クルマの未来
この表題に近いことは、過去何度も記して来たのが、今回はある程度今後のクルマが進むべき方向性が明らかになったことで、50年先以内の近未来の姿を見通しみたい。
現在進められているクルマに求められる方向性は以下の3つに代表されると意識する。
①ZEV(ゼロエミッションビークル)への方向性
ZEVとは、排気ガスを一切出さないクルマの意味だが、この目的はCO2の削減と云うことになり、EVとかFCVのことを指すと云っても良いのだろう。しかし、電気エネルギーにしても水素にしても、自然界にそのままあるエネルギーでなく、石油などからエネルギー変換也して作られるエネルギーで、原子力発電があまりにリスクが高い、またその処分場がないことを知った人類は、これ以上原子力を増やすことはできないだろう。そうなると太陽光や風力、地熱などの自然エネルギーを増やしつつ、火力発電の比率を落としていく方向性なのだろう。しかし、自然エネルギーはその安定性だとか、自然を破壊するという別の問題もあり、早晩限界に達するものと想定される。となると、果たして、石油を主力とした電気で動くEVだとか電気で水素を作り出すFCVが果たしてCO2削減に何処まで効果があるのが疑問に思える。もし、そのことに世論が同意した時、EVなりFCVの限界の時が訪れることになる場合もあり得る様に思える。
②自動運転車への方向性
自動運転車については、レベル1からレベル5までの段階があり、現在レベル3のクルマが出始めたところであるが、案外早くレベル4(特定条件の完全自動運転)まで行く可能性があると想像している。ただし、レベル5(あらゆる場所で完全自動運転)は、甚だ難しい問題だろうと想像している。
ところで、レベル4のクルマが一定普及する時代になった時、予想される事態を予言しておきたい。それは、国なり大都市など自治体は、その運行を特定の道路(高速道路や自動車専用道など)について、レベル4のクルマのみ運行可と条例などで定めるだろう。それは、過去のディーゼル規制が東京都で始まった時の様にだ。この大義名分は「人の命は何よりも尊いだ」。そして、道路運送法の保安基準としても自動運転レベル4相当のクルマが新車型式指定の要件として要求されるとなると、レベル4相当のクルマの普及は著しく限界まで高まるだろう。
③ICTなど常時クルマと様々な管理者との通信が普及する方向性
これは既に一部車種で始まっているが、携帯電話などの電波網を利用し、個別車両と管理者(現在は車両メーカーサーバー)との間で、常時相互通信機能が備わる時代になるだろう。これは、自動運転にも関連し、車車間の相互位置だとかその進行方向により事故を防ぐとか、道路環境の検出を行い、その地域の最大速度を制御するなど、種々の応用が想定できる。
これら①から③までが達成されたもしくは達成できると予見された時、車両メーカーのクルマの作り方にも大きな変化が生まれることだろう。
それは、いわゆるワインディング路の走りの良さとか、運転して楽しいということの追求は意味がなくなると云うことなのだと思える。そうなると、自動運転などでコストアップする分を、車体のコスト軽減の要求が吸収するという形となる方向に変化すると思える。具体的に云えば、プラットフォームの共有化という形で現在進められているが、これがもっと進むと、車体のユニット化が進み、例えば各車輪とそれを支持するボデー側を含めて1つのユニットとなる様な時代が来る可能性も考えられる。それが進行すると、世界共通規格化され、何処の国でもメーカーでも、ユニット番号が一致すれば互換があるという時代が来るかもしれない。その時代、現行の車検という制度が残るのか未知ながら、おそらくディーラーや一般工場での整備作業というのも、不具合のあるユニットを交換するだけの作業となると想像できる。また、交換済のユニットは、専門工場でリビルトされストックし、オーダーがあり次第供給できるという具合だ。この時代、事故も相当に減少するだろうが、少ない事故の対応も、必用ユニットの交換と、その上に被さる装飾としてのカバーリング程度の交換で事故車両の復元修理もできるので、整備および板金塗装工場の業務量が激減してしまうことだろう。なお、事故車や故障でも、クルマの価値は使用年数に応じて目減りするが、いわゆる修理費が価値を超える全損となると、その全損車はリビルト工場に廻され、再生可能なユニットのみリビルトされストックされるのだろう。
もう一つ、ICTの関係で、あらゆる故障情報が管理され、また随時行われる制御ソフトウェアのバージョンアップ更新作業も、随時自動で行われる様になり、これら高度自動運転機能を持った車両は、車両メーカーのディーラー以外では、対応できない(対応しようとするととても負担できない様な高額設備投資が必用)のかもしれない。こうなると、ディーラー以外の一般整備および板金塗装工場は生き残りが難しい時代が来るのかもしれない。
また、メーカーおよびディーラーだとて、必ずしも安閑とは行かないだろう。世界互換のユニット化がもし成立したとすれば、独自のブランド差別はなきに等しいものとなり、クルマは正にコモディティ化し、ブランド差は限りなく薄くなり、斜陽かするしかないだろう。
