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1/10東京町田市の都道での路外逸脱・自転車男性跳ね飛ばされて死亡

2023-01-27 | 事故と事件
1/10東京町田市の都道での路外逸脱・自転車男性跳ね飛ばされて死亡
 2週程前の東京町田市の事故だが、路外逸脱の事故で、歩道の自転車を跳ね飛ばし死亡させている事故だが、俄にどういう事故だったのだろうか判り難いという事故だ。


 今回は、各種報道画像などを収集すると共に、車両がどういう挙動で最終的に報道状態になったのかのその動きの再現を試みたので紹介したい。なお、こういう思考を、事故再現と云うのだが、本来は現場に立会さらに路面の擦過痕とかさまざまな痕跡とその位置関係を調べつつ挙証していくのだが、報道画像しかない前提で、限界はあるが試みてみた。なお、ちょっと前にEDRの関係で、その販売元とか代理店は、EDRデータがあれば、すべての事故が判るかの過大なアピールをするが、この思考ができる者のみ、EDRで得られるメタ(生)データを生かすことができると思える。



 本事故の概要としては、当該都道を東進していた車両が、原因は不明だが突然左へステアして路外の歩道に出そうになり、慌てて右ステアで戻そうとしたのだろうと思える。この明確な理由は不明だが、例えばその先には信号があるが、脇見運転をしており、前方至近に停止車を発見し既に制動回避は困難と左ステアで回避しようとしたのかもしれない。

 その後、そのままでは路外の商店などに突っ込んでしまうので、右ステアに切り返し道路へ戻ろうという動きをしたのではないだろうか。事故現車の前輪は右に目視5度程度切れており(これはステアホイールだと90~180度程度の転蛇角となる。高速だとかなりの急操舵となる舵角だ。



 しかし、その時には既に車両は照明灯前の植木をなぎ倒し、車両右ドアミラーを跳ね飛ばし、ドアを照明灯ポールに擦り付けつつ右転蛇でさらに深く押し付けていった。そして、ドアから右リヤフェンダーへのパネル間でパネル間の連続剛性が途切れたところで一段強く押し込み、リヤフェンダーをめくり上げる様に変形させつつ右リヤタイヤを照明灯ポールに強く当て、右リヤタイヤは大きく後退している。

 この時点で、車両は右リヤを拘束された状態となり、右方向にスピンしつつ、それ以前の立木に乗り上げたことも理由となり、おそらく50センチほどの高さで飛翔しつつ右に車頭を向けていった。ここは、かなりの想像もあるが、該当車のフロントガラス左上端部付近がガラスが割れその他小範囲だが損傷がある。これは、何にぶつかったのか明確ではないが、ここでは、この飛翔柱に歩道の自転車搭乗者に衝突してへね飛ばしたと想像してみた。これは、報道写真にある自転車の位置などとも整合する。

 その後、飛翔した車両は、右に約90度車頭を回転させると共に、車頭を前下がりの状態で、道路添いの日産ディーラーの駐車場出入り口角に立つカーブミラー支柱に左側面を食い込ませると共に、車両後部は当該場所至近のEV充電装置の看板支柱などに車両後部をぶつけている。また、この際に、左後輪は、下端部を内側に押し曲げられる様に何かに衝突(おそらく看板用支柱)し、リヤシャフトが折損して脱落し、アーム関係はねじ曲げられている。

 報道写真では、該当車は歩道と敷地の境の縁石(高さ3、40cmほど)に車体中央より後部側を乗せた状態となっているが、飛翔せずにこの縁石にぶつかったのであれば、大して強度のありそうもない縁石がもっと破壊されているだろう。この辺りより、飛翔していたという推察となった。



 また、たまたま報道画像の中に歩道に設置の照明灯の鋼製支柱の拡大写真があったが、こういう背の高い照明灯支柱は、その外形は15ないし20cmほどだろうが、肉厚は3mm以上と結構強度の高いものだが、明確な塑性変形と擦り付けたタイヤゴム痕などが観察できる。このことは、事故後の局部的な塑性変形だけでなく、1m程度の高さにまでおよぶ僅かな湾曲も生じている様に見える。このことは、事故の瞬時には、そうとうな変形をしてスプリングバックしているということを想像させる。すなわち、そのスプリングバックは、車両を押し戻す、つまり右回転させる応力として寄与したとも想像できるのではないだろうか。










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乗用車が突っ込み歩道の49歳男性死亡 東京・町田
産経 2023/1/10 17:17
 10日午前11時10分ごろ、東京都町田市能ケ谷の都道で、乗用車が歩道に突っ込み、歩道にいたとみられる男性がはねられた。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。
 警視庁町田署によると、亡くなったのは町田市大蔵町の自営業、山下和久さん(49)。町田市のアルバイトの男性(27)が、運転していた乗用車のハンドル操作を誤り、車道と歩道の間にあるガードレールや街路樹に衝突。はずみで歩道にいたとみられる山下さんにぶつかったとみられる。車は道路沿いの自動車販売店の駐車場に乗り上げて止まった。近くには山下さんの家族名義の自転車が倒れていた。
 運転していた男性も頭を打つなどのけがを負い、病院に搬送された。町田署は、事故の経緯を調べている。
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「理解に苦しむ状況」歩道に車が突っ込み自転車の男性死亡…防犯カメラは“猛スピード”の瞬間を捉えていた 東京・町田
FNNプライムオンライン 1/10(火) 19:31配信
 歩道に突っ込み、駐車場のブロック塀に乗り上げた乗用車。
 車体の側面は激しく壊れ、後ろのタイヤは外れてしまっている。
 事故が起きたのは、1月10日午前11時過ぎ。
 東京都町田市能ヶ谷の路上で乗用車が歩道に乗り上げ、歩道にいた男性が巻き込まれた。
 午後3時過ぎの事故現場には、側面が大きくへこみ、窓ガラスがすべてなくなった車があった。
 その横には、車になぎ倒されたのか、木が倒れていた。
 突っ込んできた車にはねられたのは、自転車に乗って歩道を走っていたとみられる山下和久さん(49)。意識不明の重体で病院に搬送されたが、心臓破裂などにより死亡が確認された。
 現場を上空から捉えた映像を確認すると、歩道に止まった乗用車の周辺に、車のバンパーなどさまざまな部品が散乱している。
 さらに、乗用車から十数メートル離れた場所に、原形をとどめないほど壊れた自転車があるのが分かる。
はねられた衝撃でここまで飛ばされたとみられる。

事故現場は「理解に苦しむ状況だった」
 「激しい衝突音で事故に気づいた」と話すのは、付近の住民。
近隣住民:結構激しいぶつかった音が、ガシャンって感じですよね。お店にいて音が聞こえて、何だろうって外出たんですけど、(事故現場を見て)もう何が起きたんだろうっていう。理解に苦しむ状況でしたね。あんな状態になったっていう理由がよく分からない。
 事故を起こした乗用車を運転していたのは27歳の男。右腕を打撲するなどのけがをしていて、病院で治療を受けた。
 男は「ハンドル操作を誤った」などと話しているということで、警視庁は過失運転致死の疑いで逮捕する方針だ。


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