私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

放射線防護服のこと

2011-03-17 | 事故と事件
 放射線防護服という言葉が出てきますが、素人ながら知る範囲のことをちょっと記してみます。これは、単に全身を覆うビニール製の雨合羽で、呼吸のためのフィルターが付いただけのものです。放射線の透過をを防ぐ効果は皆無の代物です。
 ただ、放射線のチリの付着や体内への吸い込みは防げます。例え放射能値が小さくとも、体内に吸い込んだり、肌に密着したりして時間を経ると、局所的な体細胞へのダメージとその拡大は恐ろしいものとなるからです。
 ところで、事故でなくても原発の日常の検査やトラブルにおいて、原子炉圧力容器(肉厚15cm程度の鋼鉄製)を、さらに包み込む格納容器(厚さ数メートルとも聞くコンクリート製)の中には、人間が入って作業しているのです。そんな危険区域は遠隔操作やロボットで行っていると思っている方も居るかもしれませんが、とんでもない話なのです。
 当然、作業は先の放射線透過には効果のない防護服なりを着用しますが、数分~数十分単位の時間で作業を区切り、一定期間毎の総放射線総量を管理しつつ行っている訳です。
 しかし、この作業員については、暗い話も聞かれます。電力会社の社員ももちろん指揮のために危険区域に入りますが、多くの作業員は下請けで、二次どころか三次以下の手配師みたいな方に使われている場合もある様な話を聞きます。 そんな風にして成立しているのが、現実の原子力発電所なのです。



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