JR東海「315系」静岡地区でついにデビュー 一番列車は静岡駅から東海道線を東へ 単独運用で熱海駅へ向けて出発
6/1(土) 13:32配信 静岡放送(SBS)
静岡地区の在来線で18年ぶりの新型車両、JR東海「315系」通勤型電車が6月1日、営業運転を始めました。初運用は、東海道線上り普通列車・熱海行きで静岡駅を午後1時2分に出発しました。
【写真を見る】JR東海「315系」静岡地区でついにデビュー 一番列車は静岡駅から東海道線を東へ 単独運用で熱海駅へ向けて出発
315系は、名古屋地区で2年前にデビューした新型車両で、今回、静岡にもやって来ました。
静岡地区で運用される315系(U編成)は4両で、当初は原則として313系(2両)を併結して走ります。一番列車には、U1編成が使用され、6月1日は特別に単独の4両編成で運用されました。
初日は特別な出発式などは行われず、事前の告知もありませんでしたが、静岡駅のホームには熱心なファンが駆けつけました。
一番列車の運行開始にあたり、JR東海は「静岡地区の皆様に新型車両『315系』をご利用いただけることをうれしく感じています。最新技術の導入により、安全性・安定性のさらなる向上、環境負荷の低減を実現するとともに、お客様が安心して、快適にご利用いただける車両となっています。地域の皆様に長く愛される車両になればと思います」とコメントしています。
315系は、安全・安定性や快適性を向上し、環境負荷を減らし、車内のセキュリティーが強化された車両です。JR東海は「優しく安心感のある快適な移動空間」をコンセプトとしています。
■こんなにすごい!充実した設備 すべての人に快適な車両
車内では、バリアフリー設備が充実しています。すべての車両に車椅子スペースを設け、すべての編成に車椅子対応トイレを設置しています。優先席の床の色などをオレンジ色で色分けしたことや、車両とホームの段差を211系(JR東海の発足当初から走っている車両)と比べて5cm縮小しました。また、カラーユニバーサルデザインに対応した車内表示器を設けています。
座席は、座り心地が向上し、1人あたりの座席幅を211系と比べて1cm広げました。腰への負担が少ない理想的な姿勢をサポートする座席の形状で、座席の端の部分には、大型の袖仕切りを設置しています。
空調機能もアップしていて、冷房能力は211系より約3割向上。AIが自動で学習し、最適な温度に制御するシステムが導入されました。天井が高く開放感があり、窓には赤外線や紫外線を99%カットする遮熱・遮光ガラスが使われています。
車両性能も向上し、電力消費量は211系と比べて約35%減となり、環境負荷を減らしています。安全面では、台車枠の溶接箇所を313系(これまでの主力車両)と比べて6割削減しています。さらにJR東海の在来線車両で初めて非常走行用の蓄電装置を搭載し、自然災害などによる停電で架線から電気が取れなくなっても、安全な場所まで自力で走行したり、車内の空調を動かしたりすることが可能です。車両と地上間のデータ通信装置(常時状態監視システム)の導入で車両の異常の予兆を検知し、列車の遅延を防ぐなどの機能もあります。
車内のセキュリティも強化されています。非常通報装置は1両に3台、車内防犯カメラは1両に5台設けました。
■どこを走る?315系 お茶とミカンの車両は引退へ
315系は当面、東海道線の熱海駅と豊橋駅の間を走り、2024年11月から12月頃には、御殿場線や身延線にも投入される予定です。
一方、静岡地区の東海道線を長年走ってきた211系は2024年度末までに姿を消すことになります。211系にはトイレの設備が無かったことから、315系の配備が完了すれば、すべての編成がトイレ付きとなります。211系には緑とオレンジのラインが入り、静岡県民にはお茶とミカンの色の車両として親しまれてきました。
【静岡地区での車両投入の歴史】
1987年 JR東海が発足
1989年 211系 投入開始
1998年 313系1次車 投入開始
2006年 313系3次車 投入開始
2007年 国鉄承継車両の定期運用終了
2022年 313系転配車(名古屋地区→静岡地区)投入開始
