町田消防署に突っ込む・歩行者死亡
6/5午後4時頃の事故だと云うが、町田市消防署の対面にある商店(クリエイトSD)の出入り口より出ようとした車両が、暴走しつつ20m程先の消防署壁面に衝突して止まった。
暴走の原因は、ブレーキとアクセルの踏み間違いと被疑者は述べている様だが、この踏み間違いの事故は多発しているのだが、そもそもの端緒はブレーキを踏んで減速もしくは停止しようとすることにある。ここでアクセルを誤踏みつけするのだが、本人は誤踏みつけと意識はないので、さらに強くブレーキを踏む意識でアクセルを全開にすることで生じるのだ。この事故は、単なる勘違いで自分はしないなどと自信を持つ者がいるかもしれないが、年齢に関係なく誰でも起こす可能性があるものだ。
このペダル誤踏みつけを認識するのは、ある程度タイムラグを生じるが、加齢によりそのラグは大きくなることで、高齢者の事故が目立つが、実際のところ若い運転手でも誤踏みつけして、あわやというところで、ペダルを踏み直して事故まで至らず済んでいる可能性があると想像している。このことは、筆者は従前から繰り返しているが、意図せぬ暴走(加速)が生じたら、遊んでいる左足でブレーキを踏むという教育と訓練が大事と云うことを自動車啓蒙団体などに述べているのだが、今一つその受け取り方への反応はない。
今回の暴走は、当該消防書の道路を挟んだ正面に位置するクリエイトSD出口より出ようとした事故車が、当然道路入口で一旦停止しようとブレーキを掛けようと足を掛けたのがアクセルペダルだったということだろう。この出入り口と消防署壁面は、約20mの間隔があるが、全開加速においては5秒以下で速度は40km/h程度には達しそうだ。出入り口から見ると、真正面でなく、やや(5mほどか)右に曲がる様に、そして最終的な停止姿勢も壁に対して斜め45度程に傾いているが、これは道路右側へ出ようと右にハンドルを切っていたのが主因だと思える。
この暴走で、歩道上にいた被害者を跳ね飛ばし死亡させ、パイプ組みのフェンスを変型破壊させ、消防署の掲示板パネルを倒壊し、2本立つ銀色(おそらくステン製)の旗竿(高さ10m程)の1本を倒壊させた上で、消防署壁面に斜め45度程度で突っ込んでいる。
ここで、やや不思議に思うのがステン製と想像させる高さ10m程の旗竿の倒壊だが、通常標識柱でも電柱でも同じだが、下部を地中(コンクリート土台)に埋め込み固定され、地表表面のマス(重量)がそれなりに大きい訳で、押し倒す場合と断裂させて衝突車側に反力で倒れる場合があるのだが、今回は後者の形態なのだろう。ただ、断裂させたポール端部が、消防署の窓ガラスを突き破って端部が見えないまでに至っていると云うことは、衝突時の力でせん断する様に断裂し端部が前方にすっ飛んだと思えるのだが、ポール素材の特性とか板厚に理由がありそうに思える。つまり標識柱などの比較的軟鋼であれば粘りがあるので座屈変型して断裂する前に押し倒される訳だが、ステン材で比較的薄板ということで、固いが脆性破壊が生じることで、座屈という変型でなく、せん断という破壊に至ったと工学的には想像できる。
類似例は、現代車では破壊強度を高めるためにサイドフレームなどの強度部材に高張力鋼が使用されるが、従来の普通鋼だと相当座屈しても亀裂までは生じることは少ないが、昨今車の場合は大きな座屈部に合わせて裂けが生じている場合を見ることがある。例えばトラックフレームの様に比強度を高めたい場合、高張力鋼が使用されるが、この場合でもいたずらに超高張力だけを採用はしない。つまり、素材にそれなりの靱性というが粘りがあって、亀裂を生む様なまでの超高張力鋼は使用しないし、ステン材の様な固いが靱性の劣る素材を利用することはない。今回の旗竿では、そもそもさほどに比強度が要求されず、長期間の美観の維持を優先するための薄肉ステン材の採用というのが、今回の破壊の仕方であろう。
まとめとして記したいが、この事故車はスバルフォレスターという車種だが、フロントウインド上部に2眼式のステレオカメラを持つ、同社が自慢する「アイサイト」と呼ぶ衝突被害軽減ブレーキが装着されているが、その機能はまったく発揮なされたとは思えない。この辺りのレベル2自動運転相当機能だが、メーカーでは取説などで必ずしも機能が発揮できない場合もあると小さく表記しているのだが、歩行者とかフェンスは認識できなくても、大型掲示板とか消防署の壁面を認識できないとは、あまりに情けない性能なのではないだろうか。
