私の思いと技術的覚え書き

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R56補機駆動のこと(ファンベルトの脱着)

2015-03-11 | BMWミニ
 またまた前回の作業に関連してBMWミニ(R56)のファンベルトによる補機駆動について記してみたい。
 R56のN系エンジンでも今や一般化したベルト1本による補機駆動が使用されています。ファンベルトの交換は、スペースが狭く行い易いとはいえないと感じます。この手の1本ベルトシステム(サーペンタインベルトシステム:ぐねぐねの意)は、バネ力によりベルトテンションを与えているアイドラプーリーをメガネレンチなどで反力逆方向に回し、ベルトを緩め外すというのは変わりません。アイドラ用のテンショナーボルトはエンジンルーム上方にあり、アクセスはし易いのですが、回転方向へのスペースがなく、非常に廻し難いものです。しかし、このクルマには、テンショナーを縮めた状態でロックできるサービス用のピンが備わっています。テンショナーをぐっと縮めてロックピンを押し込めば、テンショナーは固定され戻らなくなります。

 さて、これでベルトを取り外しに掛かりますが、クランクプーリーとその後部にあるプーリーの間が密着していて取れません。外す際にはちょっと強めに引っ張って外せましたが、これではとても取り付けることは困難でしょう。その理由ですが、クランクプーリー後部のアイドラは、その後部上方にあるウォーターポンププーリーをベルトではなく、プーリー外周の摩擦を使って駆動しているためです。そのため、同プーリーを上方へ押し付けるテンショナーが備わっています。観察していると、同プーリーの根元付近につまみのようなノブがあります。これを引っ張ってみますと、ジーという感じで、アイドラが下方に移動し、クランクプーリーとアイドラが離れ、ベルトが入る隙間が生じました。

 ということで、すべての補機をベルトで1本ベルトで駆動しているのではなく、ウォータポンプはアイドラ外周の摩擦伝達でという、他のクルマでは見掛けない手法と思います。なお、同プーリーは滑り防止のクロスハッチ加工された金属製で、クランクプーリー側はベルト裏面のゴムと、ウォーターポンププ-リーは外周ラバー付きのものが使用されているというものです。テンショナーの反力は比較的小さく、大きな駆動力は生み出せないでしょうが、ウォーターポンプ程度の比較的軽負荷であれば問題なしということなのでしょう。



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