 本文を読む
1ヶ月超でお蔵入りしていたR53(BMWミニ・クーパーS・6MT)を、日頃付き合う板金屋さんへ自走しましました。やはり53は56のターボよりメカチャージャーだけあって低速トルクがあるなあなどと思っている内、サーモスタットの開弁温度に達したからでしょう水温が上昇していきました。
板金屋さんまでが遠ければ途中で止まり対処しましたが、比較的近いので水温計は振り切り、赤ランプまでが点灯しましたが走り . . . 本文を読む
多くの輸入車がハイオクガソリンの使用が前提とされている。しかし、パーツリストなどを見ると、昔の日本車であった様な、同一エンジンにおけるレギュラーおよびハイオクの圧縮比の違いを設定すべきピストンなどの部品番の違いはない。また、欧州などにおいて、すべてのガソリンエンジンがハイオク仕様で運用されているということはコスト上も考え難い。この問題であるが、どうやら日本と欧州では、同じレギュラーガスでも、標準 . . . 本文を読む
内燃機関のクランクシャフトは、吸入、圧縮、燃焼、排気という各行程において、その回転角速度は絶えず変動(捻り振動)しており、振動が生じれば何らかの共振点を持つ。また、シャフト自体の直線度を偏向させうる曲げ振動も生じ、これも共振点を持つ。これら振動共振は、ある回転域において顕著になり、乗員に不快な「こもり音」や「ゴロゴロ音」などのノイズとして伝わる。一方、捻りにしろ曲げにしろ振動を生じるということは . . . 本文を読む
以下は、今日の日経ニュースからだが、非常識というか、呆れたというか、やはり三菱自動車には倫理感というか世間の常識感がまるでないことがよーく表れているとの感だ。
三菱自の臨時株主総会、役員報酬引き上げ案に批判も
2016/12/14 13:09
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「はなはだ理解に苦しむ」――。燃費不正問題からの再建を目指す三菱自動車が14日に開いた臨時株主総会では、取締役の報酬総額の上限を . . . 本文を読む
過日、ハイポイドベベルギヤのことを記して、多くの感心を戴いたこともあり追記してみる。FRや縦置きFF、RR、MIDなど、ファイナルギヤ(最終減速機:一般的にはデフギヤと呼称)は、動力伝達角を90°変更し、しかもギヤレシオとしては一般的な乗用車では4前後となる、例えば 4.111 とか 3.909 とかの割り切れない歯車比が設定される。これは、トルク変動を持つエンジンの宿命上、同一歯に絶えず高い角 . . . 本文を読む
昨年末にM14とかなり太いボルトを弛めようとして、破断を生じてしまった経験のことを記す。ボルトの破断面を観察すると、ざらついた脆性破壊の一部に、わずかに起点となったと思われる疲労破壊様の部分があることに気づいたのだ。疲労破壊とは材料の許容応力以下でも、繰り返しの応力により破壊が進行し破断に至るというものだ。
ものの本の記述によれば、マクロ的には材料の弾性範囲内の小さな応力であっても、原子論レ . . . 本文を読む