私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

【映画評】フライト

2019-11-08 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 昨日は暇を持て余し、恒例の図書館通いで返却と新しい本の借り出しを行った後、よく行くBookoffへ立ち寄り、感心のある書棚を見廻し、何か見たことない映画DVDはないかと物色していたのです。そんな中で題名「フライト」で、主演デンゼル・ワシントンの飛行機ものらしき作品に目が止まり、その中古価格(¥700)の安さも相まって購入して帰ったのでした。

 久方ぶりに見る映画DVDですが、先日のPC故障でグラフィックボードを替えたせいもありますが、動画の品質が若干向上したなぁ等と思いながら見出した訳です。

 この映画ですが、初めて聞く題名でしたし、主演がデンゼルだということと航空機がバックグラウンドということだけを僅かな感心を意識して入手した2012年米国映画ですが、予想に反しておもしろく、その感想を書き留めてみます。

 あらすじですが、結構な嵐の日に空港を飛び立つ米国内線の機長役がデンゼルです。飛び立つ前日もそれなりに深酒し、二日酔いみたいな状態で機長席に乗り込みます。かなりの悪天候の中で機は飛び立ち、かなり揺れながら緊迫感を演出させていきます。その後、機長の的確な進路変更もあり、雲を抜け平常運行に移り、機長は睡眠不足で寝ている訳なのです。呆れた機長だと思っている中、突然の様に機が急降下し始めるのです。そして機の引き上げ動作を試みるも操作不能へ、緊急事態に気付いた機長は操縦を替わります。何を試みても機は一方的に高度を落とし続けます。そして、突然機長は背面飛行を行うと宣言し背面飛行に移るのでした。そして墜落を引き延ばし、地上が緑溢れる平原に至った所で背面飛行から復帰し不時着陸に成功させます。全乗員乗客200数名で死者6名という奇跡的な生還が図られたのです。

 さて、この辺りから物語は核心にに入って行きます。アル中とコカイン中毒に悩むが縁切りできないデンゼル機長、そして事故調査委員会が緊急搬送時に全乗員の血液検査を行っており機長の飲酒にも嫌疑を傾けていること、航空会社の派遣した腕利き弁護士とのやりとりなど、次から次へと視聴者の予想を超える場面展開が続きます。そして、とうとう最終局面としての事故調査委員会の機長尋問の場面に至るのです。

 当初の機長への飲酒の嫌疑には、NOと答え続けていた機長、そして、事故の原因は事故機の昇降舵(エレベーター)を駆動する送りネジの損傷を定期検査で見つけておきながら1200時間飛ばし続け、ネジが切断して昇降舵が動作不能に陥ったことが直接の事故原因とまで特定されるのに至るのです。しかし、その後、機内ギャレーにあったブランデーの2本の小瓶が空になっていた些細な問題を、事故で亡くなっている女性客室乗務員の写真と共に、彼女の過去のアル中の記録から類推されることについて問われた機長は、驚くべきことに、「違う、私が飲んだのだ。私はアル中で、事故の前の日もその前の日も飲み続けていたんだ。」と決定的な発言をするに至るのです。エピローグのシーンは、そこまでの自己体験を服役者の前で語るデンゼル機長の姿となって終わります。



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