私の思いと技術的覚え書き

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0913 今治 醤油ローリー衝突、タンク10m下に落下

2021-09-13 | 事故と事件
0913 今治 醤油ローリー衝突、タンク10m下に落下
 今日(9/13)午前、愛媛県今治市のしまなみ海道で、醤油を積んだタンクローリーが側壁に強く衝突し、車体は大破すると共に、タンク部は分離し、高架下へ10m落下したという。

 Youtube から画像を切り出しているが、該当ローリーは単車(トレーラーでない)で、4軸か3軸車かは、動画の画像では前部フレーム部分が大破しているので判然としないが、後部車輪が低床車の小径タイヤでないので、おそらく3軸車と思われる。

 運転手は死亡したとのことであるが、その他に巻き込まれた者はいないとのことだ。

 長年のクセで、この様な事故後の写真を見ると、事故時の車両の挙動がどうだったのか、いわゆる事故の再現というものを想定するのだが、この事故はちょっと判り難い様に思える。それは、以下の様なところだ。

・事故現場は片側2車線のほぼ直線の高架路の様である。ここで、例えば居眠りに近い状態で側壁に衝突したとしても、ここまで車体が大破し、しかもタンクが分離するまでの損傷が起こるとは考え難い。

・タンクは車体フレームに多数のボルトで強固に装着される。また、側壁の高さとタンクの位置から見て、タンクが直積側壁に衝突したとは、横転したとかならあり得るが、事故車は横転していない。

・事故車の前部のキャブ(運転台)下部に強い入力をうけていると思えるが、何故キャブが前方に投げ出される様な状態になっているのだろうか。当初、前方へのタンクの移動でと考えたが、キャブ後面パネルの変形がなく、違う要因で生じていると想定できる。

・トラック車体(フレーム)とタンクの分離は、側壁に横方向に強くぶつかり、その慣性Gにより起きたものと推定できる。報道ではタンクに9トンの醤油と記してあるが、タンク自体(ステン製)の重量も4、5トンありそうだから、合計10数トンの重量が、仮に3Gの加速度が働けば、30数トンの引張力が働き、締結ボルトもすっ飛ぶだろう。

・衝突は単発のものでなく、後輪も滑る様な左右への蛇行(ドリフト)を生じ繰り返し衝突しつつ、最大の真横への衝突で、フレームとタンクの分離が生じたのではないか。また、キャブの前方への転がりは、後部マウンティングBKT本体がむしり取れていると想像する。



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醤油9t積むタンクローリー落下 運転手の68歳男性死亡 愛媛・今治市
2021/09/13 TBS NEWS
 きょう午前、愛媛県今治市のしまなみ海道で、タンクローリーが壁に衝突し、荷台部分が高架から下の道路に転落する事故があり、運転していた60代の男性が死亡しました。

 「すごい爆発音がして、これは大変なことになるなと」

 事故があったのは、今治市阿方のしまなみ海道で、きょう午前10時半ごろ、タンクローリーが側壁に衝突し、そのはずみで荷台のタンクが10メートル下の歩道に転落しました。

 この事故でタンクローリーを運転していた愛知県の会社員・平田正さん(68)が頭などを強く打ち意識不明の重体でしたが、さきほど死亡が確認されました。

 警察によりますと、タンクローリーはおよそ9トンのしょうゆを積んでいたとみられ、ほかに巻き込まれた人はいないということです。(13日13:37)
https://www.youtube.com/watch?v=GZsQLgvMTnU


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