何らかの工業系技術者なら、部材の厚みをtで表す慣習を知っていると思います。そこでこのtとは何処から来たのかということですが、英語のthickness(シックネス)から来ているんだことを今更知りました。
シックネスと聞けば、シックネスゲージが思い浮かびますよね。最近はメンテフリーのため、HLA(ハイドロリックラッシュアジャスター)付きエンジンが増加し、バルブクリアランス調整(いわゆる昔言葉でタペット調整)を行うことは激減したと思いますが・・・。
てなことで、相手から「tは1.6で」とか言われたら、「判りましたシックネス1.6で合わせましょう」とか受け答えすれば、此奴なかなかの物知りだわいと思われる。(かも)
余談
ところで、昨今はツインカム4弁エンジンが普通のエンジンになってしまった感ですが、そのバルブ駆動方式には直動型とロッカーアーム型の2種類があります。ことの始めのツインカムでは、直動型が多かったのですが、今や主流はロッカーアーム型の駆動方式が主流でしょう。この理由ですが、直動型はインナーもしくはアウターのシム選択か、バルブリフターそのものを選択して、適正なクリアランスを作らなければならないということで、作業工数としての生産コストが上がるとか、大径リフターの製造コストとかヘッド側のリフター嵌合穴の高精度な加工コストを要するとかの理由があるのかなぁと想像しています。それと、HALによるバルブクリアランスのメンテフリー化も、直動式式でもインナーシム部分に組み込んだエンジンもありましたが、やはり製造コストを考えるとロッカーアーム型の方が支点となるHALの配置の自由度が大きく、ロッカーアーム式が多くなったと推察します。
ついでに、さらに拡大余談ですが、HALの付いていないエンジンで、今でもいわゆるタペット音を検知する機会は、信号で止まった際、横の軽バン車などから聞くことがあります。つまり、例のアイドリングでカチカチという音ですね。これで判る通り、一般的には走行距離(稼働時間)に比例して、バルブクリアランスが大きくなる傾向があるのですが、それはロッカーアームとかシャフト、バルブステムエンドの摩耗だとか僅かな変形によりバルブクリアランスは大きくなっていく傾向があることは理解されることです。
ところが、昭和50年前後に、ガソリンが無鉛化されましたが、この理由はアンチノック剤として使用されていた4エチル鉛が有害だとされたのが大義名分ですが、もう一つの理由があります。それは、現在の軽油の硫黄分と同じですが、触媒の効能を著しく劣化させてしまうということにあった様です。このガソリンの無鉛化で、問題にされたのがバルブシートリセッションという問題なのでした。つまり、従来はハイオクでなくレギュラーでもアンチノック剤としての鉛はガソリンに含まれており、その鉛がバルブシートにコートされることでクッションの役目をしてバルブ着座時の摩耗を減じていたのが、鉛のコート作用がなくなるとバルブシートおよびフェースが摩耗して、バルブが沈み込む(リセッション)するということが報じられたのです。昭和50前後のガソリンの無鉛化は、レギュラーとハイオクで5年程のタイムスパンを置いて実施されたと記憶しています。つまり、最初にレギュラーが無鉛化され、その後にハイオクも無鉛化されたのですが、当時の使用経過車では例えレギュラー仕様でも、ハイオクを入れろと指導していたものでした。
なお、バルブクリアランスの過大はタペット騒音の過大となる訳ですが、過小もしくは突き上げは、バルブの溶損(主にEX側)を生じエンジンに深刻なダメージを生じさせます。これは、バルブ閉時にバルブシートからの熱伝導が悪化し、もしくは極一部の僅かな隙間からジェット噴流の如く燃焼直後の排気ガスが吹き抜けることにより生じます。
シックネスと聞けば、シックネスゲージが思い浮かびますよね。最近はメンテフリーのため、HLA(ハイドロリックラッシュアジャスター)付きエンジンが増加し、バルブクリアランス調整(いわゆる昔言葉でタペット調整)を行うことは激減したと思いますが・・・。
てなことで、相手から「tは1.6で」とか言われたら、「判りましたシックネス1.6で合わせましょう」とか受け答えすれば、此奴なかなかの物知りだわいと思われる。(かも)
余談
ところで、昨今はツインカム4弁エンジンが普通のエンジンになってしまった感ですが、そのバルブ駆動方式には直動型とロッカーアーム型の2種類があります。ことの始めのツインカムでは、直動型が多かったのですが、今や主流はロッカーアーム型の駆動方式が主流でしょう。この理由ですが、直動型はインナーもしくはアウターのシム選択か、バルブリフターそのものを選択して、適正なクリアランスを作らなければならないということで、作業工数としての生産コストが上がるとか、大径リフターの製造コストとかヘッド側のリフター嵌合穴の高精度な加工コストを要するとかの理由があるのかなぁと想像しています。それと、HALによるバルブクリアランスのメンテフリー化も、直動式式でもインナーシム部分に組み込んだエンジンもありましたが、やはり製造コストを考えるとロッカーアーム型の方が支点となるHALの配置の自由度が大きく、ロッカーアーム式が多くなったと推察します。
ついでに、さらに拡大余談ですが、HALの付いていないエンジンで、今でもいわゆるタペット音を検知する機会は、信号で止まった際、横の軽バン車などから聞くことがあります。つまり、例のアイドリングでカチカチという音ですね。これで判る通り、一般的には走行距離(稼働時間)に比例して、バルブクリアランスが大きくなる傾向があるのですが、それはロッカーアームとかシャフト、バルブステムエンドの摩耗だとか僅かな変形によりバルブクリアランスは大きくなっていく傾向があることは理解されることです。
ところが、昭和50年前後に、ガソリンが無鉛化されましたが、この理由はアンチノック剤として使用されていた4エチル鉛が有害だとされたのが大義名分ですが、もう一つの理由があります。それは、現在の軽油の硫黄分と同じですが、触媒の効能を著しく劣化させてしまうということにあった様です。このガソリンの無鉛化で、問題にされたのがバルブシートリセッションという問題なのでした。つまり、従来はハイオクでなくレギュラーでもアンチノック剤としての鉛はガソリンに含まれており、その鉛がバルブシートにコートされることでクッションの役目をしてバルブ着座時の摩耗を減じていたのが、鉛のコート作用がなくなるとバルブシートおよびフェースが摩耗して、バルブが沈み込む(リセッション)するということが報じられたのです。昭和50前後のガソリンの無鉛化は、レギュラーとハイオクで5年程のタイムスパンを置いて実施されたと記憶しています。つまり、最初にレギュラーが無鉛化され、その後にハイオクも無鉛化されたのですが、当時の使用経過車では例えレギュラー仕様でも、ハイオクを入れろと指導していたものでした。
なお、バルブクリアランスの過大はタペット騒音の過大となる訳ですが、過小もしくは突き上げは、バルブの溶損(主にEX側)を生じエンジンに深刻なダメージを生じさせます。これは、バルブ閉時にバルブシートからの熱伝導が悪化し、もしくは極一部の僅かな隙間からジェット噴流の如く燃焼直後の排気ガスが吹き抜けることにより生じます。