【意見】レバーレート訴訟・追記その4
工場と損保がレバーレートの金額の妥当性を争う訴訟が生じたことの内容を紹介してきたところです。今回は比較的ホットな話題として、北海道の何処かの地裁(札幌、函館、滝川支部の何れかでしょう)で、原告である修理工場(元受け、外注、意見補佐の3工場)と被告となったある損保が、主にレバーレートの妥当性を争っていた案件が、昨年後半に和解(事実上の原告訴訟取り下げ)で終結したというウワサを、大先輩よりお聞きし、その主な概略をお知らせするものです。
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1.訴訟の概要(ウワサで聞いた内容)
原告は、北海道内の車体修理工場ですが、争いの対象となった修理工場とは、別の元受け工場があり、原告は外注先の立場であった様です。また、もう一社別の工場も意見陳述などを行っている様ですが、これら三工場ともいわゆる分解整備事業、つまり日整連の加入工場であり、かつ日本車体整備組合連合会(日車協)の会員工場でもあるということらしいです。ちなみに、日整連の加入工場は全国でおよそ9万社と云われていますが、日車協の加入工場は往時は1万を超える時代もあったのかもしれませんが、年々低下しつつ現在は全国約4500社と云われています。
原告側の主張は、このシリーズの埼玉での工場と同じく、国交省とか日整連が指導している工場毎に原価計算を行いレバーレートの算出を行うのが大原則だと云うことを無視したまま、独自のレバーレートを主張していたものだった様です。この北海道訴訟の期間中、埼玉レバーレート案件の、高裁で修理工場側主張が認められる逆転判決が出たこともあり、同工場主から札幌案件へ判決文の情報提供が行われ、今回の北海道訴訟でも証拠の一つとして提示されたという経緯がある様に聞きました。
しかし、被告損保では、埼玉案件の判決の有無に関わらず、国交省や日整連が明示しつつ指導しているレバーレートは、個別原価計算して算出するのが原則だということを客観的な資料と共に主張したところ、原告工場側が諦めたのでしょうか真偽は不明ですが「和解」(事実上の原告の訴訟取り下げ)で、解決したということらしいと聞きました。
2.埼玉訴訟の2審たる東京高裁(逆転)判決では、判事(裁判官)はその判決文で「当該修理工場の原価や一般管理費等の財務諸表に基づいて主張立証しなければならないとすることは、証拠収集の困難さにおいても、また回復を受けようとする被害額に見合う主張立証の負担という観点からもおよそ不可能ないし困難を強いることである。」として、国交省とか日整連の指針を完全に無視した記述を行っていたのでした。しかし、改めて、国交省の局長通達やそれを受けた日整連の傘下加入工場への要請文書を示せば、どちらが妥当かは自明のことだったのでしょう。
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元ブログリンク【私の思いと技術的覚え書き】
【意見】レバーレート訴訟判決・その検討に不足はないのだろうか?
2021-01-22 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/68d526f008ff208a7f30eb52e8f2d3a1
工場と損保がレバーレートの金額の妥当性を争う訴訟が生じたことの内容を紹介してきたところです。今回は比較的ホットな話題として、北海道の何処かの地裁(札幌、函館、滝川支部の何れかでしょう)で、原告である修理工場(元受け、外注、意見補佐の3工場)と被告となったある損保が、主にレバーレートの妥当性を争っていた案件が、昨年後半に和解(事実上の原告訴訟取り下げ)で終結したというウワサを、大先輩よりお聞きし、その主な概略をお知らせするものです。
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1.訴訟の概要(ウワサで聞いた内容)
原告は、北海道内の車体修理工場ですが、争いの対象となった修理工場とは、別の元受け工場があり、原告は外注先の立場であった様です。また、もう一社別の工場も意見陳述などを行っている様ですが、これら三工場ともいわゆる分解整備事業、つまり日整連の加入工場であり、かつ日本車体整備組合連合会(日車協)の会員工場でもあるということらしいです。ちなみに、日整連の加入工場は全国でおよそ9万社と云われていますが、日車協の加入工場は往時は1万を超える時代もあったのかもしれませんが、年々低下しつつ現在は全国約4500社と云われています。
原告側の主張は、このシリーズの埼玉での工場と同じく、国交省とか日整連が指導している工場毎に原価計算を行いレバーレートの算出を行うのが大原則だと云うことを無視したまま、独自のレバーレートを主張していたものだった様です。この北海道訴訟の期間中、埼玉レバーレート案件の、高裁で修理工場側主張が認められる逆転判決が出たこともあり、同工場主から札幌案件へ判決文の情報提供が行われ、今回の北海道訴訟でも証拠の一つとして提示されたという経緯がある様に聞きました。
しかし、被告損保では、埼玉案件の判決の有無に関わらず、国交省や日整連が明示しつつ指導しているレバーレートは、個別原価計算して算出するのが原則だということを客観的な資料と共に主張したところ、原告工場側が諦めたのでしょうか真偽は不明ですが「和解」(事実上の原告の訴訟取り下げ)で、解決したということらしいと聞きました。
2.埼玉訴訟の2審たる東京高裁(逆転)判決では、判事(裁判官)はその判決文で「当該修理工場の原価や一般管理費等の財務諸表に基づいて主張立証しなければならないとすることは、証拠収集の困難さにおいても、また回復を受けようとする被害額に見合う主張立証の負担という観点からもおよそ不可能ないし困難を強いることである。」として、国交省とか日整連の指針を完全に無視した記述を行っていたのでした。しかし、改めて、国交省の局長通達やそれを受けた日整連の傘下加入工場への要請文書を示せば、どちらが妥当かは自明のことだったのでしょう。
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【意見】レバーレート訴訟判決・その検討に不足はないのだろうか?
2021-01-22 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
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