今年の自殺者は・・・

　最近、自殺問題を扱った精神医学者の著した新書を読む機会がありました。この本で知ったことですが、バブル経済が破綻降の我が国では、年間自殺者数がそれ以前の２万人代前半から３万人代へ増加し、３万人を割り込むことなく１０年以上が推移しています。しかし、世界全体で眺めれば、年間自殺者は１００万人、ほぼ福島県の人口の人々が自ら命を絶っていると云うことです。そして、我が国以上に自殺率の高い（人口１０万人当たりの自殺者数）が存在しているのだそうです。それは、ソ連を始めバルト３国やノルウェーなどになる様です。この本によれば、よく経済の浮沈と自殺者のことが問題視されるが、決してそればかりではないと記しています。

　先のソ連など自殺者の多い国ですが、政情の安定性という面で、相関があるのだと記されています。そういった意味で、私を含め多くの方が、終末感と云ったものを感じているのではないでしょうか。３月の原発震災を迎え、今や政治、官僚機構、ジャーナリズム、学者、電力会社など大企業などへの不信が極限化しています。そうした中、終末感、限界感、行き詰まりと云った思いが増加しつつあります。明日への希望を失った我が国ですが、今年の自殺者は一段と増加するのではないでしょうか・・・。