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北海道白老町・バス単独事故で起訴されたが無罪判決の該当者が国賠認容される

2022-01-26 | 事故と事件
北海道白老町・バス単独事故で起訴されたが無罪判決の該当者が国賠認容される
 この事件は、過去から非常に関心を持って眺めていた。というのは、当時、筆者はある観光バス会社の運航管理兼安全統括管理者といsて活動していたのであるが、保有するふそうバスについて、構造的な問題から腐食生じそれにに起因する事故の恐れが強くあるというを認識していたことによる。

 この腐食に起因する事故の恐れの概略を記すと、添付図写真は、同型大型バスのフロントサスペンション(ダブルウィッシュボーン式)において、ロワアームを支持するセンターメンバーという強度部材(板厚7t程)が内部に雨水や融雪剤などが堆積することで腐食減肉することで、強度不足からロワアームの支持ピボットが外れることで、極めて重大な事故が誘発される恐れが高いというものだったのだ。


 当時運行管理者だった筆者は、当該不具合が当初「サービスキャンペーン」として報知され知ったのだが、こんな重大な、そして多人数が乗車する大型・中型バスにおいて、サービスキャンペーンで済ますとは異常であって、リコールとすべきと国交省に連絡した覚えがある。果たして、筆者の意見だけが影響を与えたとまでは思ってはいないが、他でも類似の意見が出たのだろう。当該不具合は、リコールとして届けが出されるに至ったのだった。

 その様な経緯の中で、過去ブログ記事に記したが、当初単独自損事故として、乗客に負傷を負わせた責任を問われ起訴されていた運転手が、事故から6年を訴訟の中で検察と戦い、無罪判決を得た記事を記した。そして、今回の警察および検察の不手際を追求し、国家賠償を受けるに至ったというのが今回の判決なのだ。

 なお、民事賠償として、車両の製作者であるふそう社も訴えていると思うので、別途判決が出されるのか、既に示談として解決しているのか関心は尽きないところだ。

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高速道でバス横転、無罪確定の元運転手の国賠訴訟で430万円支払命令
読売新聞オンライン 1/25(火) 20:35配信
 北海道白老町で2013年、バスが横転して乗客13人が重軽傷を負った事故を巡り、自動車運転過失傷害罪に問われ、無罪が確定した元バス運転手の男性(62)が、ずさんな捜査で違法に起訴されたとして約760万円の国家賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は25日、国に430万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 捜査内容が争点となり、国側は、事故現場の状況把握や関係者の聴取など、検察官として要求される内容は網羅していたと主張。谷口哲也裁判長はこれに対し、第三者の専門家の意見聴取が必要だったと指摘。「(その捜査を)行っていれば事故原因が運転手の過失にあったとの嫌疑はなかった」として、起訴は違法だったと断じた。

 判決などによると、事故は13年8月、白老町の道央自動車道で発生。男性は在宅起訴されたが、札幌地裁室蘭支部が19年3月、「バスの部品破断によりハンドル操作は困難だった」として無罪を言い渡した。

 判決後、原告代理人の吉田康紀弁護士は「裁判所が刑事事件の記録などをよく精査してくれた」と評価。札幌地検は「主張が認められなかったことは遺憾。今後の対応を検討したい」としている。


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2013年事故から6年を経て車両欠陥を認め無罪・続いてメーカー告発
2020-09-14 | 事故と事件
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/ab92ee414ced8933b6ce7a2bf04f4621

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ふそう大型車リコール点検実施について
2017-03-25 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/191d9876e8c9545a03b22c0f7ae2d039


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