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トヨタはなせ中京圏に続き、九州、東北に企業展開したのか

2021-10-03 | コラム
トヨタはなせ中京圏に続き、九州、東北に企業展開したのか
 トヨタおよび主要サプライヤーの多くは、豊田市および隣接または近接した市を中心に事業を拡大してきた。ただ、研究開発拠点などは、その土地の広さ、環境、情報量などから、遠く静岡県、北海道、東京、米カルフォルニアなどに設けたのは、それは容易に理解できることだ。しかし、10年前以前から、九州に、そして近年は岩手だとか宮城という東北の工場群を、第3の展開としている。

 普通に考えれば、サプライチェーンの物流など、中京圏で拡張するのが地の利から考えて、トヨタの云う何が何でも効率だとかムダを撲滅し尽くすという思想から不思議にも思えるのだが、何がそういう展開をさせているのか、これについて新聞などの公式メディアの論説に惑わされることなく、独自に思考してみたい。

 公式メディアでは、トヨタ初の工学博士たる人物が東北大学だったから縁があったなどと記しているが、そんな情緒的な問題で、総投資額1千億を超える様な、新工場をあえて、遠方に作る訳もなかろう。

 また、地の利を優先すれば、東海道沿線に展開する方が普通に思考だろう。そもそも、東海道沿線の総工業生産額は、日本の半分を超える、日本の中で、九州や東北と比べれば、桁違いの密集度を持っているのだ。逆に云えば、そういう地の利があるからこそ、自動車以外の様々な工場が、東海道沿線に進出立地し、そうなったとも云える。

 とすると、何が地の利を犠牲にしてまで、トヨタの基幹工場が揃った中京圏近郊で拡張しないで、あえて遠方の地に多大な投資を行い展開することになったことを不思議に思わないだろうか。

 ここからは、トヨタ自動車や大手メディアが公式に述べていることでなく、あくまで私の独断の想像的思考なので、参考程度に留め、これを見ている方、それぞれで考え、うなずけるものか判断して欲しい。

 私の見るところ、九州および東北という地は、東海道沿線に比べ、格段に他産業の進出が少なく、人口密度は低いとはいえ、低賃金労働者を集められる余地があるというところが要となったと思える。しかも、完成車の国内流通には不利だが、海外輸出という面では、それぞれ輸出母港となる港は立地できハンディはない。

 そもそも、現在は中京圏のトヨタ関連工場には、繁忙期に各地方からの期間工と呼ばれる方を集め、正社員と比べれば格段に安い労働力として搾取し続けた歴史を持つのだ。

 それが、中京圏でこれ以上のトヨタ関連工場群を増やすより、あえて期間工の出身地が多い地方に工場立地させることで、比較的安い労働力であっても、労働者の不満だとか組合運動を刺激することなく、比較的安い労働力を維持できるという思想が根底に潜んでいるのではないだろうか。


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