これに関連して、事業用自動車(緑ナンバー車)は、重大事故(死亡、重傷、走行不能事故など)が生じた場合、運輸企業(ほぼ中小零細企業)に対し、30日以内に事故報告を義務付けている。しかし、現象だとADAS(先進安全装備車)は、既に新車の装備が義務付けられているが、これが関与する事故が起きた場合の車両製造車(メーカー)の事故報告を何ら義務付けていない。米国ではNHTSA(米運輸省相当)では、ADAS関連の事故の原因報告を義務付けているが、大企業たる車両メーカーには報告を義務付け、改善を促すことが重要ではないだろうか。
----------------------------------------------------------------------------
町田消防署に白い車突っ込む 歩行者が巻き込まれ死亡
FNNプライムオンライン 2023年6月5日 月曜 午後7:02
花壇を乗り越え、消防署の外壁に突っ込むようにして止まった白い乗用車。
運転席のドアは開き、ボンネットの上で横になった長いポールが、建物のガラスを突き破っているのが確認できる。
「乗用車が歩道に乗り上げた。けが人が2人、うち1人が心肺停止」と消防に通報が寄せられたのは、5日午後4時半前のことだった。
車が突っ込んだのは、東京・町田市にある町田消防署。
乗用車は車道から歩道に乗り上げたあと、歩行者をはね、そのまま消防署の外壁に突っ込んだとみられている。
歩道を歩いていた70代の男性が事故に巻き込まれ、心肺停止の状態で病院に搬送されたが、死亡が確認された。
また、乗用車を運転していた高齢男性がけがをしたが、命に別条はないという。
事故は、なぜ起きたのだろうか。
警視庁は、乗用車を運転していた男性がブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性があるとみて、事故のくわしい原因を調べている。※死亡した男性の年齢については、その後「60代くらい」と発表された。
6/5午後4時頃の事故だと云うが、町田市消防署の対面にある商店(クリエイトSD)の出入り口より出ようとした車両が、暴走しつつ20m程先の消防署壁面に衝突して止まった。
暴走の原因は、ブレーキとアクセルの踏み間違いと被疑者は述べている様だが、この踏み間違いの事故は多発しているのだが、そもそもの端緒はブレーキを踏んで減速もしくは停止しようとすることにある。ここでアクセルを誤踏みつけするのだが、本人は誤踏みつけと意識はないので、さらに強くブレーキを踏む意識でアクセルを全開にすることで生じるのだ。この事故は、単なる勘違いで自分はしないなどと自信を持つ者がいるかもしれないが、年齢に関係なく誰でも起こす可能性があるものだ。
このペダル誤踏みつけを認識するのは、ある程度タイムラグを生じるが、加齢によりそのラグは大きくなることで、高齢者の事故が目立つが、実際のところ若い運転手でも誤踏みつけして、あわやというところで、ペダルを踏み直して事故まで至らず済んでいる可能性があると想像している。このことは、筆者は従前から繰り返しているが、意図せぬ暴走(加速)が生じたら、遊んでいる左足でブレーキを踏むという教育と訓練が大事と云うことを自動車啓蒙団体などに述べているのだが、今一つその受け取り方への反応はない。
今回の暴走は、当該消防書の道路を挟んだ正面に位置するクリエイトSD出口より出ようとした事故車が、当然道路入口で一旦停止しようとブレーキを掛けようと足を掛けたのがアクセルペダルだったということだろう。この出入り口と消防署壁面は、約20mの間隔があるが、全開加速においては5秒以下で速度は40km/h程度には達しそうだ。出入り口から見ると、真正面でなく、やや(5mほどか)右に曲がる様に、そして最終的な停止姿勢も壁に対して斜め45度程に傾いているが、これは道路右側へ出ようと右にハンドルを切っていたのが主因だと思える。
この暴走で、歩道上にいた被害者を跳ね飛ばし死亡させ、パイプ組みのフェンスを変型破壊させ、消防署の掲示板パネルを倒壊し、2本立つ銀色(おそらくステン製)の旗竿(高さ10m程)の1本を倒壊させた上で、消防署壁面に斜め45度程度で突っ込んでいる。
