私の思いと技術的覚え書き

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「伊豆の道をひらく」で知ること

2019-08-23 | 沼津そして伊豆周辺
 Youtube「伊豆の道をひらく」(S35作成)で知ることを紹介してみます。
 この動画はモノクロフィルム作品をテレシネでデジタル化しているでしょうが、残念ながらリマスター処理も甘く画質が悪いのが難点です。しかし、伊豆を愛し、伊豆中を巡り歩いた愚人にも新たに知る知見が多く、大変興味深く見たのでした。

 その一つですが、箱根山から伊豆半島の尾根筋を縦貫する「伊豆スカイライン」ですが、終点「天城高原」でブツンと切れています。正直この路線は尾根筋を走るだけに、左右を見下ろす眺望は素晴らしいのですが、有料道路であることも含め、利用価値として何で作ったのかと不思議に感じていたのです。しかし、この動画で、伊豆スカイラインの構想を「熱海峠から大瀬崎までのU字型の自動車専用道」とナレーションが入っています。なる程、そういう構想だったのかと知り、さらに伊豆半島の西の尾根筋で天城公共牧場辺りで、急に極悪険道となる西伊豆スカイラインが縦に走っていますが、これが本来構想の伊豆スカイライン構想の続きだと知りました。まあ、これが連続してU字に完成することはあり得ないでしょう。

 この伊豆スカイラインおよび西伊豆スカイラインですが、設計速度も60km/hを有に超し、ここだけの話しですが、ほとんどのカーブを80km/hでも余裕を持って旋回できる程の快適なコースです。しかし先にも述べた様に利用価値を疑う通り、平日ですと閑散としています。ただ、雪の心配のない季節の週末ともなると4輪および2輪が格段に増え、特に2輪の連中は、ある区間を行ったり来たりと高速コーナリングの喜びを求めているのでしょう。

 なお、西伊豆スカイラインの北側は連続して県道127となりますが、幅員こそ同等ですが、とたんにカーブがきつくなり、平均50km/h辺りが安全圏となるでしょう。ですから、ここは西伊豆スカイラインと連続していますが、設計ポリシーがまるで異なることが判ります。しかし、こちらはタイトコーナーが多く、多分夜間にやらかしているんでしょうが、上り坂となるコーナー毎にドリフト痕が一杯です。

 何れにせよ、この伊豆スカイライン(西伊豆スカ含む)は、コントロール不能となる事故をやらかすと大きな事故になるでしょう。実際、二輪ライダーなどが、県のドクターヘリで、沼津辺りの大病院へ搬送されている事例も幾つか聞いた覚えがあります。

 この動画とは離れますが、伊豆スカイラインとは別に伊豆縦貫道という伊豆半島の中央部を東名沼津ICから下田を目指して工事が進められています。現在、伊豆市の月ヶ瀬というICまでが完成し利用できます。ここまでが着工しておよそ20年というものでしょう。この先、天城峠を掘削してトンネルになるのだろうと思いますが、下田まで全線開通するのは、後20年先なのでしょうか。

 最後に、動画内のナレーションでは南伊豆の不便さが強調されていますが、伊豆半島は東側に比べ、西側は、ほんとうに何時まで経ても、地図上は近いですが、走ると遠い地なのです。しかし、だからこそ、開発も為されず産業も発展せず、昔ながらの良い風景が残された地であると知り、なおさら愛着が湧くのです。
※写真は伊豆スカイラインと縦貫道の概念図と西伊豆スカイライン再頂部「仁科峠」


昭和35年 伊豆の道ひらく
https://www.youtube.com/watch?v=2IffCNlW7Lg&list=LLsY_osa6-J-yNr8T_rKxekA&index=4&t=0s

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