私の思いと技術的覚え書き

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東電スマートメーターの内部を見る(取りあえず通信機能を外す作業)

2019-11-29 | コラム
 これは東電に関わらず沖縄電力までを含めた全国10社の電力会社で進められていることだが、個別利用宅毎に設置された電力メーターを、スマートメーターという通信付加機能を持ったものに交換する作業が進められている。このスマートメーターでは、電力使用量を通信機能で電力会社サーバーに自動送信する機能を持ち、従来検診員が月1回行っていた訪問検針を不要にするのが一番の導入理由だろう。この様な機能は、今後はガスや水道と云った公共料金を徴収するものに拡大して行く方向だろうが・・・。

 ところで、この電力のスマートメーターだが、どうやら電力使用量(太陽光発電機器を備えている場合は売電電力量も計量)だけを計測するだけでなく、種々の付加機能を持っている様だ。例えば、最大通過電流の変更(つまり15Aとか30Aでは基本料が異なるが、それがリモートで可能)とか、料金未納とかで止めることも可能だ。また使用電力とその時刻をリニアに記録できることで、深夜電力契約を行っている場合は、従来の電力計では深夜電力対応のタイムスイッチ付きが必用であったものが、使用時刻に関わらず利用でき、深夜時刻(多くは23時から翌朝7時まで)のみ割引料金として別途積算できる機能だ。

 このくらいのことが電力会社の説明では記してある訳だが、VWの排ガス詐欺じゃないけど、電力会社が売上を上げたいと思えば、実電力のχ倍とか、一定の電流値を超えたら乗数を指数関数的に逓倍するなど、通信機能で幾らでも制御でき、それに見合った電力使用量を液晶表示にすることすらできる能力としては理論的にはあり得る訳だ。しかし、もしもそんなことをやって、バレたらVWの様に大きな咎め(VWの米国での賠償金は4兆円相当とも聞く)を受けると考えるのが普通だが、こと我が国ではそんなことはあり得ないのだろう。それは既に実証されていることで、東電では福島原発大崩壊で、本来なら会社はとっくに債務超過で破綻しているはずだが、破綻していないのだ。明確な数値は判りかねるが、今でも福島原発関連で、日当たり何億もの税金が投入され続けているだろう。また、本来なら誰が考えても東電が賠償しなければおかしいものを、訴訟では裁判所は否定し、政府や地方自治体が負担しているのだ。

 だいたい、原発事故の翌年報告された国会事故調・報告書の序文たる「はじめに」では、「この事故が「人災」であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった。」と端的に結論を述べているのだ。しかるに、こんな報告書の内容は何処吹く風の如く、政府(政治家と行政庁)も東電も一切の責任を誰が負うことなく、検察庁は訴追せず、検察審査会に送致されたが、予見性がなかったなどとして無罪となる様子が伺えるのだ。

 この原発大事故に比べれば小さな出来事だが、三菱自動車の大量のリコール隠蔽事件があった。この処分は、単なる厳重注意だけだ。その後、三菱では再び燃費データ不正提出事件が明るみになった。そして、恐らく三菱の燃費不正を故意にチクったであろう日産自の新車検査不正問題が明るみに出た。これらは、何れも厳重注意だけで済まされているのだ。どうして我が国は、大企業に甘いのだろうか? そして、どうして大企業の経営者は、自己責任を回避し続け逃げ回る醜態を示し続けて恥を晒しても認めないのだろうか?
 ノーブレス・オブリュージュという仏語のことわざがある。高位なものほど大きな責任を課されるというという意味だ。また、日本には古来から武士道という精神がある。自ら犯した過ちを自ら認め難くとも、抗弁を続けるんじゃなく腹切って果てるという自己責任を見せて果てるという所業だ。断罪する方も、自害を許すのは、自ら死ぬることを名誉として認めているのだ。本当に断罪する場合は、自死を認めず、獄門打ち首なのだ。

 あまりにも東電その他の大企業経営者の恥知らない所業に怒髪天と戯れ言を記したが、詰まるところ、この様な企業は世間一般で云うところのブラック企業には該当しなくとも、愚人にとっては信用ならぬ企業という判じた対応を取らざるを得ないと考えているのだ。ということで、スマートメーターについては、その取替について了承した覚えもなく、旧方式(ガラスパネルが被ったレトロなもの)に戻して欲しいと要求していたのだ。このスマートメーターの苦情については、主に送信電波を発することから電磁波絡みでクレームが多い様だが、愚人は電磁波云々は関係ない。扱い企業に信用が持てず、何をやらかすかと怪しからんとの思いから旧メーターへの戻し要求なのだ。しかし、相手の言い分としては、既に旧メーターの新規製造は打ち切って久しく、取替済みの製品も即廃棄しており、10年間という使用期限もあるので代用できる製品はない。ただし、30分毎にデータをサーバーに送る送信ユニット部分については取り外して対応できるとのことで、取り外して毎月の検針という労力を掛けてもらおうじゃないかということにしたのだった。

 ということで、愚人の監視の元、東電社員によるスマートメーターの送信ユニットの取り外しを行ったのだった。なお、愚人宅には100Vおよび深夜電力温水器用として単相200Vが給電されており、それぞれ2つのスマートメーター(型式はそれぞれ違う)について、同処理を行った。通信部は、メーター下部のカバー内にあり、PCの有線LAN端子と酷似した端子1ヶで結線されているだけだ。なお、毎月の検針時は、単に液晶表示の累計電力メーター値を読み取るだけとはいかない様だ。今回抜き取ったPCのLAN端子に相当する端子に、何らかの端末を繋げ、ほぼ1ヶ月分の日時と時刻別の電力(電流値)データをモバイル端末経由でサーバに送信することと、時刻の校正の必用がある様だ。つまり、深夜料金契約をしているので、時刻別データに分けて料金を算出するためと、内部基準時刻の狂いを修正ためだ。これでは、旧メーター時代より、カバーを外して、データを転送してと余計に手間取るし、そもそも今まで来ていた検針担当の女性には不可能だろうと問うと、それは我々社員が行うことになりますとのことだ。バカな話しだが、信頼なきことを自覚せず勝手にことを勧めた罰を後悔したまえというところだ。






余談
 作業を行った東電保守員とも雑談したのだが、こんな外付けというか別体の送信ユニットなくても電力線通信(PLC [Power Line Communication])という仕組みがある。現状では技術的に個別端末数が多すぎ信頼性などに難があるのかもしれぬが、将来的にはそちらの方向を目指すのだろうか?それとも、既に一部はそちらの機能を内蔵しており、電源カットくらいはできるのかもしれぬ。

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