拙人の過去記事で「賠償交渉事例(その1)・スーパー7 2009-01-27」については、その閲覧者が絶えることなく比較的多い。また、質問などコメントも多い。オリジナルロータス社が生み出し、その製造権をケータハム社が継承してから50年を経過した現在でも、ほぼロータスオリジナルスーパーセブンが継承され続けているという誠に希有なクルマであり、その人気は今でも絶えることはない。
賠償交渉事例(その1)・スーパー7 2009-01-27
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/3d5cc1d652b425f948f9bf865e10f18f
ここでは、下記のYoutube動画を元に、新たに知る現代の製造工程や工法、そして、現在まで拙人が知る得た新たな諸情報までを含め書き留めてみよう。
「ケータハム・セブンができるまで| (ディスカバリーチャンネル)2018/10/30」
https://www.youtube.com/watch?v=ZnA_iYnJxJY&t=119s
旧来のロータスオリジナルスーパーセブンでは、目視で20mm角断面(t2mm)ほどは、アーチモータス社に外注され、ジグ上で真鍮蝋ブレージング(ロウ付け)され接合されていたのだが、現在ではMIG溶接で接合して組み立てられていることが判る。そして、完成したフレームの計測なども、旧来は定盤上で実スケールで計測確認していたのであろうが、現在では適当な姿勢であっても、適宜基準点を元に校正しうる3次元計測器で行われていることが判る。
このスーパーセブンだが、しばらく前まで紀和商会というところが輸入総代理店(=インポーター)であったが、現在ではケータハム社の日本法人が設立されてインポートしているそうだ。
このクルマ、フレームが華奢な構造でもあり、恐らく市販車で最もフレーム交換頻度の高いフレームであろう。日本の道路運送法ではフレーム(車台)を交換する場合は、予め届出を行った上で、新たな車台番号を国の検査登録事務所が行う職権打刻の手続きを行わなければならないという規則がある。従って、車検証を見ただけで、職権打刻車=事故修復歴車ということが判る訳だ。ところが最近仕入れた知識では、予めオリジナルフレームのフレームNo打刻部を切り取り、ケーターハム社を通じて本社に送ることで、オリジナルと同一のフレームNoで再打刻した新品フレームが供給されると云うことだ。このことは、職権打刻によらず、フレーム交換の事故車の復元が可能となるということとなる。
こういう話しを聞くと、さらにフレーム交換頻度が上がるとも思える訳だが、このスーパーセブンのフレームは比較的単純で、ほとんどが直線で校正されており、部分交換も手慣れた工場なら、如何様にも可能なのだ。但し、正確なボデー全体の寸法を狂わすことなく、部分交換を進めるためには、ジグ式車体修正機に特製のマウントアダプターを使いこなすなど、それなりに精通した工場でないと、所用時間および精度の点で難点も出てくるだろうし、所要時間が長くなれば費用も割高となるだろう。
なお、補足として新品フレームの価格だが、紀和商会時代の話しだが約250万円だったと聞いている。その時代、英車の平行輸入部品商である三貴(みき)プリパレーション(東京都江東区新木場)では、当時100万+α程度であったと記憶する。今でも三貴社は存続しており、ケーターハムのフレームは120~140万円程度らしい。
先に記したYoutube動画で、スーパーセブンのリヤボデーとなる平板アルミ板を、アルミ丸パイプに巻き付ける工程を感心高く眺めたので、その切り取り画像と共に若干講釈を記してみる。
写真は11枚となるが、トランク部のRとなる極面をアルミパネルを曲げ加工し、パテも盛らず平板部と遜色なく仕上げる訳だ。ここで、当初に石鹸を塗っており、その後バーナーで加熱している。そして、テロップでは石鹸が茶色く焦げた状態が、パネルの曲げ加工開始の合図であると出てくる。この意味は、本来は示温塗料(その設定温度に応じて色変化で温度を表示する塗料)で行えば良い訳だが石鹸を示温塗料の代用としている。つまり、アルミの板金加工温度は200℃程が適温となり、この温度で降伏力は常温の30%も下がる、つまり軟化して加工し易くなるのである。なお、ここでの打撃は、なるべく局所的な凹損を生じない様に留意しつつ曲げ加工を行い、表面をボデーヤスリ、ダブルアクション(#240辺りか?)、そして研磨砥石で手研ぎし、ほぼ未加工の平面部と違和感ないところまで表面粗さを仕上げるということだろう。
