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2021年2月そうりゅう浮上時の事故報告

2022-08-27 | 事故と事件
2021年2月そうりゅう浮上時の事故報告
 2021年2月8日に生じた高知県足摺岬沖での海自潜水艦「そうりゅうが浮上時に民間船舶と接触した事故について、約1年半を経て運輸安全委員会の調査報告書を出された。

 これについては、対象案件が余りに多いこともあるのだろうが、報告書の提示が遅すぎるという思いも持たざるを得ないところではあるが、一応政府として事の真実を調査すると云う方向は正しい。このことを例とすれば、日本の災害市場でも最も深刻で重大な福島原発事故の正式な調査報告をあえておこなわないという不作為を日本国政府は行っているのである。これこそ、原子力の特別な政治的パワーを示す事情と云えよう。

 さて、以下に関係事案のリンク集を記憶のために整理しておいたが、端的に云えば、潜水艦「そうりゅう」の浮上時の確認行動が余りに杜撰だった事に尽きると思える。この辺りは、政府報告書だから、余りに露骨な表現を避け、一方ソナー聴音で他の船舶との関係で、目標を見失った様な表現がなされているが、こんな事故を多発されたら危なくて潜水艦活動などできはしないだろう。

 本事故の刑事責任とか民事賠償責任には言及されていないが、重大な死傷者を生み出す可能性が極めて強かったことから、少なくとも業務上過失致死未遂罪として、民事賠償については民間船舶に一切の過失はなく、損害賠償を自衛隊(日本国)に請求することが必用だろう。(既にしているのかもしれないが)また、船舶保険で保険金を支払っている場合は、支払い保険会社は代位求償にて日本国家賠償への請求を行うべきだろう。


備考
 この調査報告書で、最も関心高く見たのが「報告・説明資料」に掲載されていたB船(そうりゅ)の操舵室(戦闘指揮所)とされる配置図である。もちろん細かい機器の内容には触れられていないが、少なくとも操舵手とかソナー担当員や潜望鏡の位置、乗員配置の位置は明瞭だ。戦闘潜水艦の各部には機密が多いが、ここで戦闘指揮所の主な配置を知れるのは興味深いところだ。


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最新型潜水艦が衝突事故か 2021-02-09
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/7205947c5f2962e467aebdf884f3226e


船舶事故調査(貨物船 OCEAN ARTEMIS 潜水艦そうりゅう衝突)について(経過報告) 20/1/20
https://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2022/keika20220120-0_2021tk0001.pdf

運輸安全委員会 貨物船OCEAN ARTEMIS潜水艦そうりゅう衝突 2021年02月08日
https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/ship/detail.php?id=13054


船舶事故調査報告書 22/7/20
https://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2022/MA2022-8-1_2021tk0001.pdf


貨物船OCEAN ARTEMIS 潜水艦そうりゅう 衝突(説明資料) 2022年8月
https://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/p-pdf/MA2022-8-1-p.pdf

#潜水艦「そうりゅう事故」

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