今やパソコンやインターネットは当たり前にある機器として普及しています。携帯電話も誰でも持っているのが普通で、持っていない人を探す方が大変です。
しかし、今から24年程前、私が今の仕事を始めた頃というのは、随分今と環境が異なっていたと感じます。まず、第一に個人宅はともかく一般の修理工場でFAXがあることは希でしたし、送信する側の会社にもミニファクスというA5サイズが上限のFAXしかない状態でした。修理工場へ事故現車の調査に赴き、事故車を前に手書きの見積書をパーツリストや工数表を見ながら、長時間を掛け見積書を作成した頃のことが思い出されます。今ではパソコンを利用し短時間に見積書を作成することが出来ますが、昔はそんな具合に見積を作成したものでした。その見積書をFAXもないので、訪問先の工場で作成提出して帰ったものでしたが、今は昔の姿です。しかし、この手書きの見積の反復作成作業というのは、結構に見積技能の向上に役立ったものと今でも感じますが、今の若い方には判らないことと思います。
携帯電話の普及もまったく便利になりました。事故車の調査等の繁忙時は朝早く会社を出発し、各工場を廻りながら移動しますが、昔は電話連絡として訪問先の工場へ電話をもらい、追加の調査先の打合せをしたものですが、今やその様なこともありません。それと、夜間の個人宅への訪問等で、予想以上に道が混んだりして遅延が生じますと遅延連絡のため公衆電話を探しますが、その様な時に限って公衆電話は見つからないものでした。今は携帯電話がありますから、速やかに遅延となることを連絡し、焦ることもありません。
ナビゲーションシステムも私の業務環境を変化させた機器であると感じます。ナビのない昔は、知らない場所は事前にゼンリン地図等で位置を確認し、必要に応じてコピーを取る等それ相応の時間を掛けて出発したものでした。しかし、今やその様な必要もありません。夜間の個人宅の訪問では、ルームランプの明かりではコピーした地図が見難く苦労したこともありました。そして、転勤時のまったく土地感のない地域でも、ほぼ問題もなく短時間に訪問が出来たのもナビのお蔭と思います。
パソコンとインターネットの環境も、業務環境だけでなく私的な環境にも大きな影響を与えたと感じます。今や調べたいことは、まずインターネットで検索するのが当たり前となりました。ちょっと前のニュースで、自宅に帰って直ぐテレビの電源を入れる人40%、直ぐパソコンを立ち上げる人32%と記されていました。私の場合は、帰宅するとほぼ100%パソコンを立ち上げますし、テレビはパソコン内のテレビ画面で、ながら見聞きします。また、同ニュースでは、自宅で新聞を読んでいる人63%に対して、ニュースはパソコンとインターネットで知る人42%とも記されていました。私の場合は、新聞20%、パソコン80%と云った感じです。何れにしても、今や会社でも自宅でもパソコンとインターネット環境は当たり前の環境であり、欠かすことのできない機器となったと感じられます。
この様な情報機器の発展ですが、高齢者の方や主義主張から特に自宅でのパソコンやインターネットの利用を行わない方もいますが、今後はある意味で情報難民化する恐れもあるとすら感じます。但し、この様な優れた情報機器ですが、やはり旧来のメディアも大事なものです。特に強調したいのは、書籍の重要性であると感じられます、昨今は書籍の売れ行きが減少していると云いますが、やはり書籍を読むことによる知の収集と作品としての感激は、他のメディアでは味わえない重要なものと思います。