安倍謀殺という凶行が生み出した現状と効果

安倍謀殺という凶行が生み出した現状と効果
　2022年のトピックは7月8日の謀殺たる出来事は、現在犯人の山上は精神状態を鑑定するためだとして、11月29日まで大阪拘置所に鑑定留置されていると伝わる。

　しかし、この事件が世間一般人に与えた影響は些細なものと思えるが、その後の主に与党政治屋と主教法人たる統一教会とのこれほどの黒い関係が次々と明るみに出て、いわゆる与党政治家を主対象とした政治不信が高まった。また、国葬問題で明らかに反対者多数でありながら強行されたこと、しかし先進国首脳（Ｇ７）の元首級は一人として参加しなかったことな、与党自民に与えたカウンターたる破壊力は並々ならぬものがあると思える。

　また、事件後に東京地検が東京五輪の収賄疑惑で捜査を始め、とりあえず五輪理事の高橋を例の人質司法で押さえ続けて、同事件の政界への拡大も予想されうる検察リークがなされている様だが、これも主に対象となる政治屋は自民ということになるのだろう。

　それと、書き添えておかねばならないもんだとして、現首相の岸田だが、頼りがいはあ未知だが、それなりの正義感とか真面目さはあるだろうと国民は期待していたと思う。ところが、今次の謀殺以後の、様々な出来事において、まるで意志薄弱であり、壊れたレコードではないが「丁寧に説明する」もしくは「したい」というはじから、「してきたところ」と狡い性格までも露呈させてしまい、もう既に政権内でのボスたる統制力は相当に低下しているのが見えてきた。

　阿部謀殺後、山上のＳＮＳなどでの自己意思がいくらか公表されているが、本来の憎むべき対象は宗教法人の教祖もしくは幹部なのだろうが、それは困難として阿部を狙い、その反射効果狙ったごとくの文意があったと思う。そういう意味では、この謀殺事件での山上の狙いは、おそらく山上が想像していたより、高い成果を与えているのだと思える。

　しかも、今回の謀殺は明らかな犯罪であり、いずれ山上には相応の罰として断罪されるのだろうが、山上がなした効果は、一般国民に対し一切の危害を加えるものでなく、むしろ潜在していた悪を追い出し目に見える形にしたという良い面しかない様に見えてしまう。

　この山上への評価は、およそ100年後の歴史教科書にはどう記されるのか、その間にも各論評家が様々な評価を記していくことになるのだろう。

＃凶行が生み出した現状と効果