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特定整備に関わる外注元と外注先の責任関係

2023-02-13 | 問題提起
特定整備に関わる外注元と外注先の責任関係
 特定整備に関わり知り合いのマジメな修理工場より、外注した場合に、外注元(元請け)と外注先の責任関係に関わり国交省の説明資料ではどうにも納得できかねるし、元請けの立場となった場合不安を持つと問題提起を受けていた件がある。つまり、外注元(元請け)および外注先とも特定整備認証がある前提で外注が認められるのだが、この外注を行った場合でも責任は外注元(元請け)にあるとするのが国交省の作成資料だが、現実問題として外注元が最終確認するとしても、実際のその全作業を行わない限り確認は不可能であり、それで責任は外注元にあるとするのは不合理ではないだろうかというのが本問題の趣旨だ。そんなことで、以下の文書を国交省宛に送信し、返事を待つことにした次第だ。

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特定認証整備の外注に関わる責任の所在について
 以下貴省の以下URLに記載の「特定整備概要」のP21に記載の、外注元Aと外注先B間での責任関係においておたずねします。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001332203.pdf

 このP21にて、外注した場合に外注元責任が記載されているのですが、私の周辺の幾つかの業社より、外注元(元請け)として外注した場合に、当該作業が適切であったか確認は最大限努めるものの、実態上のエーミング調整における適正値の校正(入力作業)が行われたかどうかまでの確認は、OBD機能のランプ消灯程度でしか確認は不可能であり、これで元請け責任ありとされているのは不合理ではないかとの不安の声が聞こえているのです。

 つまり、特定整備に関わる完璧なる作業確認を行おうとすれば、自らその特定整備を実施するに等しい作業を遂行しない限り、当該作業の適切さは確認できないと考えられるのです。

 その様な点で、この貴省作成の、外注元と外注先の責任関係の記載の切り分けは、実態上の合理性を欠き、外注元に必要以上の不安を抱かせることになると思うのですが、貴省の考え方を説明願いたく思うところです。

 実のところ、私は過去、保険会社に調査員として20数年勤務し、整備工場が整備完了し納車後に生ずる整備の瑕疵を担保する保険として、生産物賠償保険(日整連で取り扱っている名称は共済保険ですが「整備保障保険と呼称」)を長年取り扱って来ました。そういう中で、整備の瑕疵とは、車両各部の目視点検と云うのは対象外で、そこに何らかの加工、調整、取り外しなどの整備の要素がない限り、保険の対象外となっているのです。
 このことは、対ユーザー間とは民事的争いが生じる問題を内在するとは思いますが、例としてユーザーから車検整備として整備工が車両を受託し、車検整備(というか正確には24カ月なり12カ月の点検および付随する整備というのが本来)を実施後納車したとして、整備工場は該当点検項目のすべてに納車後の責任を負うということは不合理と考えられます。
 つまり、車両の点検とは、必ずしもすべての部品をオーバーホールして内部まで精査した点検を求めている訳でなく、外見上の主に目視点検を求めているからに他ならないからです。従って、車検受託後、程なくしてラジエーターホースが破裂しエンジンの加熱が生じる故障が発生したからと云え、心情的にはユーザーは車検整備をやったばかりと思い責任があると思うにしても、該当整備工場としては、目視点検で異常までは発見できず、そこに何ら加工など手を加えていないのでれば、責任は生じないと考えるのが合理的な考え方となるでしょう。
 このことは、貴省の全国運輸支局における自動車検査場での場合についてもまったく同様で、幾ら検査に合格した直後に車両に内在する故障が生じたからといえ、貴省が点検もれなどして責任を取ることはないのと同じことなのです。
 つまり、今回の特定整備の外注における責任の所在も、そもそも完成後に外注元が作業内容が適切であったかを確認を何処までできるのかと思考すれば限界は見えています。そもそも点検および校正などの整備をしたのが外注先であれば、外注元(元請け)に責任があるとするのは違和感を持つ他ないと云うのが私の理解なのですが、今回の特定整備に関わる外注元と外注先の責任関係のあり方について、貴省の考え方を説明願いたく思います。


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