私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

SLの思い出

2008-12-26 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 蒸気機関車(SL)については、昔から愛着を持って眺めて来ました。但し、実際に運行している蒸気機関車に引かれた列車に乗った体験は、遙かな幼少の頃に微かにあるだけです。

 熱効率は10%台と極低く、でも石炭を燃料とできると云う利点もあったのでしょうが、明治から昭和20年代後半位までは、各路線で蒸気機関車が主力だったのだろうと思います。

 その頃は、各地の主要駅に機関庫という、例の扇形をした車庫と転車台(ターンテーブル)があったものです。そんな転車台を持った各地の機関庫も取り壊されてしまい、今や残されているのは京都の梅小路機関庫と岡山辺りにあるだけの様です。私の現在の住まい近くにも、20年位前まで転車台付きの機関庫が残されていましたが、今や再開発されてしまい跡形もなくなってしまいました。

 蒸気機関車は、電気やディーゼルと異なり、進行方向が限定されてしまいますから、この転車台が必要となる訳です。Slboiler

 写真は鉄道博物館で見た、蒸気機関車の内 部を示すカットモデルです。これは、交通博物館が神田(秋葉原)にあった時からあるもので、当時も何度も見て来たものです。色は塗り直したのでしょうが、それを継続展示している様です。

 このボイラーを見て思うのですが、ボイラー外側の肉厚はともかく、火室の肉厚が薄く感じられます。石炭での火力と云えども、相当な高温(多分800度)に曝される訳ですから、当時の通常の鋼板では、腐蝕が進行して、それ程の寿命は得られなかった様に想像されてしまいます。まあ、現在ならニッケル等を含んだ高温耐食鋼板で作れますが、今更こんな熱効率の低い機械を作ることはないと思います。

 ところで、この蒸気機関車というのは運行期間中にあっては、車庫での待機中も火を絶やさないんだそうです。つまり、火を絶やしボイラーを冷まし、また再加熱を繰り返すことをなるべく防ぎ、熱疲労を防止していたのだろうと思います。それでなくとも、熱効率が低い上に、待機中にもエネルギーを必要とするという、とんでもなく省エネルギーに欠けた機械だったと思います。でも、なんか人間に近い機械であったという気持にさせられるのが、この蒸気機関車であると思っているのです。




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