私の思いと技術的覚え書き

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HONDA・RA272(再掲) 2016-07-30記述を若干編集

2020-07-25 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 写真は、ホンダ・コレクションホールで見た、ホンダ初のF1グランプリ優勝(メキシコGP)マシンたるRA272だ。
 エンジン配置は当然ミドだが、1500ccV12を横置き配置としているのが、ホンダらしいところだ。ボデーはアルミモノコックだと思うが、手叩き鈑金の素の状態で塗装仕上げされており、結構ハンマー打痕跡のあとも生々しい。当時の二輪のカウリングも、アルミ平板からの手叩き鈑金で、小さな凹凸が判るが、これはこれで良い風味を醸し出し良いものだと思う。また、作業した職人の巧みさを感じ取れるものだと思える。

 インストルメントのタコメータを覗くと、9千くらいからレッドゾーンにされているが、スペック的には230bhp/13,000rpmで14,000rpmまではOKだったらしい。Youtubeの動画で空吹かししているのを眺めると、指針が若干遅延しつつ踊るが、当時はカムシャフトからギヤを介してケーブルを廻す純機械式だったから(イナーシャが大きいから)なんだぁと思う。(当時は市販S8なんかも機械式だった。)

 この横置き配置でがあるが、FF実用車ではジアコーサドライブとして世界の定番であるが、それまでのレーシングカーとしては珍しい配置だったハズだ。F1などのレースでは、コース毎に5速のギヤレシオを最適なものに変えるが、ホンダ方式ではエンジンごと下ろし、ギヤボックスを分解しなければならなかった様だ。それと、この数年後に市販されるミウラであるが、同じくV12(こちらは4L)を横置き配置としているが、何らかの影響を与えたのだろうか。

 後方から眺めると、排気は4本で3気筒分ずつを集合させたものだったことが良く判る。前バンク側は隠れて見えないが、集合部までの管長は、当然ピークパワーの脈動周波数に共振する様に合わせ込んでいるのだろう。それと、ハーフシャフト(ドライブシャフト)がやけに艶やかだが、チタン系の素材なのだろうか。また、ジョイントはクロスジョイントだが、現在はこの様に高トルクが掛かる部位には、レーシングカーでも市販車でも使われない。バーフィールドかトリポートといった、等速ジョントの使用が普通だ。

 最期に、GoodYear のスリックでないトレッドパターンだが、往時の走り屋達は、これとまったく同じパターンのセミレーシングを結構付けていたことを思いだす。



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