最新鋭旅客機のボーイング787のトラブルが続出している様です。内容は、油圧系配管からオイル漏れで発煙、リチウムイオンバッテリーの関連するトラブル、操縦席前面ガラスの破損、等々が生じている様です。これら問題を踏まえ国土交通省では、当面の同型機の運行中止を命じたそうです。
そもそも、このB787は従来機のアルミニウム系素材の機体筐体を大幅にカーボン繊維製とするなど革新的な構造変更がなされた機体です。それだけに初就航も遅延に続きの難産で、約4年間も当初予定より経過してしまったというものです。そして、現在量産が開始され1年ちょっとを経過したとことろですが、トラブル続出なっているということです。
大型航空機の場合、クルマに比べ構成部品も大幅に多く、それでいて量産に際しての試作台数も少なく、云わば一品生産的なところがあるのが宿命的な問題となろうかと思います。概して工業製品は、設計や製造に起因する初期不良が多いのは知られた問題ですが、早急にこれらマイナートラブルを解消し、信頼性ある機体に熟成されてもらいたいものです。
ところで、合計4回生じたという操縦席前面ガラスの破損ですが、どうやら外部からの飛来物の衝突などではない様です。もし、ガラス固定枠(つまりボデー本体)の歪みなどが起因しているとなると、カーボンファイバーの積層枚数の増加等を含め、機体筐体の補強策を講じなければならないという事態も想像されます。
これらの加修も含め、運行不能の損害金の補填もしなければならないでしょうし、航空機製造会社が利益を生み出していくのは大変なことだと思います。