賠償交渉事例(その1)・スーパー7 2009-01-27
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/3d5cc1d652b425f948f9bf865e10f18f
ここでは、下記のYoutube動画を元に、新たに知る現代の製造工程や工法、そして、現在まで拙人が知る得た新たな諸情報までを含め書き留めてみよう。
「ケータハム・セブンができるまで| (ディスカバリーチャンネル)2018/10/30」
https://www.youtube.com/watch?v=ZnA_iYnJxJY&t=119s
旧来のロータスオリジナルスーパーセブンでは、目視で20mm角断面(t2mm)ほどは、アーチモータス社に外注され、ジグ上で真鍮蝋ブレージング(ロウ付け)され接合されていたのだが、現在ではMIG溶接で接合して組み立てられていることが判る。そして、完成したフレームの計測なども、旧来は定盤上で実スケールで計測確認していたのであろうが、現在では適当な姿勢であっても、適宜基準点を元に校正しうる3次元計測器で行われていることが判る。
このスーパーセブンだが、しばらく前まで紀和商会というところが輸入総代理店(=インポーター)であったが、現在ではケータハム社の日本法人が設立されてインポートしているそうだ。
このクルマ、フレームが華奢な構造でもあり、恐らく市販車で最もフレーム交換頻度の高いフレームであろう。日本の道路運送法ではフレーム(車台)を交換する場合は、予め届出を行った上で、新たな車台番号を国の検査登録事務所が行う職権打刻の手続きを行わなければならないという規則がある。従って、車検証を見ただけで、職権打刻車=事故修復歴車ということが判る訳だ。ところが最近仕入れた知識では、予めオリジナルフレームのフレームNo打刻部を切り取り、ケーターハム社を通じて本社に送ることで、オリジナルと同一のフレームNoで再打刻した新品フレームが供給されると云うことだ。このことは、職権打刻によらず、フレーム交換の事故車の復元が可能となるということとなる。
こういう話しを聞くと、さらにフレーム交換頻度が上がるとも思える訳だが、このスーパーセブンのフレームは比較的単純で、ほとんどが直線で校正されており、部分交換も手慣れた工場なら、如何様にも可能なのだ。但し、正確なボデー全体の寸法を狂わすことなく、部分交換を進めるためには、ジグ式車体修正機に特製のマウントアダプターを使いこなすなど、それなりに精通した工場でないと、所用時間および精度の点で難点も出てくるだろうし、所要時間が長くなれば費用も割高となるだろう。
なお、補足として新品フレームの価格だが、紀和商会時代の話しだが約250万円だったと聞いている。その時代、英車の平行輸入部品商である三貴(みき)プリパレーション(東京都江東区新木場)では、当時100万+α程度であったと記憶する。今でも三貴社は存続しており、ケーターハムのフレームは120~140万円程度らしい。
先に記したYoutube動画で、スーパーセブンのリヤボデーとなる平板アルミ板を、アルミ丸パイプに巻き付ける工程を感心高く眺めたので、その切り取り画像と共に若干講釈を記してみる。
写真は11枚となるが、トランク部のRとなる極面をアルミパネルを曲げ加工し、パテも盛らず平板部と遜色なく仕上げる訳だ。ここで、当初に石鹸を塗っており、その後バーナーで加熱している。そして、テロップでは石鹸が茶色く焦げた状態が、パネルの曲げ加工開始の合図であると出てくる。この意味は、本来は示温塗料(その設定温度に応じて色変化で温度を表示する塗料)で行えば良い訳だが石鹸を示温塗料の代用としている。つまり、アルミの板金加工温度は200℃程が適温となり、この温度で降伏力は常温の30%も下がる、つまり軟化して加工し易くなるのである。なお、ここでの打撃は、なるべく局所的な凹損を生じない様に留意しつつ曲げ加工を行い、表面をボデーヤスリ、ダブルアクション(#240辺りか?)、そして研磨砥石で手研ぎし、ほぼ未加工の平面部と違和感ないところまで表面粗さを仕上げるということだろう。
ケータハム で事故を起こしたとして、正規なルートで仕入れたシャシー交換ならば修復歴有りにはならないのでしょうか?