2024年 315系 投入開始 静岡放送
6/1(土) 13:32配信 静岡放送(SBS)
静岡地区の在来線で18年ぶりの新型車両、JR東海「315系」通勤型電車が6月1日、営業運転を始めました。初運用は、東海道線上り普通列車・熱海行きで静岡駅を午後1時2分に出発しました。
【写真を見る】JR東海「315系」静岡地区でついにデビュー 一番列車は静岡駅から東海道線を東へ 単独運用で熱海駅へ向けて出発
315系は、名古屋地区で2年前にデビューした新型車両で、今回、静岡にもやって来ました。
静岡地区で運用される315系(U編成)は4両で、当初は原則として313系(2両)を併結して走ります。一番列車には、U1編成が使用され、6月1日は特別に単独の4両編成で運用されました。
初日は特別な出発式などは行われず、事前の告知もありませんでしたが、静岡駅のホームには熱心なファンが駆けつけました。
一番列車の運行開始にあたり、JR東海は「静岡地区の皆様に新型車両『315系』をご利用いただけることをうれしく感じています。最新技術の導入により、安全性・安定性のさらなる向上、環境負荷の低減を実現するとともに、お客様が安心して、快適にご利用いただける車両となっています。地域の皆様に長く愛される車両になればと思います」とコメントしています。
315系は、安全・安定性や快適性を向上し、環境負荷を減らし、車内のセキュリティーが強化された車両です。JR東海は「優しく安心感のある快適な移動空間」をコンセプトとしています。
■こんなにすごい!充実した設備 すべての人に快適な車両
車内では、バリアフリー設備が充実しています。すべての車両に車椅子スペースを設け、すべての編成に車椅子対応トイレを設置しています。優先席の床の色などをオレンジ色で色分けしたことや、車両とホームの段差を211系(JR東海の発足当初から走っている車両)と比べて5cm縮小しました。また、カラーユニバーサルデザインに対応した車内表示器を設けています。
座席は、座り心地が向上し、1人あたりの座席幅を211系と比べて1cm広げました。腰への負担が少ない理想的な姿勢をサポートする座席の形状で、座席の端の部分には、大型の袖仕切りを設置しています。
空調機能もアップしていて、冷房能力は211系より約3割向上。AIが自動で学習し、最適な温度に制御するシステムが導入されました。天井が高く開放感があり、窓には赤外線や紫外線を99%カットする遮熱・遮光ガラスが使われています。
車両性能も向上し、電力消費量は211系と比べて約35%減となり、環境負荷を減らしています。安全面では、台車枠の溶接箇所を313系(これまでの主力車両)と比べて6割削減しています。さらにJR東海の在来線車両で初めて非常走行用の蓄電装置を搭載し、自然災害などによる停電で架線から電気が取れなくなっても、安全な場所まで自力で走行したり、車内の空調を動かしたりすることが可能です。車両と地上間のデータ通信装置(常時状態監視システム)の導入で車両の異常の予兆を検知し、列車の遅延を防ぐなどの機能もあります。
車内のセキュリティも強化されています。非常通報装置は1両に3台、車内防犯カメラは1両に5台設けました。
■どこを走る?315系 お茶とミカンの車両は引退へ
315系は当面、東海道線の熱海駅と豊橋駅の間を走り、2024年11月から12月頃には、御殿場線や身延線にも投入される予定です。
一方、静岡地区の東海道線を長年走ってきた211系は2024年度末までに姿を消すことになります。211系にはトイレの設備が無かったことから、315系の配備が完了すれば、すべての編成がトイレ付きとなります。211系には緑とオレンジのラインが入り、静岡県民にはお茶とミカンの色の車両として親しまれてきました。
【静岡地区での車両投入の歴史】
1987年 JR東海が発足
1989年 211系 投入開始
1998年 313系1次車 投入開始
2006年 313系3次車 投入開始
2007年 国鉄承継車両の定期運用終了
2022年 313系転配車(名古屋地区→静岡地区)投入開始
2024年 315系 投入開始 静岡放送