Net情報で知った米国の戦略爆撃機であるB52のことを、メカ好き素人のたわ言として記して見たい。
B52は1955年に運用開始され、現在でも80機弱ほどが実戦配備さている。先頃の報で、エンジン換装などの予算計上がなされ、2050年まで運用が続けられる見通しとのことを知り驚くのだ。民需関係でも、鉄道車両などで50年近い運用を知り驚くことがある。しかし、今回のB52は兵器であり、民需よりコストの枠は広いだろうし、兵器は時代の最先端を行くテクノロジーの塊というのが認識だから、驚きも倍増するのだ。まあ、このB52と同時期頃の戦闘機でF4ファントムというのがあるが、本家では退役している様だが日本を始め運用し続けている国は結構ある。これも、現時点で50年近い運用期間となる。
建物、橋、トンネルなどの構造物なら適度なメンテにより100年を超える運用は多々あるだろう。しかし、動力を与えて動く機械となると、通常100年に達する寿命を持つものは少ないと想像できる。それは、車両にしても航空機にしても、その筐体に加え続けられる応力に対する疲労の問題が生じてくるからだろう。一般に構造物(医薬品なども含まれる)などは、安全率という概念が存在する。その目的によって異なるが、構造物が持つ耐えうる応力を、実際に受けると見積もられる応力の5倍とか10倍とかと、かなり余裕を持たせるという設計概念だ。ところが、航空(宇宙産業も含む)の場合、ここまでの大きな安全率を確保すると飛べなくなってしまうので、1.2倍とかの低い安全率で設計するらしい。その代わり、計画定期的な点検を欠かさず、大規模点検では徹底的な分解を行い、点検と不良部品の交換などを行う。これは、自動車の車検整備などとは、まるで異なる高レベルのもので、例えが妥当か判らぬが、古いクルマのフルレストアするというものに近いかもしれない。
それでも、B52も筐体の多くをアルミ合金(ジュラルミン含む)で作られ、それをリベット接合したモノコック構造であろうから、恐らく数万(数十万か)の数を超すリベット接合のすべて切り離し分解するまでの点検修理はできぬであろう。航空機に詳しい訳ではないが、軍用機であり大きなウェポンベイ(爆弾倉)を持つ中で1万m以上の高空を飛ぶが、与圧はしないのであろう。その点では、今まで旅客機で生じてきた与圧絡みの金属疲労からは逃れられるのかもしれぬ。
B52は当初のAからHまで、様々な改良が続けられて来た様だ。しかし、最終B52Hでも1960年だから、未だマイクロプロセッサーは実用化されておらず、現代の航空機が当然のごとく装備しているバイワイヤ制御など様々なデジタル制御技術は皆無だったろう。だいたい、GPSの導入以前の航空機に必須となる自立航法の要となるジャイロスコープも、機械的なもの(現在はさらに高精度なリングレーザージャイロ等)であろう。レーダーなどの装備は当然あるが、真空管方式の純アナログ回路によるものだろう。この辺りの電子装備のことをアビオニクスと呼ぶらしいが、同じH型でも相当に手を入れ、現代兵器としてのマッチング化を図って来たことだろう。
wikでスペック表をB747と比べると、離陸重量はB52のは最大なのか判らないが約220トン、B747が440トンだ。ジェットエンジン推力総計はB52が約76×8=608kN、B747(最終型)が280kN×4=1,120kNとなる。今回のエンジン換装による延命改良は、8機のエンジンを4機に減じる様だが、それでもB747の例を見ても大幅なパワーアップとなる。たぶん、熱効率も相当に向上しているので、消費燃料も少なくて済むのだろう。ちなみにB52の搭載燃料は約180kLの様だが、これはトレーラ型ローリー7台分相当の容量だと知ると素人としては驚いてしまう。
※写真はすべてB52だが、1枚目は、B52と搭載の爆弾およびミサイルの例だろうが凄い数だ。2枚目はコックピット計器板の後期のもの。3枚目は初期のもの。後期でマルチインフォメーションデスプレイ化されているが、LCDでなくCRTというのが時代を感じさせる。また、中央のクルマで云えばシフトレバーに当たるレバーがスロットルレバーだが8本並んでいる。
