情報共有に思う

　情報共有という概念は、コンピューターネットワーク化が高度化するに従い、ますます重視されるされる様になっています。しかし、それ以前にも、会議やブリーフィングといった場での、情報の共有、意志の統一、進むべき方向の明確化など、都度繰り返されてきたことであります。それが、コンピューターネットワークによって、リアルタイムに共有化できる様になったということが、昨今の事象なのでしょう。

　軍事上では、超強力な電波で３６０度全周を高速スキャンするイージス艦のレーダー波をモニタリングする画面を、リンクステムで他の艦で共有したり、頭上を飛び進撃するアパッチ・ロングボーのミリ波レーダーが捉えたターゲットを、地上を進撃するエイブラムス戦車内のモニターでモニタリングし、戦術を展開することなどが行われているのでしょう。

　モータースポーツの分野でも、最初にホンダチームが導入したというテレメトリー・システムは、レース走行中のマシンの様々な動的な計測値を常時モニタリングし、従来であればドライバーからの口述による伝達したかなかったマシンの状況をほとんど不要とし、より迅速な対応と、次レースへ向けた改善のためのデータとして利用し、しのぎを削っているのでしょう。

　ただ、共有というと、いいことずくめの美名にも感じますが、それはあくまでもその組織の中においての限定されたものであることです。また、同一組織内においても、絶対共有されない高度な機密や、権力者が恣意的にコントロールする情報があるのも必然と感じます。

　しかし、国民のためにあるとされる国家や自治体が管理する情報は、特段の個人情報や機密の問題がない限り、最大限に情報共有がなされなければならない問題だと思うのですが、３１１以後繰り返され続けているデタラメ振りは凄まじいばかりです。