沼津市の西側から富士市の東側(吉原地区)に掛けて、かつては広大な低湿地の沼地が広がっており、浮島ケ原と呼ばれていたと云います。このことは、江戸時代の東海道五十三次の絵にも描き表されていることです。ですから、沼地と入江の意味での津を合わせて沼津と呼ばれて来たと云います。
そんな沼地も、現在では埋め立てられたり、水抜きの河川が作られたりして、宅地や農地に変わっており、一見すると昔の様子は判りません。
現在、沼地の湿原はないのですが、富士市と沼津市に境目付近には、その大きさは小さいながらも往時の沼地を彷彿とさせるべき状態にされた公園が作られています。その富士市側の公園(浮島ケ原公園)を訪れてみました。
公園内は、木橋で散策できる様になって いるのですが、久しぶりに聞くカエルの声や、水辺にはカモの姿も見えました。そして、サギが丹精な姿でたたずんでいるのに息を飲みました。まったく動かず作り物かとも思いましたが、近づいて行くと飛び立って行きました。この公園は国道1号線に近く、決して静寂に包まれている訳ではないのですが、その雰囲気は何故か心安らぐ静かなものと感じられます。