私の思いと技術的覚え書き

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原発は裁きなき特権産業なのか

2011-07-01 | 事故と事件
 ジャーナリストの上杉隆氏が、最近生じた「焼肉酒場えびす」で生じた生肉食中毒と福島第1原発での官憲の対応の違いを上げ、「何故、東京地検特捜部は東電本社の家宅捜索をしないのか。」と記しています。そして、「この国では、小さな悪は徹底的に糾弾され、あまりに大きな悪は免責にされるとし、(情報隠蔽などに)国家が加担し、マスコミが黙認した犯罪は、見逃されるのだと。」と記しています。

 まさに、私も含め多くの方がおかしいなと感じ続けてきたたことだと思います。これが、国家機密や国益上の問題を背景にしているのであれば、許せることとは思いませんが、まだ少しは理解できる様にも感じます。しかし、今回の原発事故は東電という一民間企業のことですし、多くの国民に避難を強い、放射能被爆により将来的な高確率での病変への脅威を生み出し、広範囲な放射能汚染により農業、漁業など一次産業生産者に多大な影響を生じさせているのです。

 25年前の旧ソ連におけるチェルノブイリにおける壊滅事故の際、情報の隠蔽は在ったものの、ソ連は国家を上げて、現在の福島以上の避難民を半強制移住させました。また、事故原発の封じ込めに80万人とも伝わる人員を国家として投入し、僅か事故後8ヶ月で石棺と云うコンクリート構造物で放射線を遮蔽(完璧ではない様であるが)したのです。

 これは、旧ソ連のことであるけど、もし米国であっても同等以上の対応が取られたであろうと想像します。しかし、我が国の対応を見ると、東電任せ(つまり東電に責任を押し付ける)という対応が続いており、次々と隠蔽されたデータが公表されたり、対応が後手後手になりつつ、問題解決までの長期化、すなわちより多くの被爆者および汚染地の拡大を生み出しているのです。やはり、絶望的な国家としか思えません。
 


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