私の思いと技術的覚え書き

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悲劇の超音速旅客機コンコルドのこと 2008/2/11初版再編集

2020-03-29 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 またまた航空機関連のことを記します。
 コンコルドとは、英仏共同で開発した超音速旅客機です。1972年に定期航路へ就航、マッハ2.0で高々度を巡航できる機体で、デルタ翼(正確には前縁が曲面を持ったオージー翼)を持った未来的なスタイルでした。デルタ翼のためもあり 離着陸時の高迎え角となる際には、機首が下方へ折れ曲がり前方視界を確保するドループ・ノーズが採用されており、この動作が動物的な仕草を想起さると共に、クルマでのスーパーカーと同様なメカニカルな美しさを感じさせる、正に優雅な鳥たる機体でした。
 しかし、マッハ2の高速は、ソニックブーム(衝撃波)による地上への影響を逃れるため航路が制限されることや、長い滑走距離を必要とすることを 要求しました。そして、乗員定員は100名と少なく、燃費も良くなく、機体の価格も高額だったこともあったと思いますが高額の運賃を要することもあって、生産機数はたったの16機に過ぎず商業的には大失敗であったことは確かなことです。
 終焉は2000年7月のエールフランス機の、離陸時の炎上墜落事故が契機となりました。主車輪が巻き上げた異物が翼の燃料タンクを直撃し、漏れ出た燃料に引火し巨大な炎を引きながら離陸する事故当時のニュース映像に驚いたことが思い出されます。そして、2003年10月で運行を終了し、約30年間の寿命を全うしたのです。この事故以外では、約30年間、大きな事故は発生しなかった様です。
 パリからニューヨーク間は通常のジェット旅客機で8時間を要するのを、コンコルドでは3時間45分で結んでいたと云います。お金と時間がありさえすればですが、ニューヨークからパリかロンドンへの旅にコンコルドに乗って見たかったとも思います。


ユーチューブ動画 Beautiful aircraft, goodbye! the Concorde!
https://www.youtube.com/watch?v=5iYUHb-_oFM&t=172
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※コンコルドが優雅に美しく飛ぶ実写映像と、最後の悲しいアクシデントの様子がCGで再現されています。BGMも素晴らしくマッチングしています。



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