ここで、やや不思議に思うのがステン製と想像させる高さ10m程の旗竿の倒壊だが、通常標識柱でも電柱でも同じだが、下部を地中(コンクリート土台)に埋め込み固定され、地表表面のマス(重量)がそれなりに大きい訳で、押し倒す場合と断裂させて衝突車側に反力で倒れる場合があるのだが、今回は後者の形態なのだろう。ただ、断裂させたポール端部が、消防署の窓ガラスを突き破って端部が見えないまでに至っていると云うことは、衝突時の力でせん断する様に断裂し端部が前方にすっ飛んだと思えるのだが、ポール素材の特性とか板厚に理由がありそうに思える。つまり標識柱などの比較的軟鋼であれば粘りがあるので座屈変型して断裂する前に押し倒される訳だが、ステン材で比較的薄板ということで、固いが脆性破壊が生じることで、座屈という変型でなく、せん断という破壊に至ったと工学的には想像できる。
類似例は、現代車では破壊強度を高めるためにサイドフレームなどの強度部材に高張力鋼が使用されるが、従来の普通鋼だと相当座屈しても亀裂までは生じることは少ないが、昨今車の場合は大きな座屈部に合わせて裂けが生じている場合を見ることがある。例えばトラックフレームの様に比強度を高めたい場合、高張力鋼が使用されるが、この場合でもいたずらに超高張力だけを採用はしない。つまり、素材にそれなりの靱性というが粘りがあって、亀裂を生む様なまでの超高張力鋼は使用しないし、ステン材の様な固いが靱性の劣る素材を利用することはない。今回の旗竿では、そもそもさほどに比強度が要求されず、長期間の美観の維持を優先するための薄肉ステン材の採用というのが、今回の破壊の仕方であろう。
まとめとして記したいが、この事故車はスバルフォレスターという車種だが、フロントウインド上部に2眼式のステレオカメラを持つ、同社が自慢する「アイサイト」と呼ぶ衝突被害軽減ブレーキが装着されているが、その機能はまったく発揮なされたとは思えない。この辺りのレベル2自動運転相当機能だが、メーカーでは取説などで必ずしも機能が発揮できない場合もあると小さく表記しているのだが、歩行者とかフェンスは認識できなくても、大型掲示板とか消防署の壁面を認識できないとは、あまりに情けない性能なのではないだろうか。
これに関連して、事業用自動車(緑ナンバー車)は、重大事故(死亡、重傷、走行不能事故など)が生じた場合、運輸企業(ほぼ中小零細企業)に対し、30日以内に事故報告を義務付けている。しかし、現象だとADAS(先進安全装備車)は、既に新車の装備が義務付けられているが、これが関与する事故が起きた場合の車両製造車(メーカー)の事故報告を何ら義務付けていない。米国ではNHTSA(米運輸省相当)では、ADAS関連の事故の原因報告を義務付けているが、大企業たる車両メーカーには報告を義務付け、改善を促すことが重要ではないだろうか。
----------------------------------------------------------------------------
町田消防署に白い車突っ込む 歩行者が巻き込まれ死亡
FNNプライムオンライン 2023年6月5日 月曜 午後7:02
花壇を乗り越え、消防署の外壁に突っ込むようにして止まった白い乗用車。
運転席のドアは開き、ボンネットの上で横になった長いポールが、建物のガラスを突き破っているのが確認できる。
「乗用車が歩道に乗り上げた。けが人が2人、うち1人が心肺停止」と消防に通報が寄せられたのは、5日午後4時半前のことだった。
車が突っ込んだのは、東京・町田市にある町田消防署。
乗用車は車道から歩道に乗り上げたあと、歩行者をはね、そのまま消防署の外壁に突っ込んだとみられている。
歩道を歩いていた70代の男性が事故に巻き込まれ、心肺停止の状態で病院に搬送されたが、死亡が確認された。
また、乗用車を運転していた高齢男性がけがをしたが、命に別条はないという。
事故は、なぜ起きたのだろうか。
警視庁は、乗用車を運転していた男性がブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性があるとみて、事故のくわしい原因を調べている。※死亡した男性の年齢については、その後「60代くらい」と発表された。