テスラ失速! もうどうにも止まらない……販売不振で30万円値下げ! 低価格車EVの投入前倒しへ
4/26(金) 19:30配信 ベストカーWeb
テスラの失速が目立ってきた。2024年1~3月期の販売不振を受けてアメリカ、ドイツ、中国では約30万円値下げされ、日本でもモデル3とモデルYが30万円の値下げが発表された。ねぜ円安なのに値下げできたのか?またモデル3に「パフォーマンス」が追加された。混沌とする今のテスラをレポート。
■EV販売の鈍化の影響で30万円の値下げ
テスラの2024年1~3月期の世界販売台数は前年同期と比べ9%減の38万6810台だった。5%減となった20年4~6月期以来、約4年ぶりにマイナスとなった。主要市場の米国や中国では販売が苦戦したことやドイツ工場が火災などで生産停止したことも響いた。
ちなみにEV世界販売首位となったBYDはどうなのか?中国の1~3月期のEV販売台数は前年同期と比べ13%増の30万114台だった。2023年10~12月期はBYDがテスラを上回ったが、2024年1~3月期はテスラが再びEVの世界販売で首位となった。
テスラは4月19日、北米で値下げを発表、モデルY、モデルX、モデルSの価格をそれぞれ2000ドル(約31万円)引き下げた。欧州最大の市場、ドイツでもモデル3の価格を3000ユーロ(約33万円)引き下げている。
続いて4月21日、中国市場でも4車種の価格を1万4000元(約30万円)値下げした。中国市場では補助金が2023年末に終了したことや景気減速により、欧州および日本車メーカー30社以上の値下げ競争が激化しており、今年も落ち着く気配は見られない状況だ。
そんななか、テスラは4月23日、利益率低下や販売不振に歯止めをかけるため、価格を2万5000ドル(約387万円)という安価なモデルを当初予定の2025年後半から2025年早々に早めることを明らかにしている。ただし、それがモデル2になるのかは明らかにしていない。
ただ、中国メーカーに比べると、テスラの値下げ戦略はまだまだ足りないと言わざるをえない。ちなみにBYDは2024年モデルへの切り替えとともに、ほとんどすべての車種で最大125万円級の大幅値下げし、最安のエントリーモデル、シーガルは5%値下げされ6万9800元(約147万円)という驚異的な価格に設定しており、テスラが今回の値下げで販売が挽回できるか懐疑的だ。
そんななか、テスラジャパンは、日本におけるモデル3とモデルYの価格を書くモデル30万円値下げした。価格は以下の通り。政府のCEV補助金はモデル3ロングレンジAWDが最大85万円だが、そのほかのモデルは65万円。
モデル3 RWD(スタンダードレンジプラス)を例にとると、2019年の発売以来、これまで10数回におよぶ値上げ、値下げが行われてきており、2022年1月時点での価格を見ると479万円、2023年1月の値下げ時では596万4000円→536万9000円(-59万5000円)、2023年5月の値上げ時は536万9000円→540万6000円(+3万7000円)、そして4月24日の値下げは、561万3000円→531万3000円。
さらに過去をさかのぼると、最大の値下げは2020年2月に行われた値下げと思われる。モデル3のスタンダードレンジプラスは、以前は511万円だったが、82万円値下げされて429万円になり、モデル3のロングレンジは、655万2000円から156万2000円値下げされて499万円になった。
最も安かったのは2021年2~4月までの429万円。一番高かったのが2022年6月17日~2023年1月6日までの596万4000円。値下げしたとはいえ、現在の531万3000円は、最安値から見れば102万3000円高い。
ちなみになぜ、空前絶後の円安のなか、値下げできたのか?その要因としては、中国で値下げされたことが大きい。日本への輸入モデル、モデル3とモデルYはギガ上海ファクトリーで生産されていることもあり、追従して日本でも値下げが実施されたと推測される。
■モデル3、モデルYの改定価格
モデル3RWD:561万3000円→531万3000円30万円値下げ
モデル3ロングレンジAWD651万9000円→621万9000円30万円値下げ
モデル3パフォーマンス新規追加725万9000円
モデルYRWD563万7000円→533万7000円30万円値下げ
モデルYロングレンジAWD652万6000→622万6000円30万円値下げ
モデルYパフォーマンス727万9000円→697万9000円30万円値下げ
■CEV補助金額
モデル3 RWD 65万円
モデル3 ロングレンジAWD 85万円
モデル3 パフォーマンス 申請準備中
Model Y RWD 65 万円
Model Y ロングレンジ AWD 65 万円
Model Y パフォーマンス 65 万円
■460ps、100km/h加速3.1秒を誇るモデル3パフォーマンス追加
値下げとともに、今回新たに設定されたモデル3パフォーマンスは、デュアルモーターAWDで、システム最高出力460ps/最大トルク723Nmを発生する次世代パワーユニットを搭載しており、0~100km/h加速はわずか3.1秒、最高速度261km/hとスポーツカー並みのパフォーマンスを誇る。航続距離は610km(自社測定値)
ミリ秒単位で調整可能な新しいサスペンションやドライバーの好みに合わせた前後駆動力配分やトラクション設定など、サーキット走行も十分に楽しめる新しいトラックモードを備えている。
モデル3パフォーマンスのエクステリアデザインは、空力性能を追求したデザインでCd値はわずか0.22。フロントのエアインテークによって生まれるエアカーテンは空気抵抗を低減させるだけでなく、タイヤとブレーキシステムの温度上昇を抑制することもできる。そのほかモデル3パフォーマンス専用の20インチホイールやリアカーボンスポイラーが特徴。
また専用設計されたスポーツシートや、カーボンファイバーインテリアなど、パフォーマンスグレードであることが一目でわかるインテリアとなっている。
