デファレンシャル・ギヤ(以下デフと記す)は、前に記したファイナル・ギヤと一体で組み付けられる機構で、左右駆動輪n回転差をを吸収する機構です。また、フルタイム式4WD車の場合は、前後軸間にセンターデフという第3番目のデフを持ちます。
もし、このデフ機構がない場合のクルマを運転しますと、高速コーナーではまったく問題はないですが、交差点を曲がったりする大舵角のコーナー(タイトコーナー)において、左右輪の回転差から生じるアン・スムーズネスさを生じてしまいます。つまり走行に抵抗が掛かるような現象、これをタイトコーナー・ブレーキング現象と云いますが生じてしまうのです。ちなみ、鉄道車両の左右輪は車軸で直結されていますが、車輪踏面(とうめん)をテーパー状に傾斜させることにより、カーブ外側輪を大径に、内側輪を小径にして、回転差を吸収しています。
クルマのデフ機構は、左右の駆動輪に直結するサイド・ベベル・ギヤと、これに直交して噛み合うベベル・ピニオン・ギヤ(2ヶもしくは4ヶ)によって構成されます。直進時は、ピニオンに伝えられた駆動力は、左右のサイドギヤに均等に分割されます。しかし、左右駆動輪に回転差が生じると、ピニオン・ギア自体が公転しることで、回転差が吸収される仕組みです。
ところで、この有意なデフ機構ですが、駆動輪の片側の接地が失われるなどして空転してしまうと、反対側の接地した駆動輪にもトルクが伝達されなくなるという欠点を持っています。特にフルタイム式4WD車の場合におけるセンターデフは、4輪の内の1輪でも空転すると、すべての駆動力が失われてしまうということで、何らかの作動制限機構が必用になってきます。
作動制限機構(リミテッド・スリップ・デフ:LSD)としては、トルク感応式、回転数感応式、アクティブ制御式などがある様です。数十年前から一般的だったLSDはトルク感応の機械式で、左右駆動輪のトルク差が生じると、デフ内のサイドギヤがデフケースに押し付けられ、間に挿入されたクラッチ板により摩擦力を生じて作動制限を行うというものでした。近年は、トルセン式(トヨタ系列のジェイテクト社のパテント商品)などは、デフ内で組み合わされたギヤの歯面に働く圧力により作動制限を行うものも増えています。
また、回転数感応式の代表的なものとして、ビスカス式(ドイツ・ビスコドライブ社のパテント商品)では、多板クラッチ内に封入されたシリコン・オイルの持つ粘性により、回転差が生じると剪断力が働き作動制限を行うものです。私見も含めてですが、この方式は作動制限の過渡的特性がマイルドなこともあり、フルタイム式4WDのセンターデフだとか、スポーツ系のFF車のフロントデフなどに多く採用される方式だと感じます。FF車の場合、作動制限の過渡特性が急激なLSDでは、ステアリング反力の急変など弊害が出て来ますので、好んで使用されるのだと思います。
最後にアクティブ制御式ですが、別途のセンサーや制御ECUと油圧装置により、作動制限用クラッチ板に作用する油圧を変化させて作動制限を行うものです。中には、旋回内側輪より外側輪の回転速度を積極的に増速させる様制御し、車両のヨー(Z軸廻りの回転)を制御しようと意図したものもあります。
補足として記しますが、レーシング・フィールドでは、LSDは必須の機能です。旋回時は遠心力により旋回外側輪の過重は増加し、反対に内側輪は過重が減ります。従って、車輪は接地していても旋回後半の加速時において、LSDなしでは旋回時の内側輪が空転してしまい、駆動力は失われてしまいます。なお、F1などのデモンストレーションとして、その場で白煙を上げつつコマの様に車両を回転させることが行われることがあります。これは市販車においてもLSD付きの後輪駆動車であれば、ステアリングを左右どちらかに一杯切り、スロットル全開にすれば簡単に再現されることです。
もし、このデフ機構がない場合のクルマを運転しますと、高速コーナーではまったく問題はないですが、交差点を曲がったりする大舵角のコーナー(タイトコーナー)において、左右輪の回転差から生じるアン・スムーズネスさを生じてしまいます。つまり走行に抵抗が掛かるような現象、これをタイトコーナー・ブレーキング現象と云いますが生じてしまうのです。ちなみ、鉄道車両の左右輪は車軸で直結されていますが、車輪踏面(とうめん)をテーパー状に傾斜させることにより、カーブ外側輪を大径に、内側輪を小径にして、回転差を吸収しています。
クルマのデフ機構は、左右の駆動輪に直結するサイド・ベベル・ギヤと、これに直交して噛み合うベベル・ピニオン・ギヤ(2ヶもしくは4ヶ)によって構成されます。直進時は、ピニオンに伝えられた駆動力は、左右のサイドギヤに均等に分割されます。しかし、左右駆動輪に回転差が生じると、ピニオン・ギア自体が公転しることで、回転差が吸収される仕組みです。
ところで、この有意なデフ機構ですが、駆動輪の片側の接地が失われるなどして空転してしまうと、反対側の接地した駆動輪にもトルクが伝達されなくなるという欠点を持っています。特にフルタイム式4WD車の場合におけるセンターデフは、4輪の内の1輪でも空転すると、すべての駆動力が失われてしまうということで、何らかの作動制限機構が必用になってきます。
作動制限機構(リミテッド・スリップ・デフ:LSD)としては、トルク感応式、回転数感応式、アクティブ制御式などがある様です。数十年前から一般的だったLSDはトルク感応の機械式で、左右駆動輪のトルク差が生じると、デフ内のサイドギヤがデフケースに押し付けられ、間に挿入されたクラッチ板により摩擦力を生じて作動制限を行うというものでした。近年は、トルセン式(トヨタ系列のジェイテクト社のパテント商品)などは、デフ内で組み合わされたギヤの歯面に働く圧力により作動制限を行うものも増えています。
また、回転数感応式の代表的なものとして、ビスカス式(ドイツ・ビスコドライブ社のパテント商品)では、多板クラッチ内に封入されたシリコン・オイルの持つ粘性により、回転差が生じると剪断力が働き作動制限を行うものです。私見も含めてですが、この方式は作動制限の過渡的特性がマイルドなこともあり、フルタイム式4WDのセンターデフだとか、スポーツ系のFF車のフロントデフなどに多く採用される方式だと感じます。FF車の場合、作動制限の過渡特性が急激なLSDでは、ステアリング反力の急変など弊害が出て来ますので、好んで使用されるのだと思います。
最後にアクティブ制御式ですが、別途のセンサーや制御ECUと油圧装置により、作動制限用クラッチ板に作用する油圧を変化させて作動制限を行うものです。中には、旋回内側輪より外側輪の回転速度を積極的に増速させる様制御し、車両のヨー(Z軸廻りの回転)を制御しようと意図したものもあります。
補足として記しますが、レーシング・フィールドでは、LSDは必須の機能です。旋回時は遠心力により旋回外側輪の過重は増加し、反対に内側輪は過重が減ります。従って、車輪は接地していても旋回後半の加速時において、LSDなしでは旋回時の内側輪が空転してしまい、駆動力は失われてしまいます。なお、F1などのデモンストレーションとして、その場で白煙を上げつつコマの様に車両を回転させることが行われることがあります。これは市販車においてもLSD付きの後輪駆動車であれば、ステアリングを左右どちらかに一杯切り、スロットル全開にすれば簡単に再現されることです。