ここで記すことは、学者でない単なる実務家としての論評なので、必ずしも正しいとは限らないので、一つの意見として承知して欲しい。
さて、シリンダーヘッドの吸排気弁だが、4バルブ方式というのはかつてはレーシング仕様の特権で、日本の市販車で初採用されたのは、S45年頃販売したニッサンのS20エンジンだったと記憶している。ところが、現在は4バルブヘッドは当たり前の仕様となって、軽4からディーゼルの大型トラックまで、コンベンショナル(通常)な仕様として定着した感がある。
少量生産のいわば特別仕様だったS20以降、20年程を経て4バルブヘッドがコンベンショナルな仕様となったのは、機械加工たる量産技術の成熟がコストの制限に打ち勝ったのであろう。それを世界で最初に成しとけたのはトヨタで、当初ハイメかツインカムなる名称で、4バルブヘッドをスポーティ車ではない極ノーマルなクルマまで採用し出したのだった。
ところで、4バルブシリンダーヘッドが世界的に普及した頃、5バルブという給気バルブを3弁化し、さらに吸排気効率の向上を目指したエンジンが、世界的に幾つかのメーカーで登場しだした。しかし、この5バルブは、1世代限りで、継続生産されずに1過程の技術として短命に終わった。これは、バルブトレーンの機構が、チェーンからタイミングベルト方式に変化し今はチェーンに回帰しているが、それよりも短命な技術だったのが5バルブだろう。
この5バルブは何故短命に終わったのかを考えてみるというのが、今回の主要テーマだ。このことを、拙人は、4バルブヘッドで、インテーク側およびエキゾースト側に形成することができるスキッシュエリアが、5バルブではエキゾースト側にしか形成できないことにあったと想像している。
このスキッシュエリアだが、該当部のヘッド面は平滑な形状となっており、従ってピストン上死点では、ヘッドガスケットの厚さ(一般的には0.3~1.0mm程)の極狭い隙間になる。このことにおいて、圧縮行程の上死点では、スキッシュエリアから勢いよく押し出された圧縮給気は、燃焼室内の乱流形成に寄与する。つまり乱流が強くなるほど、燃焼速度は向上し、点火進角をより進めることができ出力も向上する。
このことは以前に拙人のブログで「メカニカルオクタン価とは?」ということで記している。
メカニカルオクタン価とは?
2017-11-27 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/78eac418c860c58897d229d840cb2e9a
つまり、5バルブは吸排気効率は向上するが、一方スキッシュエリアが十分取れないことからメカニカルオクタン価は低く、燃焼速度の向上からは逆効果を生み出してしまうのではないだろうか。
さて、シリンダーヘッドの吸排気弁だが、4バルブ方式というのはかつてはレーシング仕様の特権で、日本の市販車で初採用されたのは、S45年頃販売したニッサンのS20エンジンだったと記憶している。ところが、現在は4バルブヘッドは当たり前の仕様となって、軽4からディーゼルの大型トラックまで、コンベンショナル(通常)な仕様として定着した感がある。
少量生産のいわば特別仕様だったS20以降、20年程を経て4バルブヘッドがコンベンショナルな仕様となったのは、機械加工たる量産技術の成熟がコストの制限に打ち勝ったのであろう。それを世界で最初に成しとけたのはトヨタで、当初ハイメかツインカムなる名称で、4バルブヘッドをスポーティ車ではない極ノーマルなクルマまで採用し出したのだった。
ところで、4バルブシリンダーヘッドが世界的に普及した頃、5バルブという給気バルブを3弁化し、さらに吸排気効率の向上を目指したエンジンが、世界的に幾つかのメーカーで登場しだした。しかし、この5バルブは、1世代限りで、継続生産されずに1過程の技術として短命に終わった。これは、バルブトレーンの機構が、チェーンからタイミングベルト方式に変化し今はチェーンに回帰しているが、それよりも短命な技術だったのが5バルブだろう。
この5バルブは何故短命に終わったのかを考えてみるというのが、今回の主要テーマだ。このことを、拙人は、4バルブヘッドで、インテーク側およびエキゾースト側に形成することができるスキッシュエリアが、5バルブではエキゾースト側にしか形成できないことにあったと想像している。
このスキッシュエリアだが、該当部のヘッド面は平滑な形状となっており、従ってピストン上死点では、ヘッドガスケットの厚さ(一般的には0.3~1.0mm程)の極狭い隙間になる。このことにおいて、圧縮行程の上死点では、スキッシュエリアから勢いよく押し出された圧縮給気は、燃焼室内の乱流形成に寄与する。つまり乱流が強くなるほど、燃焼速度は向上し、点火進角をより進めることができ出力も向上する。
このことは以前に拙人のブログで「メカニカルオクタン価とは?」ということで記している。
メカニカルオクタン価とは?
2017-11-27 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/78eac418c860c58897d229d840cb2e9a
つまり、5バルブは吸排気効率は向上するが、一方スキッシュエリアが十分取れないことからメカニカルオクタン価は低く、燃焼速度の向上からは逆効果を生み出してしまうのではないだろうか。