私の思いと技術的覚え書き

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ロジスティクスを思う

2011-11-11 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 図書館で見つけた「軍事とロジスティクス」(江畑謙介著)を概読しました。江畑謙介氏は既に亡くなられていますが、湾岸戦争の勃発当時、頻繁にNHKなどの解説者として登場し、あの9:1分けの顔貌と共に、非常にマニアックとも感じる解説に印象を受けた覚えがあります。その氏が著したロジスティスクという命題に興味を引かれ紐解いた訳です。

 ロジスティスクなる用語の日本の軍事用語は兵站(へいたん)となります。軍事活動を継続するに際し、弾薬や燃料、食料など様々な物資の補給を行うことです。氏は、現行自衛隊における兵站の定義付けにおいてさえなお、兵站を後方補給としており、その後方という二の次というイメージが湧くのであるが、決してその様に軽く見られるものではないのだと強調しています。これは先の大戦において兵站を軽視し、燃料や食料を現地調達などとし作戦が決行され、なんらの補給援助も行わぬまま、孤島において多くの餓死者を生じさせたことの延長線上に未だあるのかもしれぬと想像させてしまうことです。

 氏は極端な話しとして、人間は銃器の弾がなくても(刀剣やナイフ)で戦えるが、水と食料がなければ戦えない。ギリシャの哲学者ソクラテスは、「戦いのおける指揮官の能力を示すものとして、戦術が占める割合は僅かであり、第1にして最も重要な能力は部下たる兵士たちの軍装備をそろえ、糧食を与え続けられる点にある」と記しています。

 ところで、このロジスティクスの考え方は民需部門においても、極めて重要となるものでしょう。そして、その先兵たる企業群が、物流を担う運輸業界であるのでしょう。しかし、同時に思うのは、トヨタが発明し在庫負担を一掃したと胸を張る看板システムのこおtです。日時指定での物流システムは、本来元請けメーカー(ティア1)が背負うリスクを、ティア2以下の下請けおよび物流企業に押し付けた、傲慢なシステムだとも感じるのです。



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