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現代ビジネスモデルの悲しき現実

2021-10-24 | コラム
現代ビジネスモデルの悲しき現実
 これは何も現代が起源でなく、資本主義というか貨幣経済が始まったと同時にそのその萌芽は生じたのだろう。予て建設工事などは、俗に云うゼネコンが大元受けで、政府や自治体などの公共事業だとか、一般民需でも大型プラント施設などの、大規模契約の受注を得る。

 そして、元請けゼネコンは、その割り振りを、各地方のもしくは専門の中堅土木会社に個別に発注する。そして中堅土木会社はまた・・・と云う具合に発注されていき、最後の末端は一人の請け負い個人に至るという、階層構造が生まれる。

 これに類似したこととして、自動車の製造も極めて似ているところがある。トップがゼネコンに代わり車両メーカーという違いと、ティア1と呼ばれるそれなりの車両メーカーと資本関係を結んだ大企業が、車両の開発段階からプロジェクトを立ち上げる。それ以降は、建設工事の場合とほぼ似た様な構造だ。

 この他に、俗にトンネル会社というのが昔から企業小説などに良く描かれたものだし、これは実際に存在するものだろう。つまり、ほとんど実態のない法人を登記し、帳簿上はその企業を経由して、仕事の受発注が行われた様に装うことだ。この目的は、ここで利ざやを抜き取り、親会社の裏資金とか上位権力者の裏金としての使途を持つと云うものだろう。これは、20年のコロナ持続化給付金の電通による受託でも、トンネル会社の存在が指摘されたが、その後何ら罰は与えられたなどの報はない。

 それと、近年目立つ様になったのは、労働者派遣法の拡大により、やたら派遣者としての労働者(非正規社員)が増加したことだろう。これは、かの昔から港湾労働とか建設工事などで、日雇い労働者を日々募集してその売上をかすめ取っていた反社組織の思考を、形だけあたかも合理的な様に装ったに過ぎない見える。つまり工場労働者など、やってる労働内容は同じか、むしろ過酷な環境を押し付けられ、労働者本人が受け取る給与は、正規職員と大きな格差が生じて来る。しかも、このコロナ病変下で業務量が減り、また自動車などでは電子部品の供給が追い付かず減産体制になっているのだが、正規社員は固定給だから残業分を覗いて対して給与に響かないが、非正規社員は時間給だから減産分が直接給与に与えている影響は大きいだろう。

 もう一つ、フィランチャイズチェーンという業態も、街のコンビニに限らず、多くの業態に見られる比較的近代になって増えた業態だろう。このフランチャイズチェーンだが、コンビニなどは、新規出店後1年も経ずに店終いして、その後その建物は何年も空き家のまま取り残されれている、元フランチャイズだったと判る残照を晒している姿は日本各地に散見されるのだと思う。しかし、これもフランチャイズの本部には、一切の負担はなく、負担を負うのはその店終いした店舗のオーナーが巨額の負債を支払い続けることになっているのだろう。

 このフィランチャイズに近いものとして、自動車関係でも結構ある。整備関係ではコバック、アップルなどあり、かつては一世を風靡した感があるカーコンビニ倶楽部とかヤマト車検を売り物にしていた翼システムという企業が本部だったのだが、巨額脱税が原因で倒産してしまった。原因はそれだけでなく、同社のヒット商品だった整備見積会計ソフトウェアで「スーパーフロントマン」というのが結構導入していた工場は多かったのだが、ここに使用されていた部品パーツリストデータが、トヨタ自動車の著作権侵害で訴えられ巨額の賠償金を負担せざるを得なくなったことも要因としてあるのだろうと想像している。

 なお、自動車関係では、整備以外にも中古車販売とかいわゆるカー用品販売でも、直営店の他にフランチャイズ店も多くあることを知る。

 最後に、最近のNet環境を利用して、さかんにNetCMを出し、一般車両の利用者から「どんなクルマでも手数料は無料」を謳い文句のそれなりの安価な価格で媒介契約を結び、それを自社のNetオークションで入札を募り、急成長を遂げている企業も目立ち始めている。これなど、幾らオークションで値段が上がろうが、その値上がりは一切売却者には反映されることはないから、およそクルマの価値に無関心な者はそんなものかと騙されてしまうのだろう。

 もう一つ、最近知ったのだが、Netで「ミツモワ」というワードで検察してもらえば判るが、世の種々雑多な労務(植木の剪定、エアコン清掃や取付、残物の処理、会計処理、弁理士業務、車の整備や板金など)の見積から発注までを中間に入ってマージン(どうやら総額20%とか?)を貪ろうというものだ。これらは、法令違反ではないものの、商売における倫理としてどうなのか、元請けは大したリスクを負わず、仲介するだけで利益を上げるという、ある意味で末端の業者の利益をかすめ取るという意味では、昔の手配師(現在の人材派遣)と対して違わない儲かれば良いという金権趣向そのものを目指しているのが現在の姿の様に見えてしまう。



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