価格は725万9000円。CEV補助金は申請中となっている。
4/26(金) 19:30配信 ベストカーWeb
テスラの失速が目立ってきた。2024年1~3月期の販売不振を受けてアメリカ、ドイツ、中国では約30万円値下げされ、日本でもモデル3とモデルYが30万円の値下げが発表された。ねぜ円安なのに値下げできたのか?またモデル3に「パフォーマンス」が追加された。混沌とする今のテスラをレポート。
■EV販売の鈍化の影響で30万円の値下げ
テスラの2024年1~3月期の世界販売台数は前年同期と比べ9%減の38万6810台だった。5%減となった20年4~6月期以来、約4年ぶりにマイナスとなった。主要市場の米国や中国では販売が苦戦したことやドイツ工場が火災などで生産停止したことも響いた。
ちなみにEV世界販売首位となったBYDはどうなのか?中国の1~3月期のEV販売台数は前年同期と比べ13%増の30万114台だった。2023年10~12月期はBYDがテスラを上回ったが、2024年1~3月期はテスラが再びEVの世界販売で首位となった。
テスラは4月19日、北米で値下げを発表、モデルY、モデルX、モデルSの価格をそれぞれ2000ドル(約31万円)引き下げた。欧州最大の市場、ドイツでもモデル3の価格を3000ユーロ(約33万円)引き下げている。
続いて4月21日、中国市場でも4車種の価格を1万4000元(約30万円)値下げした。中国市場では補助金が2023年末に終了したことや景気減速により、欧州および日本車メーカー30社以上の値下げ競争が激化しており、今年も落ち着く気配は見られない状況だ。
そんななか、テスラは4月23日、利益率低下や販売不振に歯止めをかけるため、価格を2万5000ドル(約387万円)という安価なモデルを当初予定の2025年後半から2025年早々に早めることを明らかにしている。ただし、それがモデル2になるのかは明らかにしていない。
ただ、中国メーカーに比べると、テスラの値下げ戦略はまだまだ足りないと言わざるをえない。ちなみにBYDは2024年モデルへの切り替えとともに、ほとんどすべての車種で最大125万円級の大幅値下げし、最安のエントリーモデル、シーガルは5%値下げされ6万9800元(約147万円)という驚異的な価格に設定しており、テスラが今回の値下げで販売が挽回できるか懐疑的だ。
そんななか、テスラジャパンは、日本におけるモデル3とモデルYの価格を書くモデル30万円値下げした。価格は以下の通り。政府のCEV補助金はモデル3ロングレンジAWDが最大85万円だが、そのほかのモデルは65万円。
モデル3 RWD(スタンダードレンジプラス)を例にとると、2019年の発売以来、これまで10数回におよぶ値上げ、値下げが行われてきており、2022年1月時点での価格を見ると479万円、2023年1月の値下げ時では596万4000円→536万9000円(-59万5000円)、2023年5月の値上げ時は536万9000円→540万6000円(+3万7000円)、そして4月24日の値下げは、561万3000円→531万3000円。
さらに過去をさかのぼると、最大の値下げは2020年2月に行われた値下げと思われる。モデル3のスタンダードレンジプラスは、以前は511万円だったが、82万円値下げされて429万円になり、モデル3のロングレンジは、655万2000円から156万2000円値下げされて499万円になった。
最も安かったのは2021年2~4月までの429万円。一番高かったのが2022年6月17日~2023年1月6日までの596万4000円。値下げしたとはいえ、現在の531万3000円は、最安値から見れば102万3000円高い。
ちなみになぜ、空前絶後の円安のなか、値下げできたのか?その要因としては、中国で値下げされたことが大きい。日本への輸入モデル、モデル3とモデルYはギガ上海ファクトリーで生産されていることもあり、追従して日本でも値下げが実施されたと推測される。
■モデル3、モデルYの改定価格
モデル3RWD:561万3000円→531万3000円30万円値下げ
モデル3ロングレンジAWD651万9000円→621万9000円30万円値下げ
モデル3パフォーマンス新規追加725万9000円
モデルYRWD563万7000円→533万7000円30万円値下げ
モデルYロングレンジAWD652万6000→622万6000円30万円値下げ
モデルYパフォーマンス727万9000円→697万9000円30万円値下げ
■CEV補助金額
モデル3 RWD 65万円
モデル3 ロングレンジAWD 85万円
モデル3 パフォーマンス 申請準備中
Model Y RWD 65 万円
Model Y ロングレンジ AWD 65 万円
Model Y パフォーマンス 65 万円
■460ps、100km/h加速3.1秒を誇るモデル3パフォーマンス追加
値下げとともに、今回新たに設定されたモデル3パフォーマンスは、デュアルモーターAWDで、システム最高出力460ps/最大トルク723Nmを発生する次世代パワーユニットを搭載しており、0~100km/h加速はわずか3.1秒、最高速度261km/hとスポーツカー並みのパフォーマンスを誇る。航続距離は610km(自社測定値)
ミリ秒単位で調整可能な新しいサスペンションやドライバーの好みに合わせた前後駆動力配分やトラクション設定など、サーキット走行も十分に楽しめる新しいトラックモードを備えている。
モデル3パフォーマンスのエクステリアデザインは、空力性能を追求したデザインでCd値はわずか0.22。フロントのエアインテークによって生まれるエアカーテンは空気抵抗を低減させるだけでなく、タイヤとブレーキシステムの温度上昇を抑制することもできる。そのほかモデル3パフォーマンス専用の20インチホイールやリアカーボンスポイラーが特徴。
また専用設計されたスポーツシートや、カーボンファイバーインテリアなど、パフォーマンスグレードであることが一目でわかるインテリアとなっている。
価格は725万9000円。CEV補助金は申請中となっている。