私の思いと技術的覚え書き

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もうあれから10年(東日本大震災)

2021-03-11 | コラム
 311東日本大震災から、既に10年を経たのかと、若干驚くの念を込めて書き記したい。
 正に驚愕の大きさの地震だった訳だが、こんな震災や大津波を何度も我が国は痛めつけられつつ、復興して来たのだろう。しかし、今回の地震を、国家非常事態宣言の発令にまで招いたことと、未だ復興というか廃炉除染作業の収束の目処が付かないという、正に取り返しの付かない咎めを受けてしまったことは、何と考えたら良いのだろうか。

 思うことは、文明の進化は、人間を幸せの方向へ向けているんだと漠然と考えていたが、そうとも云えないという気持ちが年々高まる思いがしている。

 50年前(1970年の大阪万博のころ)と現在と比べて、テクノロジーの進化はめざましいものがある。しかし、半世紀もするとテクノロジーは進化し、一見便利な世になり、平均余命も伸びているのだが、その時代に暮らす幸せがどうなのかを思うと、暗然とするところだ。70年(S45年)は、高度経済成長の終わりのことになるのだろう。世に公害の問題が各地で生じていることもあったが、多くの人々は明るい未来を見ていた様に思う。

 それから50年余を経た現在、大きな公害こそなくなったが、東日本大震災に連動して東電原発の巨大事故が発生した。これは、今まで各地に様々な公害問題というのがあったが、完全復興卯ができるのか素人には判らないが、一応できたと仮定して、一体その費用と時間が如何ほどまでに達するのだろうか。おそらく桁が違う損害総額が算出されることになるのだろう。

 最近読んでいる本に「江戸のダイナミズム」(西尾幹事著)があるが、今まで江戸時代というと、士農工商だとか鎖国だとか、徳川独裁政権体制が250年余も続いた、暗いイメージを持つが、そうでもなかったということが記されている。私はこの江戸時代を舞台にした池波正太郎氏の歴史小説に親しんでいるせいか、江戸を暗い時代と思ったことはないが、それでも現代の自由民主の時代と比べれば、個人の自由は制限されつつも、もしかすると、今日の出来事を喜び、明日への夢を持つ人々は多かった様にも思える時がある。

 先の著者は同本の中で、日本人の気質に大きな影響を与えたのは、明示維新でなくて、江戸時代にこそあると述べている。それが、敗戦の占領下で米国に侵され、その後中国や朝鮮の影響力を受けつつ、江戸時代に育てたモラルを日本人は忘れてしまった様にも思う。自由民主と聞こえは良いが、一体全体国民の中に、どれだけ政治に感心を傾けている者がいるのだろうかとも思う。それが官僚制度の膨張と相まって、それをオペレーションすべきトップリーダーが首相官邸であり政治家だろうけど、その様な明日の明るい日本を夢みる政治家や官僚は少なくなってしまった様にも思える。

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