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もう一つの「緊急事態宣言」・2011から13年長

2024-03-26 | 事故と事件
もう一つの「緊急事態宣言」・2011から13年長
 もう名古屋と同じ区域は日本の中で、原子力緊急事態宣言のまま取り残されてる。

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もう一つの「緊急事態宣言」 原発事故の福島 解除の見通しないまま10年超
2021年7月22日 06時00分 東京新聞

 新型コロナウイルス禍で東京都に緊急事態宣言が出ている中、福島市でのソフトボールを皮切りに東京五輪が始まった。当初「復興五輪」が掲げられたが、福島県内では別の緊急事態宣言が続いている。東京電力福島第一原発事故の直後に政府が出した「原子力緊急事態宣言」だ。発令と解除を繰り返す新型コロナの宣言と異なり、解除の具体的な条件や見通しすら決まっていない。(小川慎一)
【関連記事】「五輪をやっている感じない」政府の「復興五輪」掛け声倒れ、ソフトボール会場の福島<ルポ コロナ禍のオリンピック>

◆第二原発の宣言は解除されたが…
 「帰還困難地域がまだまだ広範囲に残り、多くの皆さんが避難している状況、原発においてはまだ燃料デブリ(原子炉内に溶け落ちた核燃料)が多数残っており、解除宣言まではほど遠いというふうに思っている」
 昨年12月2日、参院東日本大震災復興特別委員会で、環境省の神谷昇政務官が答えた。芳賀道也氏に、原子力緊急事態宣言の解除の見通しを問いただされた場面だ。
 福島第一原発事故による緊急事態宣言が出たのは、2011年3月11日午後7時3分。翌日には東電福島第二原発についても宣言が出たが、同年12月26日に解除された。原子炉の冷却が安定し、復旧が進んだことが理由だった。
 ただ福島第二の宣言が解除されても、12キロしか離れていない福島第一の宣言により周辺自治体への避難指示は続くことになった。

◆帰還困難区域は名古屋市とほぼ同じ面積
 そもそも福島第一の緊急事態宣言の対象はどこなのか。内閣府原子力防災の担当者によると、政府の避難指示が出ている地域だ。
 事故後、除染などで放射線量の低下が進んで避難指示は順次解除されているが、1市4町2村には放射線量が高くて人の立ち入りを制限している帰還困難区域が今も残っている。その面積は337平方キロメートルと名古屋市とほぼ同じだ。
 宣言解除について、政府は「住民の避難や原発の施設の復旧などの実施状況を踏まえ、自治体の思いなどをしっかり聞きながら、総合的な見地から判断する」と国会で答弁を続け、明言を避けている。内閣府原子力防災の担当者は「具体的な条件は決まっていない。これまで条件の議論もされていない」と明かした。
 緊急事態宣言の解除が見通せないのは、放射能で汚染された地域がまだまだ多く残るからだ。宣言と裏表にある避難指示について、政府は「将来的に全て解除する」と決意を掲げるが、原発事故から10年が過ぎても見通しを示せずにいる。
 福島県南相馬市を除く4町2村の帰還困難区域内には、除染を進めた特定復興再生拠点区域(復興拠点)があり、22年春以降に避難指示が解除され人が住めるようになる。

◆「復興五輪なんて出任せ。東京に人と金が集中」
 一方で92%の帰還困難区域は除染されないまま。山間部が多く巨額の費用がかかるため、政府は自治体から除染の要望があっても腰が重い。
 帰還困難区域の同県浪江町津島地区から兵庫県内に避難している菅野みずえさん(69)は「自宅は復興拠点に入ったけど、帰らない」。周辺は放射能で汚染されたままで生活する環境ではなく、「地区に帰ることを表明しているのは2人だけと聞いている」と話す。
 「復興五輪なんて口から出任せ。東京に人と金が集中し、復興が遅れた」と菅野さんは怒る。1・6兆円とされる五輪費用のうち、税金は9000億円超を占める。政府が復興拠点の除染などにかけている費用は17年度以降の3年間で、約936億円と1000億円に満たない。


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