行政官庁等で結論を先送りするという弊害が喧伝されているますが、このことは民間企業でもまったく同様のことだと感じられます。如何に自己責任を負わないように問題を先送りできるかという能力が、サラリーマンの出世のため第一義に求められるものだと思います。
我が国では、高度経済成長が終わった1970年頃以降、その傾向が強まり、バブル崩壊以降の低成長時代に至り、その傾向は加速しているのだと思います。
社内規則を強め、例え規則にも反しない企業に対する前向きの発言であっても、権力者を否定するものであった場合は、秩序を乱した等として、不当な転勤や不当な評価を行い冷遇を強め、本人の辞職願いを促します。
そして、経営者等の組織のリーダー達は、決して自らは責任を取らないくせに、自己責任等と言って、末端を締め上げるのです。こんな組織に所属する従業員達は、怯え萎縮し、精々が酒飲み話で愚痴る程度しか出来やしません。
何処かの首相が言う様に、今やミゾウユウ(未曾有)の世界的な経済不況が起きた訳ですから、こんな状況はますます加速して行くのでしょう。
こんな一部の権力者等の既得権者のみが幸福を維持し、大多数の人々が不幸になって行く現状に未来はあるのでしょうか。きっとこの様な状況が続く中では、新しい発想というものも生まれ難いものだと思います。
私は、この様な現象が生じた要因として、今や組織体においてリーダーとして多く存在する、今や定年を迎えたか迎えつつある、いわゆる団塊の世代から私位までの年齢層の、特に大卒等の知識階層者に、言うべきことを言わないヘタレ者が多いからかもしれないと感じたりします。
でも、私は未来に絶望はしていません。こんな状況が何時までも続けば、優秀な人材は流動化するでしょうし、組織をスピンアウトし自らが理想とする新しい組織を作って行くのであろうと思います。望むらくは、今や我が国の労働人口に占める80%は給与所得者(サラリーマン)である訳ですが、大企業優先の政策を改め、中・小零細企業を優遇し、自営業を増やしていくことが、この閉塞状況を脱却するために必要なことだと思うのです。