B52は1955年に運用開始され、現在でも80機弱ほどが実戦配備さている。先頃の報で、エンジン換装などの予算計上がなされ、2050年まで運用が続けられる見通しとのことを知り驚くのだ。民需関係でも、鉄道車両などで50年近い運用を知り驚くことがある。しかし、今回のB52は兵器であり、民需よりコストの枠は広いだろうし、兵器は時代の最先端を行くテクノロジーの塊というのが認識だから、驚きも倍増するのだ。まあ、このB52と同時期頃の戦闘機でF4ファントムというのがあるが、本家では退役している様だが日本を始め運用し続けている国は結構ある。これも、現時点で50年近い運用期間となる。
建物、橋、トンネルなどの構造物なら適度なメンテにより100年を超える運用は多々あるだろう。しかし、動力を与えて動く機械となると、通常100年に達する寿命を持つものは少ないと想像できる。それは、車両にしても航空機にしても、その筐体に加え続けられる応力に対する疲労の問題が生じてくるからだろう。一般に構造物(医薬品なども含まれる)などは、安全率という概念が存在する。その目的によって異なるが、構造物が持つ耐えうる応力を、実際に受けると見積もられる応力の5倍とか10倍とかと、かなり余裕を持たせるという設計概念だ。ところが、航空(宇宙産業も含む)の場合、ここまでの大きな安全率を確保すると飛べなくなってしまうので、1.2倍とかの低い安全率で設計するらしい。その代わり、計画定期的な点検を欠かさず、大規模点検では徹底的な分解を行い、点検と不良部品の交換などを行う。これは、自動車の車検整備などとは、まるで異なる高レベルのもので、例えが妥当か判らぬが、古いクルマのフルレストアするというものに近いかもしれない。
それでも、B52も筐体の多くをアルミ合金(ジュラルミン含む)で作られ、それをリベット接合したモノコック構造であろうから、恐らく数万(数十万か)の数を超すリベット接合のすべて切り離し分解するまでの点検修理はできぬであろう。航空機に詳しい訳ではないが、軍用機であり大きなウェポンベイ(爆弾倉)を持つ中で1万m以上の高空を飛ぶが、与圧はしないのであろう。その点では、今まで旅客機で生じてきた与圧絡みの金属疲労からは逃れられるのかもしれぬ。
B52は当初のAからHまで、様々な改良が続けられて来た様だ。しかし、最終B52Hでも1960年だから、未だマイクロプロセッサーは実用化されておらず、現代の航空機が当然のごとく装備しているバイワイヤ制御など様々なデジタル制御技術は皆無だったろう。だいたい、GPSの導入以前の航空機に必須となる自立航法の要となるジャイロスコープも、機械的なもの(現在はさらに高精度なリングレーザージャイロ等)であろう。レーダーなどの装備は当然あるが、真空管方式の純アナログ回路によるものだろう。この辺りの電子装備のことをアビオニクスと呼ぶらしいが、同じH型でも相当に手を入れ、現代兵器としてのマッチング化を図って来たことだろう。
wikでスペック表をB747と比べると、離陸重量はB52のは最大なのか判らないが約220トン、B747が440トンだ。ジェットエンジン推力総計はB52が約76×8=608kN、B747(最終型)が280kN×4=1,120kNとなる。今回のエンジン換装による延命改良は、8機のエンジンを4機に減じる様だが、それでもB747の例を見ても大幅なパワーアップとなる。たぶん、熱効率も相当に向上しているので、消費燃料も少なくて済むのだろう。ちなみにB52の搭載燃料は約180kLの様だが、これはトレーラ型ローリー7台分相当の容量だと知ると素人としては驚いてしまう。
※写真はすべてB52だが、1枚目は、B52と搭載の爆弾およびミサイルの例だろうが凄い数だ。2枚目はコックピット計器板の後期のもの。3枚目は初期のもの。後期でマルチインフォメーションデスプレイ化されているが、LCDでなくCRTというのが時代を感じさせる。また、中央のクルマで云えばシフトレバーに当たるレバーがスロットルレバーだが8本並んでいる。