私の思いと技術的覚え書き

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三たび、トヨタディーラー不正車検を考える

2021-09-24 | 問題提起
三たび、トヨタディーラー不正車検を考える
 今年になって、現在のところトヨタディーラーの不正車検が摘発されており、今後他メーカーディーラーやフランチャイズ系の短時間車検工場でも類似の問題が出て来る可能性を予想している。

 この検査不正の問題は、新車メーカーにおける完成検査の不正が、数年前に日産、スバル、スズキなどで、発覚したことがあるのだが、当該検査を行う検査員の法的な立て付けとしては、継続検査における民間車検(指定工場における検査)と同じと云って良いだろう。つまり、当該検査は、国が行う検査を、国に代わって行うというもので、俗に検査員のことを見なし公務員とも云われるゆえんなのだ。

 従って、検査員は、単なるチェッカーという訳でなく、国に成り代わって、検査を代行し、法に照らして合否を判定しなければならないと云う法的な扱いになっている。

 よって、例え民間会社と云えども、こと検査の問題については、企業の上位職者からどんな示唆を受けようとも、法に照らして公正にジャッジすることが求められている。つまり、検査員は、例え企業の方針などに反したとしても、そのことを通告しなければならないし、その予兆として、危険が見込まれれば、意見を述べ、不正が行われることを防ぐ義務を負っている。

 しかし、新車の完成検査にしても、今回の継続検査にしても、不正が継続して行われていたということは、ある意味で民間における検査の妥当性の限界を露呈したとも云える様にも思う。

 これについては、社内の風通しを良くするとか、管理者が検査員の活動を気にするみたいな、あいまいなことを記しているが(レクサス高輪の謝罪文)、私がみることろ、故意にことの本質をぼかし欺瞞の文章としてしか見えない。本質は、検査員の発言なり意志を、どうしたら反映出来るかに掛かっており、それを前提に企業の車検制度の適用を公正化すべき問題なのではないだろうか。

 それと、今次トヨタディーラーが連続3件続いた訳だが、これは最初のネッツトヨタ愛知の短時間車検に根源的な者があると認識した国交省支局では、同じくトヨタ系ディーラーの短時間車検を行っている工場を集中的に監査したことにあるのだろう。なお、従前記しているが、この短時間車検はトヨタ系ディーラーに限らず、他メーカーテディーラーやフランチャイズ系の一般民間車検工場でも行っているので、現在そこも含めて監査が行われているのだろう。

 もう一つ、これは憶測の域をでない想像の話しだが、新車の完成検査不正で、実質世界最大のカーメーカーたるトヨタ自動車が上げられなかったということを不自然とも思える。同社は、他メーカーに先んじて、最大効率、利益最大化とは云ってはいないが、実態はそうである思考を持って事業を伸ばして来た日本最大の企業だ。何か事件でもあれば別だが、ここに司直の手が入ることもそうだが、批判するメインストリームメディアもないと云うキングメーカーとなっていることが、トヨタに不正がなかったという結論に導いている可能性もあると思える。

 ちょっと話しが拡大してしまうが、損害保険における損害調査活動というのは、損保は公共事業ではないが、広く善良な契約を募集し、その契約約款(やっかん)に基づいて、公正・公平に、保険の適用(不正事案の排除)や損害の認容を行うことが求められている。その様な観点では、営利企業ではあるが、公共的な側面も多分に含む事業を行っていると認識している。

 しかし、ともすると、損保調査員(アジャスターと呼ぶ)のことを、値切り屋などと呼ばれることもあるが、決してそうであってはならず、約款に沿って、公正・公平という理念でジャッジして行くのが損保調査員だと信じているのだが、残念ながら必ずしもそうでない場合も見られることを、元損保調査員としては無念とも感じる。




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