私の思いと技術的覚え書き

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R53クラッチ修理の続き・他

2017-05-26 | BMWミニ
 過日記した、走行中にクラッチが固着し、まったくペダルを踏めないし、従って切れないというR53の続編を記してみる。新品部品が入手できたので、まずはレリーズフォーク関係の部品を組み付ける。フォーク、シャフト両端のナイロンブッシュを新しい部品で組み付けていく。間違っても、締め付け不良がないよう、念入りに確認しつ組み付ける。

 新品のクラッチディスクは、インプットシャフトに勘合させて、スムーズに前後できることを確認する。なお、同ディスクは前後の方向性があるので、誤って組み付けない様に注意のこと。このR53のディスクは、捻り振動吸収用のダンパーがなく、後部の出っ張りも少なく見分け難いが、rearと部品メーカーで記してあるので意識して組み付ける。また、クラッチキット部品に同梱されているグリスを、インプットシャフトもしくはディスクセンターボス部に塗布する。なお、R53のフライホイールは見掛け5cm程の厚みのあるもので、中空内部にウェイトとスプリングが組み込まれたダブルマスフライホイールとして、捻り振動を吸収している様だ。ディーラー見積には計上されており部費価12万余もする様たが、特段の問題はなく再使用とした。

 クラッチディスクとクラッチカバーをセンターリングツールで仮止めし、一体としてフライホイールに組み付ける。ボルトはトルクスE8という小さいサイズだが、ボルトの軸径はM8で6本固定されている。フライホイール側より位置決めピンが3ヶ所出ていて勘合する。こういう大面積かつバネストロークある部品のボルト締め込みでは、各ボルトをなるべく対角線順に段階的に均等に締め付けを繰り返し、最終密着まで平均に沈めて行く様考慮する。最終締め付けはE8と小さいボルト頭径だが、M8ボルトであることを意識して、締め付け忘れがない様に注意した。

 これでTMを載せる準備はOKだ。ところで、ここでTMを乗せる前の広い空間がある内に,気になる幾つかの修理を行う。まず一つは、シフトワイヤーのブーツ破れだ。このシフトワイヤーブーツだが、水や埃のワイヤー内への侵入を防止するものだが、単品部品の設定がない。かといってそのままにすると、ワイヤーの動きが悪くてシフト操作が円滑でなくなったり、ワイヤー切れの原因となる。似た様な蛇腹を見つけ、シーリング剤と締め付けバンドで固定して良しとした。なお、予めワイヤーエンドにはグリスを塗布しておいた。

 もう一つは、エンジンオイル漏れの修理だ。現車状態では、オイルパン全面に漏れが拡散しているが、TMを外したところ、リヤオイルシールではないと判断された。フロントケースもオイルで汚れてるが、よくよく観察するとエンジン右後部のオイルフィルターハウジングおよびそこに装着のオイルクーラーの合わせ面からの様だ。それらを外すと、変形Oリング様のシールが溝に入っているのだが、元々弾力性があるはずのラバーシールが硬化しており溝から突き出しもない様な状態である。どうも輸入車のラバーやプラスチックは、耐久性に欠けるものが多い。これらシールは取替を行うことにする。





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