サービス技能コンクールというのは、今でも各ディーラーや日整連の主催で行われているいる様だ。そして、もっと上位の世界的コンクールとして技能五輪(以前に紹介)があり、地方大会から全国大会へ、最終的に世界大会が、オリンピックと同様に各国持ち回りで開催されている。
かくいう私自身も、遙かな昔、最下層となるトヨタT店の地方ブロック会の選手として選抜され出場したことがある。そういう点で、未体験者に比べれば実感としての実情だかと理解するところと思う。そこで、その開催目的だとか参加する意味、そして採点基準となるべき思想などについて記してみたい。
まず、この様なコンクールだが、自動車整備や板金塗装に限らず、世の様々な製造業、果ては顧客応対としてのサービス業まで行われている。従って、技能五輪においての競技種目は、製造業から、レストランサービスのいわゆるウェイター種目までが設定されているのだ。では、何故、参加企業は、このような非生産的ともいえる競技に力を入れるのかということだが、自社の技術の維持・向上を企図したい。また、自社の威信を世に示したいというところにあるのだろう。だから、トヨタ、デンソー、アイシン、日立など、大手企業のこれら競技に掛ける熱意は、並々ならぬものを感じるところだ。
さて、トヨタのサービス技能コンクール参加体験に戻り、その内容をかいつまんで記してみる。これは、あくまで参加当時のものであり、現在は多少の差異はあるだろうが、大きな違いはないように想像している。競技は、大きく区分して、実車と幾つかの単体部品の競技で行われる。実車については、T店の場合は事実上の量産ハイオーナーカーとなるクラウンが使用され、当然出題内容として、エンジン始動不能だとか、車両下方で異音がするなどのユーザー側の訴えとして提示される。そして、その様な現象が起こるように、未だ工場出荷時の塗装保護コーティングもそのままの新車が、参加各社持ち込みで会社別に並べられている。
参加選手は、2名となる。内1名はエンジンなど機関系を、もう1名はシャシ系に分かれる。私の担当はエンジン系だ。競技時間は、実車および単体とも、当然の如くに各制限時間が設定される。実車で2時間、単体個別で15分だったと思う。
合図と共に競技開始、出題文を読み、実車競技に入る。リフトなど、使わず、エンジンとシャシ関係を同時並列で進行するので、ジャッキで上げリジットラック4点固定での、同時並行でのトラブルシュートおよび修復作業を行う訳だ。
まあ、端的に記すが、このような競技は実際と異なり、ゲームであり不具合設定といっても、あくまで新車を加工し、極端な復元費用を要しない範囲で、再び新車として販売できるという制限を持つ。従って、トラブル設定といっても、それ程高額でない個別パーツの故意的な加工などによる不具合に限定される。従い、エンジン本体だとか、ワイヤリングハーネスをキズ付けるなどということはあり得ないのだ。シャシ関係も同様で、いいとこで、マウントインシュレーターラバーの切り込みとか、ショックアブソーバーブッシュやブレーキホースの傷入れ、固定ボルトの緩ませ程度のものだろう。
最後に、採点基準の話を記したい。これは私自身が審査者として経験を積んだ訳ではないが、私だったら当然評価の対象とするだろうという視点で記すものだ。以下の様な項目で、それぞれ減点の大小を付すだろう。なお、とりあえず思い当たるまま、短時間で記したので、まだまだあるだろう。それと、運転免許試験でも同じだが、これはゲームだから、恣意的に声を上げ、審査員にアピールする必要があるのだ。
・安全に配慮したか。シャッキポイント、リジットラックのポイントや座り。動作の呼称による注意喚起。(ジャッキアップダウンやエンジン始動):大
・お客様のクルマを大事にしようとする配慮(養生など)がなされたか。:大
・作業順序、締め付け順序だとか適切か。(必ずしも修理書通りでなくて良いが道理に適っているか):大
・計測する場合に、計測器具および測定物の清掃を行ったか。:中
・計測器は、容易にキャリブレーション(校正)できるものは行ったか、またゼロ点の確認を行ったか。:中
・工具や取り外し部品を床に直接置かないことに留意しているか。:小
・オイルなどによる車両や床の汚損を清掃したか。:小
※事後談
参加のサービス技能コンクールだが、実車競技は、出場8社中で1番にエンジン始動し、まあまあだったが、単体競技でメロメロとなり到底誇れるものとはならなかった。スポーツにおいても同様だろうが、本番となると緊張もありなかなか実力(実際ないのだけど)は出し切れないのだと思う。