この表題に近いことは、過去何度も記して来たのが、今回はある程度今後のクルマが進むべき方向性が明らかになったことで、50年先以内の近未来の姿を見通しみたい。
現在進められているクルマに求められる方向性は以下の3つに代表されると意識する。
①ZEV(ゼロエミッションビークル)への方向性
ZEVとは、排気ガスを一切出さないクルマの意味だが、この目的はCO2の削減と云うことになり、EVとかFCVのことを指すと云っても良いのだろう。しかし、電気エネルギーにしても水素にしても、自然界にそのままあるエネルギーでなく、石油などからエネルギー変換也して作られるエネルギーで、原子力発電があまりにリスクが高い、またその処分場がないことを知った人類は、これ以上原子力を増やすことはできないだろう。そうなると太陽光や風力、地熱などの自然エネルギーを増やしつつ、火力発電の比率を落としていく方向性なのだろう。しかし、自然エネルギーはその安定性だとか、自然を破壊するという別の問題もあり、早晩限界に達するものと想定される。となると、果たして、石油を主力とした電気で動くEVだとか電気で水素を作り出すFCVが果たしてCO2削減に何処まで効果があるのが疑問に思える。もし、そのことに世論が同意した時、EVなりFCVの限界の時が訪れることになる場合もあり得る様に思える。
②自動運転車への方向性
自動運転車については、レベル1からレベル5までの段階があり、現在レベル3のクルマが出始めたところであるが、案外早くレベル4(特定条件の完全自動運転)まで行く可能性があると想像している。ただし、レベル5(あらゆる場所で完全自動運転)は、甚だ難しい問題だろうと想像している。
ところで、レベル4のクルマが一定普及する時代になった時、予想される事態を予言しておきたい。それは、国なり大都市など自治体は、その運行を特定の道路(高速道路や自動車専用道など)について、レベル4のクルマのみ運行可と条例などで定めるだろう。それは、過去のディーゼル規制が東京都で始まった時の様にだ。この大義名分は「人の命は何よりも尊いだ」。そして、道路運送法の保安基準としても自動運転レベル4相当のクルマが新車型式指定の要件として要求されるとなると、レベル4相当のクルマの普及は著しく限界まで高まるだろう。
③ICTなど常時クルマと様々な管理者との通信が普及する方向性
これは既に一部車種で始まっているが、携帯電話などの電波網を利用し、個別車両と管理者(現在は車両メーカーサーバー)との間で、常時相互通信機能が備わる時代になるだろう。これは、自動運転にも関連し、車車間の相互位置だとかその進行方向により事故を防ぐとか、道路環境の検出を行い、その地域の最大速度を制御するなど、種々の応用が想定できる。
これら①から③までが達成されたもしくは達成できると予見された時、車両メーカーのクルマの作り方にも大きな変化が生まれることだろう。
それは、いわゆるワインディング路の走りの良さとか、運転して楽しいということの追求は意味がなくなると云うことなのだと思える。そうなると、自動運転などでコストアップする分を、車体のコスト軽減の要求が吸収するという形となる方向に変化すると思える。具体的に云えば、プラットフォームの共有化という形で現在進められているが、これがもっと進むと、車体のユニット化が進み、例えば各車輪とそれを支持するボデー側を含めて1つのユニットとなる様な時代が来る可能性も考えられる。それが進行すると、世界共通規格化され、何処の国でもメーカーでも、ユニット番号が一致すれば互換があるという時代が来るかもしれない。その時代、現行の車検という制度が残るのか未知ながら、おそらくディーラーや一般工場での整備作業というのも、不具合のあるユニットを交換するだけの作業となると想像できる。また、交換済のユニットは、専門工場でリビルトされストックし、オーダーがあり次第供給できるという具合だ。この時代、事故も相当に減少するだろうが、少ない事故の対応も、必用ユニットの交換と、その上に被さる装飾としてのカバーリング程度の交換で事故車両の復元修理もできるので、整備および板金塗装工場の業務量が激減してしまうことだろう。なお、事故車や故障でも、クルマの価値は使用年数に応じて目減りするが、いわゆる修理費が価値を超える全損となると、その全損車はリビルト工場に廻され、再生可能なユニットのみリビルトされストックされるのだろう。
もう一つ、ICTの関係で、あらゆる故障情報が管理され、また随時行われる制御ソフトウェアのバージョンアップ更新作業も、随時自動で行われる様になり、これら高度自動運転機能を持った車両は、車両メーカーのディーラー以外では、対応できない(対応しようとするととても負担できない様な高額設備投資が必用)のかもしれない。こうなると、ディーラー以外の一般整備および板金塗装工場は生き残りが難しい時代が来るのかもしれない。
また、メーカーおよびディーラーだとて、必ずしも安閑とは行かないだろう。世界互換のユニット化がもし成立したとすれば、独自のブランド差別はなきに等しいものとなり、クルマは正にコモディティ化し、ブランド差は限りなく薄くなり、斜陽かするしかないだろう。