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砲の規格120mm口径44とかスペック

2023-02-13 | コラム
砲の規格120mm口径44とかスペック
 ちょっと前に記したが、ドイツのレオパルド2戦車で初ではないが現代戦車砲の主流となったものに滑腔砲(かっこうほう)という主砲がある。これは、それまでの手法が、いわゆるライフリング砲として、射出する砲弾に回転力を与え、弾道の直進性を得ていたものを、滑腔砲としてスムースボアのすべすべ砲身の使用において、装薬(砲弾を射出する火薬)の起爆エネルギーをライフリングにより消費させないで、ひたすら射出する砲弾の初速を上げることに特化した砲だ。

 大雑把な概論だがライフリング砲だと、初速は1km/sec程度が限界となるが、滑腔砲では1.5~2.0km/sec程度まで初速が向上する。この場合、特に砲弾に火薬が仕組まれていない徹甲弾(敵の装甲を打ち抜く弾)では、運動エネルギー弾であるので、mv(質量×速度)で貫徹力に差異が生じる。従って、なるべく比重の大きいタングステンとか劣化ウラン弾を使用し、滑腔砲で射出することは、敵戦車の超部厚い装甲とかその傾斜による避弾経始(ひだんけいし)を無効にするので有利となるということの様だ。

 つまり、着弾で1.5km/sec程で着弾すると、傾斜装甲の避弾経始は無効となり、着弾した超高圧高温度による侵徹という現象が生じて、従来の超高張力鋼(ボロン鋼)だと1mの厚みさえ、貫通してしまうのだという、従って、軍事的には秘密とされているが、鋼板とセラミック層を何重にも積層した複合装甲という防御機構を現代戦車においては、ボルトで付け外しできる様になっていると云う。

 ところで、主砲には例えば120mm口径44とか表記されるが、120mm口径とは主砲の口径を表すが、末尾の44は砲身の長さが口径の何倍かを表すもので、例えば44なら120×44で5.28mの砲身長だと判る。つまり、装薬(砲弾を飛ばす火薬量)にもよるが、砲身が長いほど、砲身出口まで砲弾は加速されるので、より高初速で射出できることになるが、運用上とか製造上の精度の課題もあり、あまり極端に長い砲身を採用することは限界がある。

 ただし、レオパルド2などは当初44の砲身長だったのが45とバーションアップされるなど、破壊力をバーションアップさせているし、自衛隊の10式でも砲身のバーションアップは最大50程度までのをことを考えて作られている様だ。

【過去記事】
陸自・富士学校記念日見学記(07/07) その3
2019-07-09 | 沼津そして伊豆周辺
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/609b8e9e7a2e120b5e88a546b70f74e9

APFSDSとは?(侵徹とはとは?)
2020-02-08 | コラム
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/6dfc2f4a066d576077b431e71c06d423


現代の矢(滑腔砲)
2018-07-03 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/9089592b4aa4c6ac1ea6fe409217dbe8


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