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かくいう私自身も、遙かな昔、最下層となるトヨタT店の地方ブロック会の選手として選抜され出場したことがある。そういう点で、未体験者に比べれば実感としての実情だかと理解するところと思う。そこで、その開催目的だとか参加する意味、そして採点基準となるべき思想などについて記してみたい。
まず、この様なコンクールだが、自動車整備や板金塗装に限らず、世の様々な製造業、果ては顧客応対としてのサービス業まで行われている。従って、技能五輪においての競技種目は、製造業から、レストランサービスのいわゆるウェイター種目までが設定されているのだ。では、何故、参加企業は、このような非生産的ともいえる競技に力を入れるのかということだが、自社の技術の維持・向上を企図したい。また、自社の威信を世に示したいというところにあるのだろう。だから、トヨタ、デンソー、アイシン、日立など、大手企業のこれら競技に掛ける熱意は、並々ならぬものを感じるところだ。
さて、トヨタのサービス技能コンクール参加体験に戻り、その内容をかいつまんで記してみる。これは、あくまで参加当時のものであり、現在は多少の差異はあるだろうが、大きな違いはないように想像している。競技は、大きく区分して、実車と幾つかの単体部品の競技で行われる。実車については、T店の場合は事実上の量産ハイオーナーカーとなるクラウンが使用され、当然出題内容として、エンジン始動不能だとか、車両下方で異音がするなどのユーザー側の訴えとして提示される。そして、その様な現象が起こるように、未だ工場出荷時の塗装保護コーティングもそのままの新車が、参加各社持ち込みで会社別に並べられている。
参加選手は、2名となる。内1名はエンジンなど機関系を、もう1名はシャシ系に分かれる。私の担当はエンジン系だ。競技時間は、実車および単体とも、当然の如くに各制限時間が設定される。実車で2時間、単体個別で15分だったと思う。
合図と共に競技開始、出題文を読み、実車競技に入る。リフトなど、使わず、エンジンとシャシ関係を同時並列で進行するので、ジャッキで上げリジットラック4点固定での、同時並行でのトラブルシュートおよび修復作業を行う訳だ。
まあ、端的に記すが、このような競技は実際と異なり、ゲームであり不具合設定といっても、あくまで新車を加工し、極端な復元費用を要しない範囲で、再び新車として販売できるという制限を持つ。従って、トラブル設定といっても、それ程高額でない個別パーツの故意的な加工などによる不具合に限定される。従い、エンジン本体だとか、ワイヤリングハーネスをキズ付けるなどということはあり得ないのだ。シャシ関係も同様で、いいとこで、マウントインシュレーターラバーの切り込みとか、ショックアブソーバーブッシュやブレーキホースの傷入れ、固定ボルトの緩ませ程度のものだろう。
最後に、採点基準の話を記したい。これは私自身が審査者として経験を積んだ訳ではないが、私だったら当然評価の対象とするだろうという視点で記すものだ。以下の様な項目で、それぞれ減点の大小を付すだろう。なお、とりあえず思い当たるまま、短時間で記したので、まだまだあるだろう。それと、運転免許試験でも同じだが、これはゲームだから、恣意的に声を上げ、審査員にアピールする必要があるのだ。
・安全に配慮したか。シャッキポイント、リジットラックのポイントや座り。動作の呼称による注意喚起。(ジャッキアップダウンやエンジン始動):大
・お客様のクルマを大事にしようとする配慮(養生など)がなされたか。:大
・作業順序、締め付け順序だとか適切か。(必ずしも修理書通りでなくて良いが道理に適っているか):大
・計測する場合に、計測器具および測定物の清掃を行ったか。:中
・計測器は、容易にキャリブレーション(校正)できるものは行ったか、またゼロ点の確認を行ったか。:中
・工具や取り外し部品を床に直接置かないことに留意しているか。:小
・オイルなどによる車両や床の汚損を清掃したか。:小
※事後談
参加のサービス技能コンクールだが、実車競技は、出場8社中で1番にエンジン始動し、まあまあだったが、単体競技でメロメロとなり到底誇れるものとはならなかった。スポーツにおいても同様だろうが、本番となると緊張もありなかなか実力(実際ないのだけど)は出し切れないのだと思う。
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